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魔女狩り戦争の異端児  作者: 夜神ヨト
死神復活篇
4/5

03話 主神オリス

「ではお元気で〜」


「はい、いろいろありがとうございます。」


看護師に見送られて俺は退院した。この短い期間にいろいろあったけど、なんとかなるだろう。

え?なんでかって?ふふん、そんなの勘だよ!

ってかっこよく言ってみたいけど、今のところ分からないことはオリスが大体教えてくれるから、困ることはないのだ。

さて、家に帰るとするか。ちなみに両親はどちらとも海外で働いているため、一人暮らしだ。

たまに帰って来るけど、だいたいが懐かしの日本料理を食べに来るためだ。

この前帰ってきたのが去年の大晦日。急に帰ってきたと思ったら、


「よし!今日は年越し蕎麦食いまくるぞ〜!」


とか言いながら俺を家から引っ張り出して蕎麦屋に連行したのだ。

連行された側としてはたまったもんじゃない。まぁ、友達0だからなんかイベントとかは無かったから良かったけど。こんな感じで両親の対応には一苦労するのだ。


そんなことを思いながら家路に着く。俺の家は別段(べつだん)大きいわけではないが一応都心の高級住宅街にある。

親曰く、


「私達がいない間寂しいでしょ?せめていいお家には住んでいて欲しいからね。」


らしい。それにしてもわざわざこんないい家を買わなくて良かったのに…

まぁさすが高級住宅だけあって使い勝手はいい。キッチンはIHコンロ、大型冷蔵庫などなどいろいろ充実してる。俺にはもったいない代物だ。


「ただいま〜。」


もちろん家に誰かがいるはずもないが、「いってきます。」と「ただいま。」を言うのは習慣になっている。

なんか家に着いたからか、どっと疲れが降りかかってきた。

そりゃそうだろう。中に(オリス)がいるんだから。


(ん?この程度じゃ疲れない体になってるはずだぞ?)


(そう言う問題じゃねぇ!精神的に疲れたの!)


(ふーん。めんどくさいやつだな)


こいつに精神的にどうのこうの言っても通じないか。

疲れたし風呂でも入るか…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ…久しぶりの風呂気持ちいい〜」


(おぉ〜これが風呂というものか!気持ちいいものだな!)


(あれ?お前って風呂初めてなのか?)


(ん、俺が生きてた頃は風呂なんてなかったからなぁ)


(いやでもお前前から俺の中にいたって言ってたけどなんで今回が初めてなんだ?)


(そりゃぁ一体化しないと感覚とか共有されないし〜)


そうなのか。ってか今こいつと感覚共有してるのか。うえぇ…想像してみると鳥肌がたった。


(そんなに俺のことが嫌なのかい?ん?)


(当たり前だろ。まだ初日だぞ。慣れるもんじゃないだろ!)


(まぁ、確かにそれは一理あるな。)


(そういえば病院で話してた死の系統とかなんとかってなんなんだよ。)


(あぁ〜あれね。よし、説明してやろう。)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あれからだいぶ時間が経って今現在の時間は夜の10時。俺は自分のベッドに寝っ転がりながら腕を目に当てて


「はぁ…もう何がなんやら…」


と、盛大にため息を吐きながら独りごちている。

遡ること2時間前…………


(そんでな、2000年前の………その時にな……………)


オリスが延々と自分の過去について話し始めたのだ。いや、確かに説明を求めたのは俺の方なんだけど、もっと分かりやすくならないもんなのか???


(ったくめんどくさい奴だな。)


(いやお前の説明が長すぎるんだよ!)


(そんじゃもっと簡単説明するか…)


(最初からそれで良かったんだよ!)


てな感じで簡単な説明を受けた。

曰く、神の中にもいろんな系統で分かれているらしい。

主な系統を簡単にまとめると


『炎の系統』・・・・これは文字通り炎熱操作系。

『大地の系統』・・・・これは大地というより自然系らしい。例えば風操作とか、土操作などなど種類豊富

『氷の系統』・・・・これも文字通り氷操作系。水操作ももちろん使える。

『魅惑の系統」・・・・これは精神操作の類。

『死の系統』・・・・これはなんと生死を司る能力。


とまぁ大体こんな感じらしい。あと他にもあるけど今はとりあえずこれぐらいでいいらしい。

そんでこっからがややこしくなってきて、なんと神の中にも階級制度(?)的なやつがあるらしい。

これは本当に聞くのがだるそうだったので一番偉い奴を聞いてみたら…


(ん?俺だよ)


とかって言われた。うん、マジ意味わかんない。

曰く、一番偉い神を主神と呼んで、系統ごとにそれぞれ別の主神がいるようだ。

ちなみにこいつ(オリス)は死の系統の主神らしい。めっちゃすごそうなんだけど、俺こんな態度で良かったのかな…


(気にすんな!)


オリスはそう言ってるがもし激怒したりして俺が殺されたりしたらシャレになんない。


(大丈夫だ。俺はお前を殺せない。なぜならお前が俺の宿主であり相棒だからな。)


すごいかっこいいこと言われた。ひとまずこの言葉を信じて安心するとしよう。

それで、さっきの話の続きだが、主神に憑依された存在を魔女というらしい。なぜ魔女?と疑問に思ったが、

どうやら普通主神は女にしか憑依しないという。じゃあなんで俺は?と思ったがどうやら数ある主神の中でオリスが唯一男の主神らしい。しかもその系統能力も別格に強いとあってかなりの異端児だったのこと。

しかも封印期間も他の主神より長くて、条件も厳しいらしい。

まぁそりゃそうだよね。生死を司るとか、どこの冥界王だよ…強すぎだろ…

しかも俺はその系統能力をほぼ全て使えるという…

あれ?俺めっちゃ強くなってね?


普通に高校生→冥界王


おかしいだろ!!いきなり100lvになった感じ半端ない…

まぁどんな能力を使えるのかまだ詳しくはわかってないから調子に乗るのはやめよう。

そんなこんなで系統については大体わかった。

それでなんで今盛大にため息をついているのかというと…

先ほど俺がどんな能力使えるのかなぁって思ったらオリスが、


(主な能力は事象改変能力だな。)


というと…?


(例えばそこの花瓶に触れて、金になーれ!とかって念じてみ。)


そう言われて、俺は花瓶を手にとって頭の中で金になーれ!なーれ!とかってテキトーに念じたのだが、念じた瞬間陶器製の花瓶が紫色の(もや)(かも)しながら漆黒の花瓶に変わった。

あれ?失敗しちゃった感じ…?するとオリスが興奮したような声色で、


(お、お前すごいな…まさか冥黒石を出してくるとは…)


え、それってすごいの?


(当たり前だろ、2000年前に魔女どもに封印された禁断の石だぞ…)


ふ、ふーん…なんかまじでヤバくなってきたぞ。お、俺し〜らな〜い…


(まったく…誤魔化せるレベルじゃないぞこれ…)


ohマジですか


(まぁいっか!にしてもこれは褒めるべきなのか褒めないべきなのか分からんな。まぁ俺にとってはいいんだが…)


(とりあえずこの石はなんなんだ?)


(その石はなぁ…死の系統の神の力をパワーアップさせる石なんだよ。その石の効果の範囲内なら俺はほぼ無敵だな。大体この家が範囲内だから家の中にいれば安全だな。)


(な、なるほど。ある意味良かったんじゃないか?)


(ま、そうだな。多少お前の体が心配だが…まぁいっか)


あれ、最後めっちゃ気になるんだけど…


(おい俺の体がどうなるんd)


その時俺の右目が急に痛くなってきた。


(うっ!)


(あちゃー。やっぱりそうなるか)


どういうことだこれ。最初はめちゃくちゃ痛かったけど今は少しその痛みにも慣れたが、今は説明が欲しい。


(前に言っただろ?能力を使うと右目が紫色になるーって。あれ簡単にいうと能力を効率よく使うために体の出力を上げてるんだけど、この冥黒石のおかげでお前がパワーアップしたから自然と体の出力が上がって右目が冥眼になってるんだよ。)


なるほど。要するにこいつ(冥黒石)のせいだな。

ということは俺はこの家にいる間ずっと右目が紫色なのか?


(まぁそうだな。単純に色の変化だけではないんだけど。まぁ意識しなければ大丈夫だ)


なるほど、気にしなければいいのか。冥眼とかって言ってたっけ?なんか名前的にもやばそうだから意識しないように心掛けよう。

そうだ。その冥眼とやらが今顕現しているからせっかくだし鏡で見てみよう。

俺はクローゼットの横の縦長の鏡の前に立つと自分の顔をまじまじと見た。

おぉ〜なんかすごいかっこいいことになってるけど、一般人から見たらただの君が悪い人間だな…

コスプレイヤーとかにも間違われそう…

肝心の冥眼なのだがよく見ると白目の部分が黒色になってて黒目の部分が紫色になってる。しかも単純な紫色ではなくてアメシストみたいな神秘的な感じになっている。

そんなこんなで自分の右目を見ていたら突然文様が浮かび始めて、


(あ、やっぱりそうなっちゃうかぁ)


鏡が音を立てて割れた。

何が起きたのか分からない。マジでどういうことですかこれ。

説明を求む!


(あ〜、さっき意識すんなって言っただろ…お前はまだ使いこなせてないんだから…

冥眼は見たものに『死』を付与させる効果があるんだよ。お前の場合まだ使いこなせてないから意識するだけで勝手に付与されちまう。)


な、なんですとー?!『死』を付与するってどういうことだよ!

ということは、さっき鏡が『死』を付与されたせいで割れたと?


(簡単に言えばそうだな。他にも要素はあるんだが今は気にしなくていい。それよりもこんなことを2度と起こしたくなかったら意識しないように心がけるか、使いこなせるようにしないとな。)


そっか〜いくら強い能力を使えても使いこなせなければこんなことになってしまうのか…

ましてや『死の系統』の能力だからこれは本当に使いこなせるようにしなければとても危険なことも起こってしまうのか。

俺はこれを機に、能力を使いこなすことを目標として定めたのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなことがあったので俺は今盛大に溜息をついているのである。まじで疲れた…

ただでさえ精神的に疲れてるのにダブルパンチを喰らった気分だ。


(そうだ、お前明日はどうするんだ?)


あ、そういえば俺は高校生だ。そんな当たり前のことも忘れていた。今日は日曜日だったから良かったが明日は月曜日だ。ということは明日学校に行かなければならないのか。

大丈夫なのだろうか?まぁ俺のことを知ってるようなやつがいない高校を選んだから大丈夫だろうと思うけど、この外見な…

どっからどう見ても変人だ。どうしよう…

この外見じゃいくら人が寄り付かなくなる体質が無くなっても親友はおろか友達もできないだろう。

くそうどうしよう。

まぁいいや今日は疲れたし悩んでも仕方がないから寝るとするか。


(そういえばお前も寝るのか?)


(そんな寝る必要はないが、まぁ大体1時間で足りるな。)


(短いなおい!ってかお前も普通に寝るのか…)


(言っただろ神は神でもお前らがいう神ではないんだよ)


(まぁ確かに俺のいう神はそんな口調で人間に頭の中に話しかけてたりしないからな)


(まぁお前が寝てる間は俺も何もできないから安心しろ)


(そうだな。じゃあ暇つぶし程度にこの世界について勉強しとけ。そんぐらい神だからできるだろ。)


(そうだなぁ。はぁ〜かったりぃ。んじゃおやすみ〜)


(おう、おやすみ)


こうして俺は人生で初めて神と一緒に寝た…………

前よりだいぶ長めに書きました。その分投稿時間が前回よりも大幅に遅れてすいませんm(__)m次回も頑張ります。

3/30訂正 死眼ってどうやらワンピースにもあるらしいので死眼→冥眼にしました

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