八話 今日は訓練を行うそうです
「忘れてた…」
俺は目の前の美少女 ルミリアに言う
「もぉ〜今日はくんれんするんでしょ?約束したじゃん!」
ルミリアは腰に手を当て頬を膨らませている。
「ごめんなさい」
正直に謝る、もちろん俺が悪いからだ。
「いいよ!でも今度から忘れちゃダメだからね!」
下を向いた俺に優しく声をかけてくれる。
「ありがと…もう忘れないよ」
するとよしよしといった感じで俺を慰めてくれる。
ルミリアはとても優しい子だ、
何かあったら絶対に守らなくちゃな……。
「じゃあいこっ!」
ルミリアに促されて俺は歩き出した。
ついた場所は村から少し出たところにある少し小さめのテニスコートのようなところだ。
最近はそこでルミリアと格闘戦という名の訓練を行っている。
ちなみに今までは俺がほぼ勝っている、ルミリアを守れるくらい強くならなければいけないからな、ルミリアに負けたら意味ないし。
「おっ!来たか」
そこにはスパルタ親…父さんの姿があった。
「よしっ!早速始めるか もちろん魔法は禁止だぞセラフィム」
「わかってるよ」
俺とルミリアは中心から離れた所で向かい合う。
すると俺とルミリアの皮膚に竜の鱗が出現する。
怪我をしては元も子もないため一週間かけて習得した技だ。
ちなみに地球と同じで一週間は7日だが
月は30日と決まっており一年は360日と決まっている。
「初めっ!」
父さんの合図でどちらも走り出す、ルミリアは右足で俺の顔めがけて蹴りを繰り出す、だが目線でみえみえだ。
まるで分かっていたようにかわす、すかさずルミリアは右の拳を腹めがけて突き出してくる。
あぶねぇ……今かすったぞ……ルミリアは一撃の威力よりも手数で押すタイプなのでスピードが速い。
いくらわかっていても反応がギリギリなのだでも反応できないわけではないため俺はその隙を窺っている。
それからもルミリアは蹴りと拳を交互に織り交ぜ多彩な攻撃を仕掛けてくる。
そろそろいいだろう、俺はわざと体勢を崩した様に見せるもちろんルミリアはその隙を逃さない右の拳を顔めがけて突き出してくる。
「かかった!」
俺はルミリアの拳を最小限の動きで横によけ伸びきった隙だらけなルミリアの腕を両手で掴み勢いを殺さずにルミリアを地面に叩きつけた。
いわゆる一本背負いだ。
ルミリアは背中から思いっきりぶつかったため「ブハッ!」と息を吐く。
「そこまでっ!」
父さんが試合終了を告げる。
「また負けちゃったよ〜セラフィは強いね」
ルミリアは地面に寝そべりながらいう。
「まぁルミリアを守りたいのにルミリアに負けちゃったら意味ないもん」
「えっ⁉︎」
そういうとルミリアは徐々に顔を赤くした。
「どうしたの?」
「いやっなんでもなっ」
照れているルミリアはかわいいな〜
そんなことを思っていると、父さんがからかってきた。
「おうおう青春だねぇ〜」
「違います!」
「違うよ!」
俺とルミリアは同時に似た言葉を発する。
「息ぴったりじゃないか(笑)」
その後もこうやって笑いながら訓練を続けた。
帰り道俺はボソッとつぶやく。
「俺は強くなれてるかな?」
「あぁ5歳にしちゃ強すぎるくらいだもっと自分に自信を持て!だがなんでも一人でやろうとするなよ?お前は一人じゃないんだから」
「うんっ!」
俺は心底嬉しかった
そうして俺は家に帰り泥の様に眠った。