三十六話 セラフィムはピンチのようです
「へっ?」
嘘だろ…?魔法が使えない?
念のためにもう一度魔法を放とうとする
「風炎テンペストフレイム!」
「……」
まてよ?…もしかしてあいつが使ったのって
俺は周りを鑑定する。
すると無機質なあいつの声が鳴り響く
【魔法を無効化する魔法が存在します】
おいおい…反則だろそれ…ひどくない?
それ、なんてチート?俺も欲しいよ…
そんな呑気なことを考えていると
「タタッ!」
と言う音のあとに目の前に現れ拳を握っている
あぁ痛いだろうなぁ…1秒後の俺、よろしく
俺はパンチを腹にくらい吹っ飛び
壁に叩きつけられる
「…ってぇ」
おそらく骨何本かやられたな…
鱗展開させてこのダメージ…鱗を展開させて
いなければモザイクかけないといけなくなるほど
グッチャグチャになるに間違いない…
俺は重い体を引きずりゆっくりと立ち上がる
「どうしよう…」
魔法は使えないし、接近戦も勝てないし
ましてや、ろくに動けない特典付きである
負けたかなぁ…
「変わってくれよ」
突然、相棒が話しかけてきた
「相棒?変わるったってこの体だぞ?
魔法も使えないし」
「以外とどうにかなるかもだぞ?」
「まじかよ…」
「マジだよ」
俺では勝てる要素が1つもないので相棒に
託すことにした
「じゃ…頼むわ」
「はいよ、任された」
俺は光に包まれ髪と目の色が赤く染まる
「…⁉︎」
相手は少し驚いた表情でこちらを見ている
「まだ動けるのか…」
いやそこ⁉︎髪とか変わったじゃん!
立ち上がることの方が大事⁉︎
「ふぁ〜あぁ」
相棒は試合中にもかかわらず欠伸をする
「ラオム ヘルシャフト」
そう相棒がつぶやくと右手がほんのりと光る
「やっぱりな…」
そうつぶやくと
相棒は相手の前に一瞬で移動し拳を突き出す
「…!」
相手はギリギリで反応し避け後退する
だが相棒はさらに攻撃を仕掛ける
「グッ!」
相棒の右拳を両手でガードする
「よーし!」
相棒はそう言って後ろに下がる
よく見ると右手のひかりが消えていた
「お前さーん、変わるぞ?」
「いや、ちょっとま」
俺が言いかけた所で光が包み込み
俺と相棒が入れ替わる
「あっ、魔法使えるから」
「はっ?それってどういう…」
「俺は寝る、あとは頑張れ」
おいおい冗談はやめてくれよ…無理だって!
でも魔法使えるとか言ってたよな…
とりあえず俺は魔法を使ってみることにする
「風炎テンペストフレイム!」
すると炎のトルネードが勢いよく発射される
だが距離が離れていたためかわされてしまう
「えっ…」
俺は唖然とする
「なぜだ…」
相手も驚いているようだ
なんか知らんが相棒がやってくれたようだ!
「ニヒッ」
思わず気持ち悪い笑いが出てしまう
さっきは痛めつけてくれたからお返しをね?
俺は持っていた両手銃を装備する
「滅びのバーストス○リーム‼︎」
という雄叫びのあとに魔法銃を放つ
さすがに当たるはずもなく軽々と避けられる
「ふん…」
雑魚め!とでも言わんばかりの顔だ
だが一瞬遅れて爆発音がする
「ドゴォォォォォォン‼︎‼︎」
相手は後ろを振り向く、するとそこには
今まであったはずの壁と地面が消えている
「…!」
相手が後ろを向いて固まっている
おれは銃をしまい魔法を放つ
「ライトニング」
すると上方から物凄いスピードで雷魔法が
発射され相手に命中
相手はその場に倒れ髪の毛が爆発している
あぁアイリスに髪やられたときも
こんな感じだったな…
「勝者!ハルバート セラフィム!」
アナウンスが流れる
そういえばなんで魔法使えたんだろ…
あとで相棒に聞いてみよ
そんなことを考えながら俺は試合会場をあとにした




