拓途視点【その23】 なつのダークサイド
「どうした? いつもと違うけど」
俺は訊いたんだ。
そしたらいきなり、なつが俺のスウェットパンツの尻のへんを顔にガバッと当てた。
「これ、拓途の匂いする!」
えええ! 俺の匂いをかいでんの? すんすん鼻息が聞こえるし。あの……何してんっすか?
「いつもの私っぽくないよね。変でしょ」
なつは、鼻すんすんいわせながら、俺に訊く。
女も、男と同じよーなヘンタイ行為をするのか? みんなけっこう普通にやるもんなの? なつはめっちゃ開き直ってるし。
それともまさか、昨日の酒がまだ抜けてなくて、ぶっ壊れてるだけ? 酔っぱらうとダークサイドに転じるとか、そういう感じの人だったりする? ゆうべチューハイ飲んでたときも、ケタケタ笑いまくって、ノリがおかしかったし。
「いや、ヘンってゆーか……なつがそういうキャラだったのが、ちょっとびっくりした」
俺は、反応に困ったけど、とにかく返事する。
でもさ。俺もヘンタイだし、人のこと言えねーか。
じつは俺、1回、姉のサツキの白いショートパンツを脱衣カゴからくすねて、匂いかいだことあるんだ。それで、漫画の雑誌のグラビア見つつ、エロいこといっぱい想像して……。やったのは、1回だけ。そのあとしばらく、サツキの顔まともに見れなくて困ったもんな。俺、ヘンタイだ、人間として終わってるって、めっちゃ落ち込んだ。
ゆうべも、酔っぱらって寝てるなつ相手に、エロいことやらかした。ベロチューとか、おっぱいの上で、トランポリン的なこともやりまくったし。
「こういう私、おかしいかな? いつもみたいに、地味にしてた方がいい?」
なつが訊いてくるから、俺はあわてて首を横に振る。
気にすんな! 俺らふたりとも、ヘンタイじゃん! いーよいーよ、お互いに許し合おーぜ。なんか、めっちゃ元気出た。




