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クラス一のクール美少女が放課後の教室でこっそりAV鑑賞してるところ見たら詰んだ  作者: せせら木
一章

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34/100

34話 同人誌でもよく読みますし

「ちょっ、あ、あのっ、か、勘弁してくださいよ! 俺、勉強しなきゃいけないのに!」


「あはは~。いいからいいから~」


「よくないですって!」


 図書室で勉強してたところ、灰谷さんと遭遇し、俺は引きずられるようにどこかへ連れて行かれていた。


 周囲の目が痛い。


「てか、そもそもどこに行くつもりなんですか!? テスト週間ですよね!? 灰谷さんも勉強とかしないといけないはずじゃ!?」


「私は別にのんびりマイペースでやってけばいいから~。誰かさんと違って点数勝負するわけでもないですし~」


「ぐっ……!」


 他人事みたいに言って……!


 別に灰谷さんが俺と冴島さんを競わせたわけじゃないけど、彼女、何だかんだ武藤さんと仲がいいってことで、俺の今の状況をからかって楽しんでる節がある。


 そうなれば、もうこっちからすれば同じだ。武藤さんと同じ。


「それにさ~、ナワナワ~? テスト初日までまだ四日くらいあるわけじゃん~? 大丈夫だよ~、ちょっとくらい私に付き合ってくれたって~」


「大丈夫じゃないから焦ってるんですよ! まさか冴島さんがあんなに成績いいと思ってなかったし、彼女を超えようと思ったら俺、結構頑張らないといけないんです!」


「あは~(笑) ガンバ~(笑)」


「おぃぃぃぃ!」


 楽し気に笑いながらも、俺の手首を掴んでる力は緩まない。


 この人、ふわふわ女子の雰囲気醸し出してるくせに、結構怪力だった。逃れられそうにない。


「まあ、けどね、ナワナワ~。私だってナワナワのこと、別に妨害しようとしてるわけじゃないんだよ~?」


「……それ、今のこの状況見て言えることなんですか?」


「うんっ。言える言える。これはあくまで私なりの協力ってやつだから~」


「は、はぁ……?」


 何を訳わからないこと言ってるんだ、この人は。


 疑問符を浮かべる俺だったが、彼女は楽し気に続ける。


「ナワナワはさ、私たちと絡み始めてまだ間もないからね~。何もわかってないんだよ~。絵里奈のこととか、雪妃のこととか~」


「……それは……」


 ……まあ、確かにそうなのかもしれない。


 元々、絡むことのない人種だし、俺たちって。


「だから~、そこんとこを今から私が教えてあげようと思ってね~。色々、勝負溶かしたりする前に~」


「勝負する前って、もう始まってるじゃないですか……」


「まだまだ~。テストは始まったわけじゃないでしょ~? 点数なんて全然変えられるよ~」


 お気楽な灰谷さんの物言いにため息をつく。


 変えられるかもしれないけど、その上げ幅は既に限られてる。


 残りの四日間、死ぬ気でやるつもりでいるが、俺が冴島さんに勝てるかどうかはギリギリの話だ。こういう時間も惜しいってのに。


「だいじょぶだいじょうぶ~。んじゃ、駄弁る場所、テキトーなファミレスとかでいいよね~? 希望ないっしょ~?」


「ないですけど……」


「おけけ~。それでは、ついてくるのじゃ~」


「……はぁ……」


 改めてもう一度ため息をつき、遂に俺は観念した。


 大人しくし、彼女について行く。


 しかし、冴島さんと月森さんの詳しいこと、か。


 勉強の時間が削られるのは痛いが、そこは気になるところでもあった。


 灰谷さんと二人きりで話すってのも珍しくはあったし。






●〇●〇●〇●〇●






「そんじゃね、まったりと話していくとしますよ~、我が友たちのことを~」


「まったりってのは困りますけどね……さっそく思いっきりパフェ頼んでるし……」


 俺がジト目で言うと、灰谷さんは「んふふ~」と笑って、長いスプーンで眼前のクリームをすくった。


 そんでもって、それをパクリ。


 幸せそうに頬を抑えてる。やれやれだ。


「それで、月森さんや冴島さんのことってのはどんなことなんです? 早く教えてくださいよ」


「はいはい。教えますってば~」


 言いながら、さらにクリームを口の方へ持って行く灰谷さんだった。それじゃ喋れんでしょうに……。


「んっとね~? まず、単刀直入に聞くんだけど~、ナワナワ的には女の子同士の恋愛ってどう思う~?」


「え?」


「いきなりでびっくりって感じ~? でも、答えてみて~? 嘘つかないで、ありのままに~」


 どう思うって言われたって……。


 含みのある言い方だったし、何か罠でもあるのか?


 自分の中の答えとしてはちゃんとあったけど、それをそのまま口にしていいのかと不安になり、つい考え込んでしまった。


 少し悩み、口にする。


「好き、ですけどね。同人誌でも積極的にそういうジャンルはよく読みますし」


「へ? ドウジンシ?」


 パフェを食べてた灰谷さんの手が止まり、はてなが頭上に浮かぶ。


 瞬間的に思った。マズい、と。


 ありのまま過ぎた、と。


「あっ、あのっ、ま、漫画とか、映画とかってことです! 女の子同士の恋愛もの、俺結構観たり読んだりするので!」


 その言い方もどうなんだ!?


 引かれかねん気もするが!?


 心の中のもう一人の俺が叫ぶも、


「あぁ~! そうなんだ~! へぇ~!」


 思いのほか灰谷さんの反応はいいものだった。


 嬉しそうというか、そんな感じ。


「いやぁね~、正直なとこ、ここで君が『気持ち悪い』とか言ったら、私は速攻で帰すつもりだったよ~。話す必要はないし、そんなこと言う人が絵里奈や雪妃と絡んで欲しくなかったからさ~」


「っ……。そ、そうですか……」


 声音は通常通りだが、目が笑ってなかった。本気だ、アレ。


「でも、よかった~。ナワナワは絵里奈の恋愛嗜好に肯定的なんだね~。うんうん」


「別に否定はしないですよ。そんな資格、俺にはないですし」


「そうだね。君にそんな資格はない。何なら、私にも、楓にもないよ」


「ええ」


「絵里奈の想いを否定していいのは、雪妃だけ」


「……」


「雪妃だけなの。ちゃんと答えてあげられるの。絵里奈に」


「それは、告白を断るってことですか?」


「端的に言えば、そうだね。けど、もっと深いところで言うと違うのかも」


「……?」


 どういうことだ? 今のセリで、告白以外の意味があるとでも言うんだろうか。


 俺が軽く首を傾げると、灰谷さんも「うーん」と考え込んで、


「ごめんね、ナワナワ。やっぱ無理。これ話し出すと、どうしても長くなっちゃう」


「え……」


「でも、二人のこと教えてあげようと思ったら、これ話さないと始まんないんだよね」


 ――いいかな? 長くなっても。


 申し訳なさそうに問うてくる灰谷さん。


 あまり見たことのない彼女の真剣な表情だ。


 俺は、気付けば頭を縦に振ってた。


 いいですよ、と。


「なら、中学の時のことから話すね。絵里奈が、たぶんここで雪妃のこと好きになったって時の話」


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