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南風通信  作者: 南 晶
28/31

その日人類は思い出した。(ネタバレ注意)

ネタバレ含みます。

これはあくまで私個人的な主観であることをご了承下さい。m(__)m

 人気アニメを実写化して大コケする屈辱を・・・。

 

 以前から、このエッセイで「人気アニメだからと言ってなんでもかんでも実写化すればいいってもんじゃないと思います」と主張してきた私だが、今回ばかりは本当に声を大にして言いたい。

「進撃の巨人だけは実写化するべきではなかった」と。


 まだ観てない方も多いと思いますので、なるべくネタバレしないよう、内容については詳しく言及いたしませんが、私にとって久々に途中で出たくなった記念すべき映画になってしまった。

 映像のクオリティーとしては高いと思うし、大型巨人の出現シーンも迫力があって良かったのだが、何がガッカリかって、原作のキャラの設定や世界観が再現されることなく、全く別モノになっているのだ。

 私が原作ファンであるので更に気に入らなかったのかもしれない。

 もしかしたら、原作読んでない人は「ああ、こんな感じなんだ」と受け入れてしまうかもしれない。

 でも、原作と違い過ぎるのはどーですか? 

 ここまで違うなら、もうタイトルも変えちゃったらスッキリするのに。

 やはり、実写化を名乗る以上、原作をリスペクトして制作して欲しいと思うのは、ファンの心情なのである。

 

 原作に存在しないオリジナルキャラとか、原作のキャラが全く異なる性格・外見になって登場するのは、ファンにとっては作品に対する冒涜とさえ思えてしまう。

 記憶に新しいところだと『妖怪人間ベム』がジャニ系でスタイリッシュだったり、『ガッチャマン』の太った人が痩せて男前になってたり、清楚なヒロインが肉食女子になってたり、『宇宙戦艦ヤマト』のお医者さんが美女になってたり、『ルパン三世』のフジコちゃんに胸がないとか(笑)ああ、もう、思い起こせばキリがないほどに、実写化の黒歴史は長いにも拘らず、それが全く反省される事なく続々と量産され続けている。

 最近、私が中学生の頃に女子の間で流行していた少女マンガ『ホットロード』がやはり実写化されてて、私はポスターの爽やかなのを見ただけで、危険な匂いを感じてしまった。

 だって、あのマンガは確か、スケ番になった女の子が暴走族のヘッドと付き合う話だったよね。

 平成も27年経っているのに、今更、ゾクのヘッドとスケ番って、どこに需要があるのだろう?

 誰をターゲットにしてるのか全く分からない。

 この映画は観ていないので文句を言う訳にもいかないが、もしも、暴走族が今どきいないからって、渋谷系のチャラ男程度の不良少年になっているとすれば、それはヤンキーに対する冒涜だ。

 キャラ、時代設定、場所などの基本設定は原作の世界観を作るベースであるのだから、そこは平成の視聴者にウケないからといって改ざんしてはいけない。

『アルプスの少女ハイジ』の撮影がスイスでできないからと言って、ロケ地を長野県にして、ハイジを芦田愛菜ちゃんにしたら、あなたはそれでも観ようと思うだろうか?

 原作のステージを再現できない時点で、その作品はもう実写化不可能なのである。

 

 今回の『進撃の巨人』で最初の衝撃は、原作の中世ヨーロッパ的ファンタジーな世界観が全くなかった事であった。

 ヨーロッパどころか、非常に日本的な情景・・・。

 強いて言えば、戦後のヤミ市的な喧騒の中で三丁目の夕日的に人情溢れる日本人がひしめき合っている感じ。

 近所にいそうなオバチャンの口から「まったく、エレンはどこにいったんだよ」とセリフが出た時は、メチャメチャ違和感を感じた。

 なんで、ここに外人がいるの?と。

 場所はどう見ても日本、キャストも皆日本人の中で、「エレン」と「アルミン」だけが外国名なのは、どうしようもなく違和感だった。

 そこまで日本なら、彼らが「エレン」と「アルミン」である必要性はないのではないか。

 もう、「進撃の巨人」の実写化とか言わないで、スピンオフ作品にしてしまえば良かったのに。

『10年後の東京新宿に超大型巨人が出現』とかさ。

 10年も経っていれば、立体機動装置も実用化されてるかもしれないしね。

 今回の映画では、文明が後退した世界なのに、兵士の移動方法が陸上自衛隊みたいなジープだったのも失笑モノであった。

 車が使えるなら、巨人の撃退法も他に方法がありそうなもんである。


 原作に人気があれば、ファンの思い入れも強くなり、実写化に対して厳しい感想を持ってしまうのは常である。

 実写化は、最初からハードルは非常に高いし、コケる危険も大きい。

 制作側もそれを承知で作っている筈なのだが、何故、人気アニメの実写化が止まらないのか?

 私は業界の事は全く分からないが、最初から「一発屋」を狙っているだけで、完成度の高さは求められていないんじゃないか、などと勘ぐってしまう。

 だって、人気があるアニメなら、私みたいな怖いもの見たさのファンが一度は足を運ぶだろう。

 その後、酷評されたって、制作側としては一度は金を落とした訳だから、結果オーライなのだ。

 それが仮にいい映画だって、劇場に二度足を運ぶ人は少ない。

 評判が良かろうが悪かろうが、一度、見てくれるだけで採算が合う・・・なんて、考えてんのかなあ。

 だとしたら、可哀想なのは原作者だろうが、印税とか入るからそれはそれでオッケーなのか。


 大人の事情が絡み合う業界だろうから、我々庶民が知るよしもない。

 だが、セコイ話、今回、家族で見に行ってしまった我が家の出費総額は、

 

 1000円×大人ニ人

 800円×子供二人

 ポップコーン・メロンソーダセット×2=1200円 

 ホットコーヒー×2=700円

 出掛ける前に寄ったマクドナルドでの夕食2200円


 合計7700円


 もう「金返せ」の映画は見たくない(泣)

 

こういう映画こそハリウッドでやって欲しかった。

ロケ地はニュージーランドに決定!

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