拓途視点【その27】 拓途のダークサイド発動?
「ジャーン! 見て!」
なつが、チラシの紙を広げて俺に見せた。
裏っかわの白い紙に、えんぴつで落書きしてある。グワーッとでっかい丸描いて、その中に、うにょうにょっとした線が2本。何じゃこれ?
「はるが、拓途を描いたの。上手でしょ」
なつが、テーブルの上へおっぱい乗せて、こっちに絵を押しつけてくる。
俺らは、ハンバーガー屋のテーブル挟んで、向かいに座ってるんだ。俺たちの間には、アイスコーヒーとコーラの入った紙カップがひとつずつ。それと、はるちゃんが絵を描いたチラシの紙。
俺は、はるちゃんの絵なんかより、おっぱい見たいんだけど――
ん? ちょい待て。
これが、俺か! じゃがいもにピョロッと毛が生えたみたいな絵が、俺か?
「えっ……俺の顔って、こんな感じ?」
でも、文句言いづらい。なつが、めっちゃ嬉しそうにニコニコしてるし。なんかそーゆーとこ、『 親 』だなって思う。娘のはるちゃんが、かわいくてしょーがないんだろな。
「うふふ。やっぱり顔だと思った? 違うんだよねー」
違うのか? 顔じゃなくてどこだ?
「拓途は、こっちの線だよ」
なつが指さしたのは、でっかい丸の中にある、うにょうにょした1本の線。
線? 線ですか? 俺。
「この丸いのは、回転寿司で、お寿司が回ってるレーンを描いたんだって。こっちの線が、拓途でね。レーンの前に座ってるの」
どーでもいいわ!
「前に、3人で回転寿司に行って、拓途が、はるにカッパ巻きを『あーん』って食べさせてくれたでしょ。はるは、あれがすごく嬉しかったみたい」
嬉しかったんなら、俺をでっかく描けよ……。
「じゃ、もう1本の線は……」
もう、嫌な予感しかしない。
「この線は、カッパ巻き」
なつが、ブハッと吹いた。
「カッパ巻き?」
……カッパ巻きの方が、俺を描いたっていう線より、だいぶサイズでっかいんですが?
「あのさ。俺と話したいのって……絵のことだけ?」
なんか、ちょっと腹立ってきた。
俺が学校から帰ったあとに会おうって、なつからRINEで呼び出されたんだ。
今朝、なつの母ちゃんが電話で言ってた『いいお話』をするために、俺は呼ばれたと思ってたよ。なつを感動させるにはどうしたらいいんだ? って、悩みまくった。
結局、何も思いつかなかったけど、俺はここへ来るまでに、めっちゃ、めっちゃ、めっちゃ悩んだんだぞ。
なのに、なつは、このヘンな絵を見せるために、俺を呼んだのか?
「『いい話』のことで呼ばれたと思ったんだけど、違うの?」
俺は、情けなくなる。
めっちゃ悩んで損した。
「そのつもり。だから、はるの描いた絵を見せたの」
なつが、いきなり寂しそうな顔した。
どーゆーこと?
「拓途は、はるのパパになれないよ。やっぱり」
なつが、しょぼんとうつむく。
「……えっ?」
はるちゃんのパパに? 俺が?
いや、別になるつもりないけど。
「パパになるのなんか無理だって!」
俺は吹いた。
だって俺16だぞ? ちっちゃい子の親とか、なれるわけないじゃん。
「それより、俺らが今朝やったみたいな、ああいうハグみたいなの、毎日したい。あれをやるときに、はるちゃんが一緒にいてもいいだろ?」
なつの身体ギュッと抱いて、おっぱいの弾力を毎日たっぷり味わいたい!
子どもの前でエロいことしちゃダメかもしんないけど、はるちゃんがいる前でも、ハグぐらいは許されるだろ!
はるちゃんがやってるの見たことあるんだけどさ、なつの着てるTシャツをガバッっとめくって、おっぱいへ顔バフバフってするやつ! 俺も1回、あれしてみたかった。スカートめくって、中に顔つっこむのも、正直うらやましいと思ってたんだよ。
そうか! はるちゃんを利用すればいいのか! はるちゃんが触ってるところに一緒に混ざれば、俺もなつの生おっぱいとか太もも、触れるかも!
「拓途が……そんな風に思っていたなんて」
なつが、顔上げた。
びっくりした顔してる。
俺もびっくりした。なつの頬に、涙がダーッと流れてたから。
あの……俺、めっちゃ正直に言ったけど……まずかった?




