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南風通信  作者: 南 晶
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80年代バンドブーム!のススメ

熱しやすく冷めやすい性格のこの私が細々と続けている趣味がある。


一つは「ネットで駄文を書き散らす事」

もう一つはギターである。


ギターを始めたのは確か12、3年前。

練習する時間もなく進歩していないので、人様に自慢できるレベルではないのですが、パソコンの前に座ったままギターを抱えてボンヤリしている事が好きなのだ。


今更三十路の手習いもいいとこですが、自分が若かった学生時代にギターを弾く勇気はなかった。

何故、ギターを弾くのに勇気が必要だったのか。

その当時、エレキギターを弾いてバンド活動をするのは、人気者でオシャレな不良だけだと思われていたからである。

(少なくとも、私の住んでる田舎の公立高校に於いては)


地味で真面目だった私は、そんな垢抜けたグループに入れて貰える筈もなく、いや寧ろ、ギターを弾いてて不良に目を付けられたらリンチされるかも、なんて真剣に心配していた

不良がリンチなんて今ではドラマでしか見られないかもしれないが、私の時代には剃り込み入れたヤンキーがまだ存在していた。

純朴な女子高生だった私は、エレキギターは不良が引く楽器だと思い込んでいたのである。


私の高校時代、時はまさにバンドブームだった。


『80年代バンドブーム』という言葉はある程度の年齢の方なら聞いたことがあるだろう。

幸運にも、私はそのド真ん中で青春時代を過ごすことができた。


中学生の時は「ライク ア バージン』で一世風靡していたマドンナやシンディ・ローパー、ティファニーなんかが大好きで洋楽派を気取っていた。

MTVなる洋楽専門深夜番組を見て、破れたジーパンや妙に丈の短いジージャンを着てみたりして。

マドンナのCDジャケットみたいになろうと頑張ってた時期もあった。

無理だったけどね。

垢抜けない田舎の女の子が着たら、破れたモンペ型パンクジーンズはまるで戦時中の疎開児童……。


そんな私がJポップに目覚めたきっかけは、高校に入ってから友人に借りたカセットテープ。

『レベッカ』というバンドのCDだった。


すごい衝撃だった。

日本人離れした圧倒的歌唱力に、シンディ・ローパーみたいなキレキレのノッコちゃんの衣装。

それまでは女性ボーカルと言えばセイコちゃんみたいなフリフリワンピースのアイドルしかいなかったので、このインパクトは凄かった。

カセットテープを教室で貸し借りし合ってダビングしあっていたあの時代、「レベッカ」の次に回って来たのが伝説のロックバンド『BOOWY』であった。


ヤンキーっぽい氷室京介率いるこのバンドを皆が真似したが為に、ウチの高校ではヤンキーしかバンドやってはいけない風潮になってしまい、純粋な私が勘違いしたのも無理もない。


まあ、私だけでなくあの頃は学校中、いや、日本中の若者が『BOOWY』にハマっていた。

大ヒットした「マリオネット」は、文化祭になると毎年コピーバンドが出てきてかぶりまくり。

(卒業アルバム見ると、大半の男子生徒は氷室京介と同じ髪型で笑える)


校内暴力や受験戦争で学校が荒れていたあの時代に、BOOWYの歌詞は思春期の高校生の胸に響くものがあったのだろうか。

尾崎豊さんの「卒業」とか、有名なあの「盗んだバイク」のフレーズもこの時期に聞いた。


数々の伝説のバンドの名曲をリアルタイムで聴けたあの時代に青春時代を過ごすことができたのは、すごく幸運だったと思う。


ただ、惜しむらくは、自分がさほどグレてもスレてもなかったので、当時は共感し辛い歌が多かった……。


校舎のガラスを叩き割った事もなければ、家出したこともない。

彼氏がいないので、口付けを交わした後、お母さんの顔を見れないこともない。

言葉に棘もない人間だけど、別にそれが好きじゃないという訳でもない。


生真面目で経験値の低かった私が聴くには、少し時期尚早だったのかもしれない。


このバンドブームの伝説の曲の良さを本当に理解していたのは、当時、番号だけで呼ばれる社会に組み込まれなかった人達だったのかな、という気がする。


純粋で真面目だった高校生の私が理解できなかった名曲の数々。

三十路の手習いで始めたギターで弾いてみて思った。

すっかりヤサグレたアラフォーになった今だからこそ、80年代の名曲は心に響く!


いつになれば私は這い上がれるのかなあ……なんてギターをつま弾きながら歌ってると泣けてくるんだって。

生きる事に息切れしているアラフォー世代の方々。

疲れた時には青春時代のヒットソングを聞く事をオススメします。



著作権規制の為、名曲の有名フレーズがぼかして書いてあります。

(こ、このくらい大丈夫だよね!?)


ニヤリとして下さったあなたは、昭和40年代生まれですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 突然失礼します。 同じ時代を生きてきた同志にエールを。 [一言] 好きなことをしてるだけで、 悪いことしてないんですよね。 これが言いたかったんです。
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