十一話 村ではパーティが開かれるようです
「あっ!起こしちゃった?」
目を開けるとそこには顔を少し赤くして笑顔で語りかけてくるルミリアの姿があった。
「おはようルミリア…怪我はない?」
「大丈夫だよ!セラフィのおかげだね!」
なんだろう?なんか違和感がある…ふと体を起こし現状を確認する。俺はルミリアに膝枕をしてもらっていたのだ、俺は瞬時に体を倒そうとする何故なら今までルミリアに膝枕をしてもらった事がないのだ
まだ味わいきっていない!
「セラフィも大丈夫そうだね!」
その言葉のあとにルミリアは立ち上がる。
体を倒した俺はルミリアの膝触れることなく地面に寝そべる形になる。
クソッもっと味わいたかった、初めての膝枕だったのに。
俺は再度体を起こしながら思う。
「セラフィの父さまと母さまが目が覚めたら
家に来るように言ってたよ」
「あぁわかった」
俺は家に向けて歩き出すすると後ろから肩を叩かれる。
「ん?まだなんかよ」
そこにはほんのりと頬を赤めた顔がすぐ近くにあり、
喋っていた口はルミリアの唇によって塞がれていた。
そうキスだ俺はわけも分からずそのまま棒立ちしていた。
5秒くらいたっただろうか?
ルミリアの柔らかい唇が俺の唇から離れる。
「私も大好きだよ!」
そう言ってルミリアは自分の家の方へと走って行った。
「えっ……?」
今のは?俺…キスされたよな…そのあと好きだって。
「はへっ?」
まぬけな声しか出てこない俺は1分くらいかけて叫びたい気持ちと高鳴る鼓動を抑えながらゆっくりと家に向けて歩き出した。
「はっきり言うが…邪竜を倒したのはセラフィムお前か?」
「えっと………うん」
なにかやばかったのか?
でもあぁしないと村のみんなが危なかった、っていうかルミリアが倒れて暴走しただけだけど。
「凄いじゃない!」
「すごいすごいとは思っていたが…ここまでとは思わなかったぞ!流石俺の自慢の息子だ!」
父さんも母さんも笑顔で褒めてくれる。
「えっ?怒られるんじゃ?」
「なんで村の危機を救ってくれたセラフィムを怒らなくちゃいけないだ?」
「そうよ!村のみんなを守ったんだから胸を張っていいのよ?」
母さんも父さんのように褒めてくる。
「いや〜自慢の息子を持ったようだな母さん!」
「そうねぇ私たちには勿体無いくらいだわ!」
そんな感じで俺は両親から褒め殺しをくらい俺の精神的な何かが減った気がした…まぁ疲れていたからすぐ寝たんだが。
次の日、目を覚ますと俺は外にいた。
「えっ?」
すると俺の周りに村のみんなが俺を囲んでいた。
「せーの!」
という村長の合図のあとに村のみんなは声を合わせて声を上げる。
「セラフィム!ありがとう‼︎」
その声のあとに盛大な拍手が俺に送られる。
「えっ…?」
「えーっと、セラフィ?まだ気づいてないの?」
「気づいてないって何を?」
「だ〜か〜ら〜!村を守ってくれたセラフィに感謝を込めてパーティを開こうってなったんだよ!」
周りを見渡すと村のみんなの座っているテーブルらしき場所にたくさんの美味しそうな料理が所狭しとならんでいた。
「ほら!セラフィこっちこっち!」
ルミリアに手を引かれちょっとした台の上に乗せられる。
「ほらっなんかいいなよ!」
「えっと、か…乾杯?」
すると村のみんなは片手に飲み物を持ち上げ。
「かんぱ〜い‼︎‼︎」
そしてセラフィム村を救ってくれてありがとう
パーティが始った。