三話 異世界で新しく生まれ変わったそうです
目を開くとそこには仲の良さそうな男女が笑顔で
覗き込んでいた。
「…」
笑顔の男は口をパクパクさせている。
「……」
頬が緩みっぱなしの女は嬉しそうに何かを話しているようだ。
「あうあうあー」
やべっ喋れないじゃん。
まぁそれもそうか赤ちゃんだもんな。
てか全くなにもわかんない…なにをいってるんだ?
すると頭の中で無機質な声が聞こえた。
【異世界言語完全習得を獲得しました。】
はぁ?
なんだいまの?頭の中で直接聞こえたような。
「わぁ!喋ったわ!かわいい〜」
おぉ聞こえた!なるほど確かに聞こえたぞこれでこの人?たちが何者なのかがわかる。
女性の方はとても嬉しそうだ。
男の方もそれを見てまた笑顔になる。
すると女性は嬉しそうにこう言った。
「私があなたのママでちゅよ〜」
なるほどこの世界での俺の母親ってことか、ってことは隣の方は父親になるんだよな?
「俺が…父親になるんだよな」
今にもなきだしそうな顔で母親を見ている。
「なにいってるのよ、当たり前じゃない!」
そう口にした後和かな笑みを浮かべた女性がこう言った。
「あなたの名前は ハルバート セラフィム」
なるほどこの世界での俺の名前はセラフィムか…
なんかちょっとその厨二っぽくて恥ずかしいな
セラフィムって…
あっ…そういえばメアからいろいろもらった中に
鑑定とかあったよな?
あれどーやってつかうんだ?
〜10分後〜
わかんねぇよ!
俺は心の中で叫んだ。
なんか心の中で[鑑定‼︎]とかさけんでみたりしたがダメでした。
まぁそのうちつかえるようになるだろ。
ちゃんと説明聞いてればよかったな……
まぁその後いろいろあっていろんなことがわかった。
まずここは竜人族の村で名前は[ティピィート]
そして母親の名前は[ハルバート シェイリル]
次に父親の名前は[ハルバート ロウエル]
母親は村で唯一魔法の使える竜人族であり結構強いとか…
父親は村一番の戦士らしいこちらも同じく
強いらしい……。
で、この村では基本父親が外で食べ物を狩ってきたり
するらしい。
いわゆる狩猟民族みたいなもんか……いやよく知らないけど…
まぁここまでしかわからなかったが0歳でここまで知れたんだ頑張った方だろ。
それよりも頑張ったのはあれだよ母親の胸を吸うやつ
そうそれそれ。
母親と言っても俺には自我があるし年頃だし?
母親もとてつもないくらい美人だし?
本当に顔から火が出そうだったあれはダメだ。
まぁそれをしないと死んじゃうんだけど。
そして小便など垂れ流し。
仕方ないのはわかってる…分かってるだが!
想像以上に堪えた、出来ればおもらしはしたくないものだ。
そんなこんなで恥ずかしい思いをしつつも気づけば1歳半くらい。
これくらいになると竜人族は普通にハイハイとかできるらしい。
俺はハイハイを覚えてから家の中に書斎の様な部屋を
見つけてから毎日本を漁っている。
最近特に気になったものは、[魔法の基礎と応用]とかいう専門誌的な本だ。
まぁ魔法は使ってみたいしな、楽しそうだし。
そして今日も書斎に入っては本を漁っている。