十話 ルミリアは息を吹き返したようです
「なんだよ!あいつ!」
人族の男は走りながら悪態を吐く。
「あんなの聞いてないわ!」
もう一人の女も息を切らしながら口にする。
「「まさかあいつが殺られるなんて…」」
人族の男と女は同じ言葉を口にする。
それはほんの2、3分まえの出来事である。
相手は邪竜を倒した少年だが地面に倒れてピクリとも動いていない、3人はその少年を殺すために歩き出す。
1人が前に出るそして携えた大剣を抜こうとした瞬間
少年に変化があった……白かった髪は真っ赤に染まり
ゆっくりと立ち上がる。
よく見ると目の色も真っ赤に染まっている。
だが男は大剣を大きく振りかぶる。
「キーンッ!」
突如現れた淡い青色の鱗に当たり大剣はくだけ散る。
「くだらない」
少年は吐きすてるように喋りだすその瞬間に大剣を持っていた男の上半身と下半身は真っ二つにされていた。
「うぁぁぁぁぁ!」
もう1人の男は一目散に逃げ出し女もつられるように逃げ出した。
少年は少し体を前かがみにするそして生物とは思えないほどの速度で逃げた2人に一瞬で追いつき。
「さよなら」
2人はただの肉塊と化した。
「鑑定」
少年はつぶやく。
【邪竜と3人の関係を鑑定しますか?】
頭の中に無機質な声が鳴り響く。
「あぁ」
鑑定結果が出る
【何者かの手によって邪竜をテレポートさせ
あらかじめ村を襲うように細工、3人の人族は生き残りの竜人族の始末のためと思われます】
「やっぱりな」
少年は納得するそろそろいいだろ敵もいないし。
「おい起きろ終わったぞ」
少年はため息まじりにつぶやいた。
すると真っ赤に染まっていた髪は元の綺麗な白髪に戻っていく。
「んっ?」
セラフィムは目を覚ました。
あれっ?ここどこだ?何にも思い出せない確か邪竜を倒して。ハッと大事なことに気づき慌てて走り出す。
「ルミリア…」
俺はすぐに横たわっているルミリアを見つけた。
「ルミリアっ!」
側に駆け寄るがルミリアはぐったりしている。
なんかないのか助ける方法は!声の主助けてくれよ!
すると頭の中で無機質な声が鳴り響く。
【究極回復魔法を使用することをオススメします】
「それを頼む!」
【了承を確認 術式を実行します】
10秒くらいたっただろうか?
【術式の構築を完了 使用されますか?】
俺は迷わず。
「あぁ頼む」
するとルミリアの周りに緑の光が集まって体の中へと消えていく全てルミリアの中に入った瞬間に。
「ブハッ!」
ルミリアは大きく息を吐き出した。
よく見ると体の傷も無くなっていた。
「あれっ?セラフィ?どうして私生きてるの?」
「いいんだよそんなこと…」
俺の目から大量の涙が流れる。
「本当に良かった…」
そう言ってルミリアの胸に顔をうずくめる。
「ごめんね?心配させちゃったんだね」
俺はその言葉を聞いた瞬間考えることもせずに本心を告げた。
「おれっ…おれルミリアの事が好きだ」
するとルミリアは顔を真っ赤にして叫んだ。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」