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第零話『始まりの始まり』
朝起きると異世界に召喚されていたり、性別が変わっていたり、誰かと入れ替わっていたり…
そんなことはアニメや漫画の世界でしか起きないイベントだと思っていた。現実に起こったとして最早自分がそうなるとは思いもしなかった。
いつものように眩しい朝の光で意識が覚醒する。そのまま体を起こして窓のカーテンを開け全身に日光を浴びる。その時体に妙な違和感を覚えた。
起きた時の見たことない天井、カーテン、外の景色。
よくある展開ではここで胸を触るのがベストであろうと手を自分の胸に当てる。するとそこには申し訳なさ程度に膨らんだ胸があった。
もしやと思い、股をまさぐるとあるはずのものはなかった。
鏡の前に行くとそこには見たことのない人物が立っている。自分ではあるが自分でない感覚。
「そうか、異世界転性したのか」
驚きもせず納得した。