三十七話 ルミリアたちの試合を見に行くようです
「えっ…そうなの?」
俺は相棒に聞き返す
「あぁもちろんだ」
相棒の話によると…
さっき戦った相手が使っていた魔法は
自分の中にある魔力を体外に放出出来なく
する魔法だったらしい
「でもどうやってその魔法を消したんだ?」
俺が尋ねると
「俺の右手が光ってただろ?」
「確かそうだったな」
確かに右手が光っていた
「俺が使った魔法は空間支配魔法なんだよ、
それで右手に集中させて直接触れたことで
あいつの魔力を支配したんだよ」
「なるほど…」
体外に放出は無理でも体内から体内は
大丈夫ってことか…
「にしてもさすがだな相棒」
「まぁな」
すげぇな…そんなこと思いつくって…
そういえばルミリアたちどーなったんだろ?
俺は観客席のみんなの所へと移動した
「なぁ…ルミリアたちって…」
するとルシウスが答える
「確か、もうすぐ準決勝っすよ?」
「じゃ、時間があるしちょっくら行ってくる」
「はやく戻ってくるっすよ?」
俺はルシウスに軽く頷きルミリアたちの
試合会場へと向かった
「え?確かあいつ…」
俺が着いた時、ちょうど始まる頃だった
相手チームを見ていたらそこには
さっき試合を終えた個人トーナメントの
前大会優勝者がいた
「えっ?確か個人の方もでて…」
俺がそうつぶやくと隣にいたお姉さんが
「個人とチームの両方出ることができるのよ?」
「そうなんですか」
まじか俺もチームの方に出たかったな…
試合が始まり両チームとも動き出す
ルミリアたちのチームは前と同じく
ルドルフ先輩とレルヒ先輩が前衛、
ルミリアと会長が後衛のバランスのとれた
フォーメーションだ
最初にルドルフ先輩とレルヒ先輩が
相手に向け走っていく
すると、個人にも出ている相手が魔法を唱える
「シャイニング リストラクション」
突然、ルミリアたちの体が光の縄のような物で
拘束される、もちろん全員だ
俺はすかさず鑑定する
名前・シャイニング リストラクション
説明・光とユニーク魔法の混合魔法で
階級は絶魔法
指定した相手を光の縄で拘束する
この縄の破壊は絶魔法以上の攻撃を
加えるか、術者が解除するまで消えない
おい…絶魔法て…誰も抜けられないじゃん
負けちゃったな…
ルミリアたちは必死に脱出しようとするが
抜けられるはずもなかった
すると、相手がルドルフ先輩、レルヒ先輩と
魔法をぶつけ気絶させられる
会長も魔法を受け気絶する
それだけなら良かった気絶だけだったら…
ルミリアを気絶させるためにだろう
個人にも出ている相手がルミリアの目の前に立つ
するとなにやら口が動いている
俺はすかさず風魔法を使い聞こえるようにする
「お前のせいで私の名前に傷がついた!」
そう相手が言うと魔法を唱えずに
ルミリアの腹を思いっきり蹴る
「うっ!」
ルミリアは苦しそうだ
「もう一発!」
相手はもう一度蹴りを入れる
「うぁっ!」
苦しそうなルミリアを見て相手は
ルミリアの胸ぐらを掴み手から小型のナイフを
取り出しそのナイフでルミリアの頬に傷をつける
ルミリアは頬から血を流す
ルミリアは必死に抵抗するが
抜け出すことができない
「ギィィィィ」
歯をくいしばりすぎて音がなる
やばい…ガチでキレそうなんだが…
うっかり神絶魔法をうってしまいそうだ
俺は拳を強く握りしめる
すると相手はルミリアの首元にナイフを
突きつけ思いっきり振り下ろし
ルミリアの制服がビリビリと音を立てて
制服の真ん中だけが一直線に破れる
お腹や胸の谷間だけが見えている状況だ
「はっはっはっ!無様な姿だ!」
ルミリアは顔を伏せ目から涙をこぼす
ついに抑えきれず八つ裂きにしてやろうと
一歩踏み出した瞬間アナウンスが流れる
「一方のチームが全員戦闘不能のため
試合を終了する!」
アナウンスが流れるとルミリアから手を離し
「ちっ!」
と舌打ちをして離れていく
「医療班を!」
そう言われ駆けつけた医療班の人たちに
運ばれていくルミリアを追う
「関係者以外は入らないでください!」
俺は医療室の前で女の人に止められる
「俺なら一瞬で治せます」
「無茶よ!子供なのに回復魔法が
使えるわけないじゃない!」
「それにルミリアは俺の幼馴染ですし」
その後少しあったがなんとか入れてもらった
「完全治癒」
俺が唱えるとルミリアの傷が塞がり、目を覚ます
もちろん医療室の人たちは唖然としている
「あれっ…セラフィ?」
目を覚ましたルミリアは目を擦りながら言う
「負けちゃったんだね…」
ルミリアは落ち込んだ様子で顔を下に向ける
すると自分の際どい格好を見て顔を赤くして
側にあったシーツを急いで羽織る
「じゃあ、そろそろいかなきゃ」
俺はそう言って医療室を後にする
俺が控え室に戻る途中、相棒が
「珍しく怒ってるな」
「当たり前だルミリアがあんな事されたんだ
100回殺してもお釣りがくるね」
「だが殺したらいけないんだろ?」
「死ぬよりつらい事をするまでさ」
そう言うと相棒は
「俺はお前さんがどんなやつか時々
わからなくなるよ」
そう言い残して会話をやめた
「久しぶりに封印とくか…」
そうつぶやいて少し早足になった




