拓途視点【その22】 朝から飛ばしすぎ
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前話に続き、男子高校生が、まだお尻出してます。いろいろ推敲してみたんですが、尻を出さないことには、話が前へ進まないもので……どうもすみません。
「あっ、起きてた? おはよ」
そう言ってニコッとしたのは、30代のおばさんへ戻ったなつ。
ふすまをちょこっと開けて、廊下からこっちを見てる。
「朝ごはんはいつもどうしてる? パン? ご飯?」
そしてなぜか普通に、朝メシの話をしてきた。
いやあの……俺は、Tシャツいっちょの下半身まる出しで、四つん這いの状態ですけど。
『キャーッ』とか、『いやんばかエッチ!』とか、そういう定番リアクションないの? ヘンタイ扱いされて騒がれても困るけど、ぜんぜん反応ないのも、意外と寂しいもんがある。
こっちも、普通にしゃべった方がいいのか? どうしよ?
俺はめっちゃ迷ったけど、とりあえず、さりげなくスーッと腰引いて、腹の下らへんを隠す。そのまま畳にぺたんと座った。
「あっ……俺は、朝はメシ食わないし」
しょーがないんで、普通に答える。
朝は、いつも学校行くギリギリまで寝てるんで、食う時間ないんだ。
「うふふ! 朝ごはんよりも、こっちが欲しいんでしょ」
なつは、ふすまをスパーンと開ける。
「ジャジャーン! これ、拓途の? 部屋に脱ぎっぱなしで置いてあったから、持ってきちゃったよ」
なつが出してきたのは、俺のスウェットパンツ。口で効果音つけつつ、闘牛士みたいにひらひら振ってる。
「パン食うより、パンツー。なんちって」
なつは、ペロッと舌を出す。
朝っぱらから、ダジャレぶっこんできた……。力抜けるわ。
「うーん、やっぱり面白くない? 30分ぐらい練りに練った自信作なんだけど」
なつは何べんも首かしげてる。
30分も考え抜いてそんだけのレベルか! 俺は思わず吹いた。
「あっ、ウケた! やった! えへへ」
なつがスウェットパンツ持ったまま、尻をぷりぷり振って踊り出す。
「勝利のダーンス!」
いやいや、俺は、ダジャレでウケたんじゃないけども。……なんか、なつのノリがおかしいぞ。朝から飛ばしすぎだろ。どーした? まさか、ゆうべ飲んだ酒で、まだ酔っぱらってんの?




