十三話 最近はこんな感じだそうです
「危なっ!」
俺は向かってきた魔法を避ける。
「えへへごめんセラフィ」
ルミリアは頭をかきかながら謝った。
「いや大丈夫だよ」
今俺とルミリアは魔法の稽古の真っ最中だ、そもそも
一緒に魔法の稽古を始めたのは俺が1人で魔法の練習をしていたときにルミリアに見つかり
「私にも教えて!」と笑顔で聞いてきたので「わかったよ」と断れるわけもなく今に至るのだ。
「でもまさか使えるようになるなんて…」俺はボソッとつぶやくなぜならルミリアは簡単な魔法は全て1日目でマスターしたからである。
ここでこの世界の魔法の基準をざっと説明しておこう。
まず
[生活魔法]
生活魔法は主に魔力を使い水を出したり料理に使う火を出したりと魔力があれば誰でも使える簡単な魔法。
次に
[初級魔法]
初級魔法は属性別に分けられた主にモンスターにダメージを与える事を目的とした比較的簡単な魔法。
ちなみに魔法の属性は
《火》 《水》 《土》 《雷》 《風》
この5属性に分けられだいたい1人につき2属性で3属性使えたらすごいらしい。
それぞれの属性には上級版があり
火は 《炎》
水は 《氷》
土は 《沼》
雷は 《稲妻》
風は 《嵐》
となり《光》と 《闇》が追加される。
続いて
[中級魔法]
中級魔法はある程度の魔法訓練を積んだ者が手に入れる初級魔法の次のステージの魔法Cランク程度のモンスターなら一発で倒せる程の威力を持つ。
それから
[上級魔法]
上級魔法は魔法適正値の高い者が5年ぐらいの年月をかけて使えるようになる魔法でBランクモンスターを一発で倒しAランクのモンスターに重症を負わす事の
出来る高火力な魔法。
続いて
[絶魔法]
絶魔法は人族以外の種族の戦士長や
魔法にたけた者のみ持つ事が許される魔法その破壊力はもちろんAランクどころかSランクのモンスターを
一発で葬る事が出来る極めて殲滅力の高い魔法。
そして
[超絶魔法]
超絶魔法はこの世界に5人しか居ない大賢者たちにのみ使う事の出来る魔法でこれを使えば一発で一国を滅ぼすほどの破壊力を持つとても危険な魔法。
最後に
[神絶魔法]
神絶魔法は範囲を指定できる魔法で
指定した範囲内の生物はもちろん植物や地面もろとも空間ごと無くなる超危険な魔法この世界に1人だけ使えるやつがいるらしい。
まぁ俺なんだけどね。
ちなみに他にもユニーク魔法というものも
あるがまた別の機会にしよう。
とまぁ魔法はこんな感じである
ちなみにルミリアはすでに中級魔法を習得し、
ただいま上級魔法を練習中だ。はっきり言って化け物じみた成長っぷりである。
もちろん最初に飛んできた魔法はほとんど上級魔法の威力をもつ魔法だ我ながらよく避けたと思うよ本当。
まぁ俺はチートをもらっており全属性全魔法を使えるため練習なんてしなくていいんだが…
使ってみたいよね?魔法って響きだけで感動するし。
そんなこんなで今日も練習は終わりまた魔法の練習をすると約束してルミリアは家に帰って行った。
「そろそろ俺も帰るかな」
するともう1人の俺が喋りかけてきた。
「ちょっとでいいから体貸してくれよ」
もう1人の俺が頼んでくる。
「あぁ別にいいぞ」
すると俺の体は光に包まれ白かった髪は赤く染まり目も赤くなる。
「はぁ〜久しぶりの空気はうめぇなー」
もう1人の俺は両手を上にあげ背中をのけぞりながら嬉しそうに言う。
ちなみに体を動かす事が出来ないだけで
自分が中にいるときももう1人が俺の体を使っている間もう1人の俺が見たものなど全部供給されるため
暇にはならない。
するともう1人の俺は今いた場所から5キロ程離れた
魔獣の森の最深部まで一瞬で移動した。
「相変わらずすごいな」
俺はもう1人の俺に語りかける。
「あのな…もう1人の俺っていうのやめてくんね?
別に相棒でいいだろ?」
「あぁすまん相棒だったな」
「別に忘れなければいいんだよ…ところで今日もいるかな〜遊び相手」
俺の相棒は指を鳴らしながら奥へと進む。
「おっいたいた」
相棒は嬉しそうに声を上げる。
そこにいたのはこの森を支配している。
[スターフェンリル]
ランクはAの一番上でSランクと言ってもいいぐらいの強さを持つ体長10メートルくらいの狼である。
スターフェンリルは目にもとまらぬ速さで相棒に攻撃をしかける。
だが相棒と比べると全然遅い相棒は狼のおよそ2倍ぐらいの速度を出し顔面に蹴りを見舞う。
すると
「ボンッ」
という音と共に大きな魔石となる。
「はぁ…手応えないな」
相棒は肩を落とす。
「ちゃんと魔石回収しろよ?」
「あぁわかってるよお前さん」
相棒は魔石を回収するとまたもや一瞬で村のすぐそばに移動する。
「便利だよなそれ…」
「まぁお前さんには魔法があるからいいじゃねぇか おっとそろそろ変わるぞ」
「あぁ」
すると赤く染まっていた髪は白くなり目の色も元に戻っていく。
「俺は寝る、あとはよろしくお前さん」
「あぁ」
俺は大きな魔石を持って家に入る。
最近はこんな感じで毎日をループしているちなみに今は7歳だ。
「はぁ〜学校とかいきてぇな〜」
そうつぶやいて俺は椅子に座った。