三話目の続き 割と予想通りで予想外なのはちょっとだけ
赤石沢と話して家に帰って、ご飯を食べて、すぐに寝た。
―――訳ではなく、帰ってから違和感に悩まさていた。
ご飯はちゃんと食べたけれどね。
違和感・・・なんだろう、この違和感。
あー、何時からだろう、この違和感は。
えーと、赤石沢に話損ねて学校に行って、いろいろ話て帰って来たんだっけ。
わからねぇ!
自分のことさえ良くわからないのに、更に自分の違和感なんて分からないよなあ。
うーん、まぁ、寝ようかな。
ベッドに入って下らないことを考えながら寝よう。
うーん、そういえば、この前ハロウィーン時、赤石沢が家に来てくれたけれど、赤石沢の家に久しく行ってないなぁ。
まぁ、中学生の男女間だし、気軽には家に行けないよな。
赤石沢も家には入っていなしなあ、いや、ベッドが壊れて入れなかったんだけどさ。
というか、赤石沢は家の中に入ってくるつもりだったのだろうか・・・?。
お菓子を渡しにきてすぐに帰るつもりだったのかな?
じゃあ学校で渡せばよかったじゃん、何で、学校で渡せなかったんだろう。
まぁ、どこで渡してくれていいんだけれどね、別に、赤石沢の家に呼んでくれても良かった。
赤石沢の家は特にものすごく近いってわけじゃないけど、歩いて行けるくらいの距離ではある。
だから、たまに自動販売機の前で偶然会ったりするわけだけれど。
確があいつが散歩してたら会ったんだっけ。
俺の家を正面にみて、左の方向に行って角を曲がると赤石沢の家がある、曲がらず真っすぐに行くと学校。
家の右方向には廃校とか・・・思い出したくねぇや。
・・・・・・。
ん、あいつ、今日俺の家の前を通っていかなかったっけ?
まてまて、あいつ俺の家の前を通る必要ないよな。
学校に行くなら、俺の家の前を通るのは明らかにおかしい、しかも急ぎの用があったらしいし。
なんで遠回りみたいな事を・・・?
いや、違うな、あっちの方向に用があったんだろうな。
どんな用かは一切わからないけど。
早朝から何をやっていたんだろうか。
まぁ、何というか、つまりこれが違和感の正体。
割とどうでもいいことだけど。
でも、あの方向には廃校があるんだよな。
誰かが襲われればどうでもいいことでは無くなる、人が襲われれば人間の敵だからな。
・・・俺の言った事でも思ったことでもないけど。
明日、ちょっと見に行ってみようかな、明日休みだし・・・・・いや、途中までにしよう。
怖がっているわけではない、重症でも負えばどうしようもない。
・・・嘘にもなってねぇな、怖がって怪我を恐れているだけだ。
とりあえず、やることは決まった、やりたくないけど。
赤石沢のお兄さんを見習おう。
・・・・・。
・・・・・・・寝よ。
起床7時30分、11月18日。
さあ、やるぞ、って言っても、ただ行ってみるだけなんだけど。
とりあえず、行ってみて様子見をするだけだ。
・・・・・・怖く無かったら、中まで見に行っているんだけどなあ。
もしくは仲間がいてたりとかしたらなあ。
・・・海月がいるけど、誘えない、迷惑はかけられない。
助けがいる時は何でも言ってとは言われているけれど。
でも、海月は関係ない、無理矢理首を突っ込ませたくはない。
海月はきっと助けれたと思っているから、俺のことを助けたいと思ってるんだろうな。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
眠い。
カーテン閉めていたけれど、開けよう。
太陽の光が当たらなければ、体内時計がリセットされないらしいから。
「バサッ」
効果音とかじゃなくて、なんとなく口から言ってしまった。
あー、太陽だ、吸血鬼じゃなくてよかった。
最近の吸血鬼は大丈夫みたいだけど、そこのところはよく分からない。
ん、赤石沢が家の窓から自転車に乗ってどこかへ行くのが見えた。
何をやってるんだ本当にあいつ、二日連続だよな。
服を着替えたし、俺も行くか。
廃校までの距離は歩いて15だからー、えー、自転車で5,6分くらいかな。
廃校までは特に何もない、見逃しているだけかもしれないが、気にしなくてもいいや。
どうでもいいけれど、朝から自転車に乗るとかものすごく久しぶり、早くても昼以降が多かったなあ。
学校が歩いて行ける距離だったら、中々ないんだよね。
自転車持っててもそんなに意味がない気がする、自分自身あまり自転車に乗らない人だし。
・・・今話した中に一切伏線とかないからね。
廃校前について、じゃなくて着いた。
ふーむ、赤石沢と会わなかったな、自転車も見かけなかった。
ストーカーみたいだな・・・。
今度赤石沢に訊いてみよ。
んーちょっと周辺を見て回ってみるか、何かあるかなー、無かったらいいなー。
・・・。
赤石沢の自転車を見つけた・・・。
あいつ何で、ここに来ているんだ?
それはぁ、おかしいよな、というか多分昨日もここに来てるよな。
・・・・中に、入る、か?
というか、入っても大丈夫なのか?
どうしたものか、どうしようか、入ってしまうか。
逃げることに関しては誰よりも速いとは思うけれど、不意打ちは対応できない。
急に攻撃してくるかな、まぁ、んー入ってみるか。
中はやっぱりどこか不気味だった。
一回来といてなんだけど、こういうところ苦手なんだよなあ、この前何か見た気がするし。
さてと、探し回ってみるか、誰も、何も見つからないといいけど。
居たら、居たらでどうすればいいかわからないし、でもこのまま放っておいてもいい物なのか。
今回は一人もとい独りだけから、助けてもらえないからな、気を付けなければ。
んー、こっちには何もないなあ、もうちょっと先に行ってみるか。
・・・。
居た見つけたし見つけられた――。
「えっ、あっ、春夏冬君!?」
赤石沢に――。
いや、まぁ、赤石沢がいることは薄々気づいてはいたけれど、ちょっと予想外なのがその場にこの前戦った吸血鬼がいて、二人とも地面に座っているところかな、吸血鬼が座っていて赤石沢が吸血鬼の上に座っていて、抱き合う感じになっている。
そして、吸血鬼は腕が短く、赤石沢の首に噛みついている、これが吸血しているか攻撃しているかどうかは分からないけれど、何とかしなければ。
―――その前に驚くんだけど。
「あっ、えっ、吸血鬼に、なんで吸血鬼に」
「えっなんで吸血鬼って」
「いや、落ち着けよ、お前ら」
吸血鬼に割り込まれた、やけに落ち着いている。
まぁ、こいつなら、俺のことは知っているし、赤石沢の事も知っていそうだ。
「・・・落ち着いたか?」
「ああ、まぁ」
「うん、落ち着いたよ」
「さぁ。じゃあ話し合ってくれ」
なんでこいつに仕切られているんだろうか、しかもこいつ俺に敵意を持ってないみたいだけど。
「じゃあ、その、春夏冬君なんでここに居るの?」
「俺はこの吸血鬼と戦ったんだけどその後なにもないかと思ってここに来たんだ」
きっかけは赤石沢なんだけど・・・。
「えっ戦う?」
「それは、ちょっと色々あって・・・今度話すよ・・・」
「ちゃんと話してよ」
「分かってるよ―――、次はこっちの質問、ここで何をしてた?」
「血を・・・あげてた」
「どうして?」
「ちょっと色々あったんだよ」
「後で話せよ」
「わかってるよ」
「というか、お前、どうやってこいつが吸血鬼だって知ったんだよ」
吸血鬼は外観だけでは普通の人間だから、俺みたいにきっかけが無ければわかるはずがない。
「あーえーそれは―――、あっ春夏冬くんはどうして?」
「えっあー、俺は――」
「お前らお互いのこと何も話してなんだな」
またもや吸血鬼は割り込んできた、もうお前が全部話せよ、どうせ知ってるんだろ?
「じゃあ、もう、ゆいくんが言ってよ」
ん、ゆいって苗字か?
珍しいな、俺が言うのもなんだけど。
「じゃあ、まず、お前らは二人とも超能力を持っているよな」
「・・・」
「・・・」
えっ赤石沢俺とかと同じようなの持ってるの?
・・・赤石沢も驚いているのか横目でこっちを見てる。
「えっ春夏冬君も?」
「ああ、こいつも持ってる、詳細はよくわからないが」
「・・・瞬間移動ができる」
吸血鬼には攻撃を打ち消すくらいしかしていないから詳細は分からなくていいんだけど、赤石沢の情報が欲しい。
「で、赤石沢、お前はどんなのなんだ?」
「あー、私はー、心を読める」
心を読むやり取りの時本当に心を読んでいるとは、誰も思わないんじゃないかな。
「えっじゃあお前、俺を海月のことも・・・」
「うん、大体知ってるよ」
「・・・」
厄介だなあ、こいつ、ついた嘘がすでに全てばれてるじゃねぇか。
・・・・・。
「話終わったか?」
「まぁ赤石沢とはな」
「ん?」
「お前、なんで赤石沢の血を吸ってたんだよ」
「お前ら腕を奪って行ったからだよ」
俺の所為だった、斬ったの赤石沢のお兄さんだけど。
「いや、でもどうして赤石沢が・・・」
「助けてくれたんだよ、こいつが」
「助けた?」
「空腹に苦しんでいた時にこいつがな」
吸血鬼ってわかったのは心を読んだってことか?
「でまぁ、定期手に血を吸わせてもらっている」
「でも、人間の血の量は―――」
「ああ、吸わせてもらっている量は少しづつだし、吸血鬼の血は人体も回復させるんだ、体に害はないよ、最近は腕が短いから頻繁にきてもらってるんだ、回復させるために」
「そう・・・なのか」
「ああ、大丈夫だ」
そういえばそうだった、こいつに肩を盗られてるけれど、今は何ともないもんな。
「それで・・・あの時のことは・・・」
「あー、いや、大丈夫だ事情は大体知っているからな、そもそも、俺だって人間に被害は出したくない」
良心的な吸血鬼だった、どこかの吸血鬼は大違いだ。
とりあえず、大体のことはつかめた。
「これで話は終わったな」
「まぁ、そうだな」
「じゃあ、帰ろっか」
赤石沢に言われた通り帰る。
帰り道の道中こんな会話を交わした。
「春夏冬君、これからは隠し事とか嘘をつくことはなしね」
「ああ、わかってるよ」
「ふふふ、じゃあ、友達いないよね?」
「・・・は・・・い」
ついていた最大のウソがばれた。
本当は三話でまとめたかったんだけれど、あまり長い期間投稿しないのはどうかと思って分けました。
でも、まぁ続きだから。
どうでもいいけれど主人公が少し成長しています。