三十話 大会では嫌な予感がするようです
「なるほどぉ?」
俺は少々怒りを露わにする
「ほへん(ごめん)」
アイリスは顔面ボコボコの状態で
うつむいて答える
さっきボコボコにされた恨みを返すため
ルミリアにジュースと言って
酒豪でも酔い潰れる程の酒を渡したらしい
ちなみにルミリアが正気に戻った後
さらにボッコボッコにされたらしい
「まぁ…許してあげないこともないけど…」
とりあえずこのままでは可哀想なので
回復魔法をかけてあげる
「どうしたら許してくれるの?」
「もう2度とこんな事をしないと誓うならね」
「…わかった」
アイリスは本当に反省しているようだ
「それでいいよな?ルミリア」
「あっ…えっとその!」
ルミリアは顔を真っ赤にする
「えっと…ルミリア?」
俺がルミリアを見つめると
「いやっえっと…その…ごめんなさーい!」
そう言ってルミリアは走っていった
なんだったんだ?
「そろそろご飯の時間だろ?アイリス」
「うん」
そう言ってアイリスはとぼとぼと
歩いていった
「じゃ俺らも行くか?」
そう言って隣に座っていたルシウスに
声をかける
「そうっすね!お腹ペコペコっすよ」
俺とルシウスは食堂に向けて歩き出した
それから数日が経ち
〜魔法大会前日〜
「いよいよ明日から始まるんだけど…
何か質問はある?」
生徒会長は俺に聞いてくる
ここは生徒会室でシュバルツに向けての
最終確認をしているところだ
「特にありません」
すると生徒会長の隣に立っていた
副会長の女が声をあげる
「何度も言いましたが1年をシュバルツに
出場させるなんて!私は認めませんよ!」
「でも彼の強さは折り紙付きよ?」
「でもそれは1年の中で2位というだけで
他の選手は3年や2年がほとんどなんですよ⁉︎」
すると生徒会長は何かに気づいたのか
ハッといった顔をして答える
「そういえば書記のルドルフ君が
この前負けたわよ?」
「それ本当ですか⁉︎」
俺に向けて副会長は目を向ける
「一応…」
「だとしたら会長が認めるのも納得というもの」
「ね?大丈夫でしょ?」
会長が笑顔で答えると
「まぁ私が反対したところで会長は
止まるなんて思ってませんけど…」
「じゃあそういうことでよろしくね
ハルバート君」
「じゃあ俺はこれで」
そう言って俺は生徒会室を出る
「お疲れっす!」
聞こえてきたのはルシウスの声だった
「おっ!ルシウスか」
「シュバルツに出るそうっすね」
「なんだ…知ってたのか」
俺とルシウスは話しながら歩いていく
「でもハルバートなら優勝間違えないっすね」
「いや…そんな簡単にいかない気がするんだ」
「そうっすかね?」
「気のせいだといいんだがな…」
部屋に入るとルミリアが俺に近づいて来た
「シュバルツっていう大会にでるんだってね
セラフィ」
「なんだルミリアも知ってたのか」
「あのね…セラフィ」
ルミリアは手をもじもじしている
「ん?」
「け…怪我だけはしないでね!」
あぁやっぱりルミリアは優しいな
「もちろん」
そういうとルミリアは俺に近づいて
「あの時はその…ごめんね」
多分ルミリアが酔っていた時のことだろう
「気にすることはないよ」
「その…き…キス嫌じゃなかった?」
ルミリアは少し頬を赤くして聞いてくる
「まぁ…ああやって勢いでやっちゃうのは
あまり好きじゃないかな?
でもルミリアとキスすること自体は嬉しいよ」
「じ、じゃあ無事に大会が終わったら
ご褒美あげるね!」
「いいのか?」
「うん!」
この時のルミリアは物凄く可愛かった
俺はこの笑顔を守るために
無事に大会を終えようと誓った
「明日か…」
ベッドに入った俺はつぶやく
何事もなければいいが…
そんなことを考えながらその日は眠りについた




