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南風通信  作者: 南 晶
20/31

独断と偏見によるオススメ作品2・『センゴク』

 プロフィールにも軽く記載してあるが、私は愛知県民である。

 ちょっと地元自慢になってしまうが、愛知県はいいところだ。

 海と山が両方あって自然豊かなのに、名古屋という近代都市もある。

 (東京に比べたら微妙だけど)

 世界的に有名な某自動車会社の恩恵を受け、仕事もそこそこ見つかるし、通勤にマイカーを使える。

 若い頃、関西の中心的なところに何年か住んでいた事があったが、一度こっちに戻ってしまったら、もうあそこには住めない。

 この歳になってから地下鉄で通勤とか、絶対無理だと思う。

 つまり、名実共に私は田舎者なのであるが、もうそれでいい。


 だが、悲しいかな、愛知県は全国的に見たら知名度が低い。

 名古屋は有名なのに、「愛知出身です」と言えば、「愛媛」と勘違いする人もいた。

 愛知県はもっと地元PRを積極的にするべきだ。

「長崎と言えば、福山クン」みたいな、カリスマ性のある有名人を広告塔にするとかね。

 残念ながら、愛知出身の芸能人ってなんかパッとしない。

『ケンミンショー』でひな壇に座ってる愛知代表芸人を見ると、なんか気恥ずかしい。

 この面白くない芸人さんが愛知代表だと言われると、申し訳ないけどあんまり一緒にされたくない。

 全国の人が「愛知県の人って面白くないんだー」と思ってしまうではないか。


 この愛知には、何度もドラマ化され、日本中の人が絶対知っていて、しかも全国的に愛されている超有名な男たちがいる。

 彼らが残した言葉は『シャア語録』よりも重く、その熱い生き様は後世にまで語り継がれている。

 そんな日本を代表する超有名な熱い男達が、この愛知県には沢山いるではないか!

 

 そう。

 その超有名な男達の名は、『戦国武将』である。


「織田信長」「豊臣秀吉」「徳川家康」の三人を知らない日本人はいないだろう。

 小学校の歴史にさえ必ず出てくる戦国時代のキーパーソンだ。

 言わずもがな、この超有名な三人は愛知県民だ。

 誰しも聞いたことがあるであろう「桶狭間の合戦」「長篠の合戦」も、実は愛知県内だ。

 

 この三人、手を変え品を変えては大河ドラマに出演するので、キャラクターがテンプレになっているし、さすがに最近では見飽きた感がある。

 大河ドラマに於いて、信長は二枚目イケメン、秀吉は竹◯直人(笑)、家康はオッサン、みたいなステレオタイプのキャラが既に確立されてしまっている。

 でも、ちょっと考えて欲しい。

 信長って、本当にあんな感じだったのか?

 私達が持っている秀吉のイメージって、大河ドラマに出演してた竹◯さんじゃないのか?

 一般的に信じられて、学校で教えられている「戦国時代」って、本当に正しいものなのだろうか?


 その疑問を説明臭くなく教えてくれて、戦国時代を熱い人間ドラマとして描いている作品が私が愛読している『センゴク』である。

 ヤングマガジンで現在も連載中のこの『センゴク』、一介の少年兵であった「仙石権兵衛」が信長に拾われ、秀吉の家臣となり、やがて戦国大名になっていく壮大なストーリーだ。

 

 多くの歴史マンガや歴史ドラマにありがちなのが、歴史に沿ってストーリーを勧めるあまりに、教科書の実写版みたいになってしまう事だ。

 そういう教育的な作品は、往々にして歴史の有名場面のダイジェスト集になってしまい、説明臭くて面白くない。

 私がこの『センゴク』を読んで感銘を受けたのが、歴史の流れよりも、一人の少年の人間ドラマに重点を於いてストーリーが進んでいくところだった。

 

 一介の足軽兵士が前線に立った時、その恐怖はどれほどのものか。

 名も残っていない下等兵士にも戦う挟持があり、意地があり、生きる意味がある。

 それが人間臭く、生々しく描かれていて、読んでるこっちも日本人のサムライスピリッツに感動せすにはいられない。

 歴史的に見て「これはないでしょ」という場面や、戦国時代には有り得ない言動をするモブキャラも登場するのだが、それが本当かどうかなんてどうでも良くなるほどに、このマンガは熱い。

 

 この作品、口コミによると、史実的に信憑性があるかどうかという点では賛否両論らしい。

 作者がこの作品を描くに当って、実際に古戦場に足を運び、独自の見解を持って検証しているからだ。

 それが、一般論と違う事が多々あるらしいのだが、戦場の地形の特徴を掴んで描かれた戦闘シーンは、分かり易く、寧ろリアリティを感じる。

 試しに作品の中で権兵衛達が武田軍を敗退させた『設楽原の合戦』跡地にいってみたら、ド田舎であるため、戦国時代と地形的にあまり変わっておらず、マンガも設楽原の風景を忠実に描いていた。


 史実に忠実であることは歴史作品を描く上で必須ではある。

 だけど、それ以上に私達読者が歴史作品に求めているのは、戦国時代を生きた日本人達の熱き魂ではないのか。

 単に歴史を学びたいのなら、専門書を読めばいい。

 私がこの作品を読み続けているのは、そこに熱いドラマがあるからだ。

 

 僅か15才の少年が戦いの前線に立たされていた戦国時代。

 平成を生きる我々現代人には想像もつかないシビアな世界で、生き抜くために戦い続けた戦国武将達。

 そして、それが愛知県民だなんて、地元民としては嬉しいじゃないですか。

 

 熱きサムライスピリッツを感じたい方には是非!オススメの作品である。

 

でも、主人公の『仙石権兵衛秀久』は岐阜県民だそうです(泣)

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