復讐開始
僕はベッドの上に腰掛けながら、ララへこっちへ来るよう手招きをする。それに対し彼女はこくん、と頷き近寄ってくる。初めてだったので、スキルが成功したか内心不安だった僕はホット胸をなでおろす。ララは洗脳された操り人形状態にあり、いつでもスキルは解除は出来る。憎しみや恨みが無くなった訳では無いので、狭い空間を共に過ごすことに嫌気がさす。一応仲間として引き入れたわけだが、ノアのように心から信頼出来る日は来ないだろう。では何故、パーティの一員にしたかというと上手く有効活用出来る方法がないか考えていたからである。今はまだ何も思いつかないが、僕に操られている間は反抗することも無いだろう。目の前にいる彼女は彫像のように固まっている。
指示が出されるまで、動くことが出来ないのだろう。文字通り、僕の操り人形である。
そんなことを考えていると横からノアが声をかけてきた。
「主、この女はどうされるのですか。」
「しばらくここで様子を見るよ。幸い自我は失ってるようだし、僕らを裏切ることもないし。」
その言葉に少しムッとした顔をするノア。
「お言葉ですが主を愚弄するやつをここに置いておくのは反対です。精神衛生にもよろしくありません。」
「ずっと傍に居させるつもりもないよ。復讐のために利用し尽くしたら、最後には見捨てるさ。僕もそこまでお人好しじゃない。」
それを聞き納得した表情を見せる。
その後、今日もノアとお風呂で体を洗い合う。僕らの日課になっていた。これまで何度もしてきた、その行為に未だ慣れない。心なしか彼女は最初の頃に比べ照れてるように感じる。が、すぐに頭をぶんぶん、と振り自惚れないよう気をつける。きっと僕の勘違いだ。お風呂を上がると、二人でベッドへ入る。こちらも日課になっていた。ララには床に布団を敷いて寝るよう指示する。
ようやく事態が進展したと今日あったことを振り返りながら眠りにつくのだった。
翌日、ララを部屋へ置いて朝から魔物の討伐へ出かける。ノアとの連携が取れてきて上級下位の魔物にも余裕を持って勝てるようになってきた。特級までの距離は流石にまだまだ離れているがこのまま行けばそのうち挑戦出来るだろう。僕のレベルもかなり上がった。それもこれも全てノアのおかげである。彼女の斬撃を飛ばすスキルは敵を一掃するのに向いており、戦闘の効率が飛躍的に上がった。僕の強化した操り人形も性能が格段に向上し、後ろから彼女をサポートしている。
戦闘が一息ついた所で、森の茂みで魔力補給をする。ノアは人形なので魔力を回復させないとスキルが使えなかったり、体が動かせなくなったりする。最初は僕の魔力を込めた水を与えていたが、それでは吸収が悪いらしい。より直接的に体を触れ合わせる方が濃密な魔力を送れるそうだ。
ノアの肩に手をまわして、耳元で囁いた。
「今日も魔力を補給するね」
「かしこまりました… よろしくお願いします。」
僕の鼓膜にノアの細い声が響く。
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