三十四話 決勝だそうです
「勝者!ハルバート セラフィム!」
「ふぅ〜何とか勝てたか」
俺は勝利を告げるアナウンスを
聞きながらつぶやく
「もどるか…」
俺は試合会場をあとにした
「お!おめでとっす!」
控え室で試合を見ていたルシウスが
俺に向かって言う
「あぁ…ありがとう」
俺は椅子に座り次の試合時間を確認する
「うわっ!10分しかないじゃん!」
俺はさっき準決勝を戦い駒を進めて
次でブロックの優勝者を決めるのだ
そんなことを考えていると
アンネロッタが俺の方へ歩いてきた
「次は確か…2年のランキング2位の方ですわね」
「まじかよ…」
なんか俺だけ強い人とあたってないかな?
気のせいだといいんだが…
「まぁハルバートなら瞬殺っすよ!」
ルシウスは笑顔でそう言う
「セラフィム様なら問題ないかと…」
アンネロッタも続く
何でかな…以上に期待が高い気がする…
するとさっきまで静かにしていた
アイリスが話しかけてくる
「セラフィムは出来る男」
「えぇっと…」
「ルミリアにいいとこ見せる」
「おっし!誰が相手でもかかってこいや!」
俺が声をあげると3人一緒に
「単純…」
あれ?なんか心がいたむぞ?なんでかな?
そんなことをしているとアナウンスが流れる
「各ブロックの決勝進出選手は試合会場に」
「じゃ、行ってくるわ」
そう言って俺は3人に手を振りながら控え室を出た
試合会場に着くと数分後アナウンスが流れる
「いよいよ個人トーナメントも大詰め!
この中で誰が優勝するか気になりますね
ルンナちゃん!」
と元気の良い声が聞こえてくる
「前回の優勝者やベスト4が2人いますが
1年の彼も今まで無傷で試合を勝利してますし
ひょっとしたらひょっとするかもですね」
「なるほど〜!ではでは各ブロックの
決勝戦の準備も終わったようですので!」
試合会場を見ると4つに分けられていた
会場が2つになっていた
「では!Aブロックの決勝進出選手と
Bブロックの決勝進出選手は準備してください!」
俺はAブロックなので少し移動し
所定の位置に立つ
「では!準備が完了したようなのでよろしくです!
ルンナちゃん!」
「では…Aブロック、Bブロックの決勝を始めます…試合開始!」
俺は試合開始の合図と共に相手に向け走り出す
「ファイヤードーム!」
すると相手を中心に炎が包み込む
だが甘い!俺はすかさず魔法を打ち込む
「ウォーターバースト!」
俺の詠唱の後、炎に覆いかぶさるように
大量の水が包み込む
相手を包んでいた炎は蒸気を出し消える
「やべっ!見えねぇ」
俺は目の前が真っ白になったため相手を
見失ってしまった
「ウィンドカッター!」
「グフッ!」
俺は飛んできた魔法をかわすことができず
思わず声をあげる
やばい!俺は慌てて鱗を展開させる
「ウィンドカッター!」
あまりダメージはないものの俺は
動くことができない
「せめて視界さえ晴れれば…」
俺はハッとひらめき魔法を唱える
「ストームサイクロン!」
すると今まで視界を塞いでいた
霧のようなモヤが晴れる
「ちっ!」
相手は舌打ちをする
「そこか!アースクエイク!」
俺が魔法を使うと相手の立っている地面が崩れる
「くそっ!」
相手は壁を蹴りながら安全な地面に移動する
よし…
「シャドウムーブメント!」
俺は闇魔法を使い一瞬で背後に回る
「プロミネンスフレア!」
俺は炎属性の上級魔法を放つ
「後ろか!ウィンドカッ…グハッ!」
相手は慌てて振り向き魔法を放つが遅い
「勝者!ハルバートセラフィム!」
アナウンスが流れ拍手が巻き起こる
はぁ…なんとかって感じか…
さすがに決勝となるとキツイな…
「封印解かないとやばいかな…」
俺は最悪封印を解くことにした




