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部屋での出来事

 そう思ってる時だった。

 玄関が開いた。

 鍵をかけていたはずなのに。

 とっさに体が動いた。

 物影に隠れる。

 反射的な動きだった。

 意識して行動を起こす前に体が動いた。

 まるで自分ではないかのようだった。



 しかし、意味はなかった。

 部屋に催涙ガスが投げ込まれた。

 目と口を閉じないと死ぬほど苦しむ事になる。

 閉じていても大した違いはないが。



 窓をやぶって逃げようとする。

 すぐに無理だと気付く。

 窓は進入防止の鉄格子がついている。

 まるで監獄のように。

 逃げる事は出来ない。

 逃げ道はひとつ、玄関だけ。

 そちらには、こんな事をしでかしてる奴がいる。



 迷ってる場合ではなかった。

 玄関に向かって走る。

 催涙ガスを少し吸うのは覚悟した。

 目も出来るだけ開けておく。

 閉じていたら周りが見えない。

 痛みは避けたいが、それよりも危険から逃げる方が先だ。



 そう思って玄関へと向かう。

 襲ってきた者もいるだろうが、それはしょうがない。

(なんとかするか)

 不思議と落ち着いている。

(いつもの事じゃないか)

 そうも思った。

 いつもの事、いつもやってた事だと。

 そんなはずはないのに。



 強行突破を選ぶ。

 出来るかどうかは分からない。

 だが、やるしかない。

 相手が武装してたら成功率は低いが。

 それでも他に逃げ道はない。

 なんとかしてやるしかなかった。

 出来なかったら、その時はその時だ。

(また監獄だな)

 一度も入った事の無いはずの留置所・拘置所・刑務所の事が頭に浮かぶ。



 幸い、敵の数は少ない。

 見たところ二人。

 見えない所にまだ潜んでるかもしれないが。

 とりあえず、見えてる者をどうにかする。

 久しぶりの荒事なので、上手く体が動くか心配だった。

 心配するほど悪い事などしてきたおぼえはないのだが。



 だが、男の逃走はここまでだった。

 相手はスタンガンを使ってきた。

 電流を流して体の動きを止める器具だ。

 非殺傷型の武器で、無傷で人間を確保する事が出来る。

 電流による痛みは凄まじいが。



 それのせいで男は、暴れる事もなく捕まった。

 相手は即座に男を確保。

 手錠を腕と足にかけていく。

 ご丁寧に、更に弛緩剤まで使う。

 筋肉に力が入らなくなった。


 そうしてから袋につめられる。

 他の誰かに見えないようにする為だろう。

 その状態で担がれて家の外に連れ出される。

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