二十八話 魔法大会への参加が決まったようです
「ねぇ私が勝ったら今度付き合ってよ」
アイリスは頬を赤く染めながら言う
「つ、つ、付き合うって!」
俺は動揺を隠せなかった
「なんで驚いてるの?」
「いやだって…アイリスがそんな風に思ってくれてるなんて知らなかったし…
いきなり付き合うと言われても…」
「だから何をいっ」
アイリスはハッとなったあと
頬の色が真っ赤に染まる
「違う!」
「え?」
俺は口をポカンと開けたまま固まる
「なんで私があんたと付き合うのよ!」
するとさっきまで大人しくしていた
2人が会話に加わる
「セラフィムは渡さない!」
「セラフィム様モテモテでございますね」
助けてよ…
俺はこの会話をいち早く終わらせるべく
話題を変える
「と、とりあえずアイリス戦うんだろ?」
俺は動揺を悟られないように声を出す
「一度ならず二度までも私に恥をかかせるなんて…」
アイリスはボソッとつぶやく
するとルミリアに聞こえたらしい
「一度目は何をしたの?セラフィムくん?」
あぁ怖い今すぐ逃げ出したい
だが逃げ出せば状況はますます悪くなる
「えっとその…」
俺がもじもじしていると
「私の裸を見たのよ!しかも胸まで揉んだのよ?」
あっだめだ今日俺の命日だわ
さよなら異世界短い間だけだったけど
楽しかったよ(泣)
「セラフィムくん?その話よく聞かせて
いただけますよね?(怒)」
ルミリアはにやけながら聞いてくる
ここでミスをしなければ許して
くれるかもしれない!
「えっと…暗闇で見えなくて押し倒して
しまっただけで…不可抗力なんだ」
俺が曖昧な答えをいうと
アイリスが火に油を注いだ
しかもたっぷりと
「不可抗力ね…あぁ良い匂いーとか手のひらに
何やら柔らかいものがーモミモミとか
言ってたでしょ」
「いや!そんなこと思ってグボァ!」
ルミリアの拳が俺の腹に命中する
「まって…そんなグベェ!」
またまた腹に命中する
そのあとルミリアからボッコボッコに
されたのは言うまでもない
「それならそうと言ってくれればいいのに」
ルミリアは落ち着いた様子で話す
「らっれはなひへもひひへふへなはっはほん
(だって話を聞こうとしてくれなかったもん)」
顔面もボッコボッコにされたので
頬が腫れてうまくしゃべれない
「なに?セラフィ?」
ルミリアは何かされたの?みたいな表情で
顔を覗き込む
プツンッと何かが切れる音がした
その音のあとに俺は目から大量の涙をこぼし
その場から走り去る
ちなみにこの時の速さ秒速900メートル…
むっちゃ速い
夢中で高速移動をしていると誰かにぶつかる
「ふいまへん」
しゃべれない…
「あいてて…大丈夫です」
そこには白髪でロングの美少女が尻もちを
ついていた
「まぁ顔が腫れてますよ?」
そう言って彼女は俺に回復魔法をかける
みるみるうちに腹や顔の腫れが引いていく
「あの…ありがとうございます」
拾われた時の犬とかってこんな気持ちだろうな…
そんなことを考えていると
「そんなに怪我をしてどうしたんですか?」
「いやパーティの女の子に殴られて…」
俺はありのままを伝える
「じゃ私の部屋にでも来ます?」
「いいんですか?」
「えぇもちろん」
そう言って俺は彼女に案内されて
部屋に入った
「大変だったね」
彼女は優しく声をかけてくれる
「助けてくれてありがとうございます」
「いいのいいの親切でやってるんだから」
あぁ…天使とかってこういう人の事を
いうんだろうな
「ねぇ気づかないの?」
彼女は不思議そうな顔をして質問する
「気づくってなにをですか?」
俺が言うと彼女の周りを光が包む
「せ…生徒会長!」
目の前には黒髪ロングの美少女会長が立っていた
「ハルバート君なら気づくと思ったけど
以外と気付かないものね」
「いや…どうしてどうやって…」
俺が疑問をつぶやくと
「これはユニーク魔法の一種なんだけど
変身魔法って言って自分の姿を自在に変えれるの」
「でもどうして?」
「変身しないとゆっくり本を読む事をすら
困難だからよ」
「やっぱり生徒会長ってモテるんですか?」
「まぁそれなりに…ね?」
「でも助けていただいたのは事実です
ありがとうございました!」
「ハルバート君には恩を売っておいて
損はなさそうだしね」
生徒会長は不敵な笑みを浮かべる
「俺にできる範囲内なら…」
俺がそう言うと
「じゃあ早速お願いしていい?」
「内容によりますが…」
「来週開催される魔法大会[シュバルツ]に
生徒会として戦って欲しいのよ」
「それくらいなら…」
「ハルバート君には勝ってもらうよ?」
「その魔法大会ってどんな感じなんです?」
「魔法大会[シュバルツ」は
個人で戦う トーナメントと
チームで戦うトーナメントがあるんだけどね?
基本的にルールは無しで
魔法を使ってよければ武器もあり
まぁ気絶させるかギブアップさせるかで
勝敗を決める簡単な試合よ」
「そこで優勝しろと?」
「まぁそうなるね…無理なようなら他に頼むけど」
「大丈夫です…蹴散らせばいいんでしょう?」
「じゃあ魔法大会の詳しい話は後日することに
してっと…よろしくねハルバート君!」
魔法大会か…
久しぶりに暴れるか!
こうして俺の魔法大会参加が決まった




