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南風通信  作者: 南 晶
19/31

独断と偏見によるオススメ作品1 『ヒストリエ』

 この『南風通信』に於いて「最近の若いモンは」みたいな御託ばかり並べている私だが、それはこのエッセイのコンセプトが『昭和生まれの為の懐古趣味的内容』であるからであって、現代を否定している訳ではございません。

 平成に生きてる社会人である以上、昭和を懐かしがっていつまでも昔の話で盛り上がってるわけにもいかないしね。

 こんな私も、現在連載中のマンガなんかを普通に読んでたりするのである。


 因みに、私はマンガ肯定派だ。

 とある脳についてのウンチク本を読んだら、マンガは人間の脳にリラックスするためにはいい影響を与えるが、それを持って脳を成長させる事はないらしい。

 つまり、マンガを読んでる間、脳は働いていないって事だ。

「マンガばっかり読んでるとバカになるわよ!」というのび太のママのセリフには、医学的に一理あると言える。

 だけど、マンガによって今まで知らなかった世界に興味を持ったり、それがきっかけで勉強する気になったりする事ってとてもたくさんあると思う。

 マンガ読んでるその瞬間は脳が寝ていたとしても、その後の人生に役立つことになれば、それは結果オーライではないだろうか。

 

 実際、マンガのお陰で人生変わった有名人は古今東西数多く存在する。

 サッカー選手のロナウドやジダンは『キャプテン翼』をテレビで観て感銘を受けたそうだし、『あしたのジョー』の行き様に涙した男性はゴマンといる筈だ。

『ベルばら』を観て、フランス語を専攻した人は実際に会ったこともある。

 もしかしたら『銀河鉄道999』を観て、JRに就職した人もいるかもしれない。

 脳の活性化には貢献していなくても、マンガが人間の人格形成に大きな影響を与えるのは間違いない。


 で、どんなマンガを読むかと言えば、私は案外、歴史が好きだったりする。

 小説もマンガも、昔から歴史モノを好んで読んでいたが、今、非常に楽しみにしているマンガがあるのでそれを紹介したい。

 そのマンガの名は『ヒストリエ』。

 知る人ぞ知る人気作品で、現在は7巻まで出ている。

 年に一冊くらいのペースでしか発売されないので、次が出るのが非常に待ち遠しい作品だ。


 内容は、マケドニア王国を支配していたアレクサンドロス大王の書記官を努めたエウメネスという男の物語だ。

 主人公のこのエウメネス、実は生まれた時から波瀾万丈な人生だった。

 彼はスキタイ民族で、同時のギリシャでは蛮族バルバロイと呼ばれ、奴隷として売買される民族の子供だった。

 奴隷狩りに来ていたギリシャ人に家族を殺された幼いエウメネスは、母を殺した男の子供として、その事を知らずに育てられる。

 成長してからそれを知ったエウメネスは、奴隷として売られてしまった後も、生まれ持った頭脳と身体能力を武器に困難を乗り越えてゆくのだ。

(話せば長くなるので、詳細はマンガを読んで下さいませ)

 

 高校時代、私は世界史を選択していたので『スキタイ』も『バルバロイ』も聞いた覚えはあった。

 高校レベルの歴史に出てくるスキタイ民族と言えば「鉄の武器を持っていた」事くらいで、それ以外はテストにも出た事がないし、教えられた覚えもない。

 今はどうなのか分からないが、私の高校時代は受験以外の目的の授業は存在しなかった。

 先生も「ここは試験で出たことないので省略ね」などと言って平気でぶっ飛ばしていく、そんな時代だったのだ。

 当然、歴史もそんな感じの授業だったから、勉強と言えば、テストによく出る単語を機械的に頭にインプットするだけだった。

 それ故、テストが終われば、その単語もすぐに忘れてしまう。

 本当の歴史の面白さを、あの授業で理解した生徒は皆無だろうと思う。


 有名な人物は名前だけ単語として覚え、年代は「鳴くよウグイス平安京」のノリで丸暗記していたあの頃の私が『ヒストリエ』を読んでいたら、もっと違う方向から勉強しようと思ったのではないか。

 エウメネスの事をもっと知りたくなって、教科書に載ってる「スキタイ=鉄」以外の知識を得ようと、自力で図書館なんかで調べたかもしれない。

 その結果、本当の歴史の面白さに気がついて、もっと勉強するようになって、結果的に今頃、もっといい生活してたかもしれない。


 まあ、そこまで人生は甘くないけど、あの頃にこのマンガを読んでいたら、少なくとも激つまらなかった歴史の授業はもう少し興味深いものになっていたと思うのだ。

「受験には出ないけど、このスキタイ民族はなあ・・・」なんて、目を輝かせながら脱線して語ってくれる先生がいたら、生徒の授業態度も変わっただろう。

 

 当時は、先生達も受験勉強させるのに必死で、皆ピリピリしていた。

 先生だって、本当は歴史の先生になるくらいだから、色んなウンチクを生徒に語りたかったかもしれない。

 だが、そんな心の余裕は先生側にも生徒側にも、あの当時はなかった。

 第二次ベビーブーム世代である私達の中高校時代は、子供の数が多過ぎで、とにかく何をするにも競争競争で殺伐としていた。

 学校全体が荒れていて、今では信じられない校内暴力もよくあったしね。

 うーん・・・改めて思い出すと、寧ろ嫌な時代だったな。

 

 脱線しましたが、この『ヒストリエ』、私が今、一番楽しみにしている平成のマンガなのである。

 歴史のウンチクが大好きな方には是非オススメしたい作品です。

8巻、いつ出るの~!?

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