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最終話 トリニティ

二人の行く先にいるのは…?

三人の行く末は…?

二人は一部始終を確認し終えるととあるところへトライクを爆走させていく。

向かうは…彼らの本当の上司の元…。


「…な、なんと…このような顛末であったとは…解った!即刻彼を釈放しよう!

これは恥ずべき我が軍の汚点だ!よくやってくれた!」


「よろしくね、閣下♪」


ミカは首筋に腕をからめ唇を重ね微笑みながらそうそっと話す。


「オ、オホン、もちろんだ、任せておきなさい。」


紅潮させた顔で閣下と呼ばれし男はすぐさまどこかへ電話をかける。

一礼して部屋を去り、彼のもとへ全力で戻る。

彼の部屋へかけていく。全力で走っているのも相まってものすごい勢いで鼓動が高鳴っている。


「はぁ、はぁ、は、入ります…」


ノックをしておもむろにドアを開けて入る。


「…凄い勢いで入ってきたな…何かあったのか?」


「もう…もう大丈夫です!冤罪だと認定してもらいました!」


珍しくセントは興奮した口調で話した。

その振る舞いにも驚きつつ内容にはさらに驚きつつ聞き返した。


「何だって?しかし認定…一体誰に?」


「ふふふ…責任者です♪」


何やら外から足音が聞こえてくる。それもものすごい勢いで何名も。


「し、失礼いたします!入室いたします!」


所長をはじめこの刑務所の幹部全員勢ぞろいで整列を始めた。

並び終えた後全員敬礼をし、所長直々に発言する。


「この度は誠に失礼いたしました!冤罪の通達を閣下直々に拝聴いたしました!

いままでの刑務作業、大変お疲れさまでした!きちんと報酬も振り込む様にと、

勅命を受けておりますので出所後口座をご確認ください!

言い訳もせず刑に服した貴殿の高貴な振る舞いに敬礼いたします!

大変お疲れさまでした!身支度などお済になられましたらご連絡ください!

それでは中尉改め少将殿、失礼いたします!一同、敬礼!」


入所時に没収された荷物を丁寧に置いた後に退室していった。


「…っと、ま、待ってくれ!冤罪?釈放?そしておまけに少将だって?」


「おめでとうございます♪…これで例の少佐の同僚や…部下の大尉たちは何も出来ませんね♪」


さすがの彼も頭が追いついていかないようで困惑をあらわにしていた。


「ふふふ♪あなたのそんな表情が見れるなんて…本当に良かったです♪」


そう言って微笑むセントはとてもまぶしく輝いていた。


(セントさんありがとう…そして…さよならクリード…これからは…末永くお幸せに…♪)


幻聴かわからないが、確かにそう聞こえた。


「い、今の!?」


「…ミニィ…そうか…どうか御前にて安らかに…ありがとう…」


「ふふん♪これで公認だね♪さぁ!晴れて結ばれる二人に祝福を!」


ミカが笑顔でそういうと、刑務官総出の演奏が始まった。


演目は…


「もう…ミカ!これじゃ…結婚式みたいじゃない…♡」


最後の方はうれしさと恥じらいから紅潮した顔をうつむかせて…

殆ど聞き取れないくらいの声になってしまったセントがそう言った。


「主よ、人の望みの喜びよ…か!ありがとう…ミカ…」


ひとつ咳払いをしてミカが二人に問いかける。


「クリード=セイクレッド=フェイス、あなたはここにいるセント=ユダ=フレグランスを、

病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も…

伴侶として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」


「As freely as God has given me life,

I join my life with yours.

Wherever you go, I will go;

for better or for worse,

for richer or for poorer,

in sickness and in health,

I take you as my soulmate, and will give myself to no other.

(神が私にご加護をくださっているように

貴方が向かう先に私も向かいます。

良い時も悪い時も、

富める時も貧しい時も

健やかなる時も病める時も

貴方を魂の伴侶とし、命ある限り共にする事を誓います。

)」


「セント=ユダ=フレグランス?」


「…Yes…I…うぅ…」


「ぅわ!セ、センt…」


とめどなく流れるうれし涙と満面の笑みで…体中から溢れ出るヲモヒを…

クリードの首に飛びついて腕をからめ唇を重ねて表現した。


「Joo~~~!!!(※日本語のイエーイ!のフィンランド語版)」


つられてミカも二人に飛びついて抱きしめる。


「主よ!…ううん!このミカが!認めます!この二人と…ぼくら三人の未来に幸あれ!」


ミカが嬉しさのあまりそう叫ぶと…上空から世にも美しい金管楽器とハープと思しき音色と、

それに引けを取らないこの世のモノとは思えない歌声の讃美歌が聞こえてきた。


(今はミカよ…あなたが認めたのならば…我々すべてそのモノ達を祝福いたしましょう…)


眩い光の中で何かがラッパを吹きハープを奏で美しい歌声を歌い二人を祝福してくれた。


その場にいる全てのモノ達の心の中をとても温かく幸せで満たした後、

彼等はゆっくりと光の中に消えていった。


「…おぉ…主なる神よ…」


口々にその場にいる皆がそうつぶやき被ざまずき天に祈る。

クリードも天を仰ぎ一言つぶやいた。


「あれは…まさか、御使い…か?」


すぅっと宙に浮くは…ミカ…であった。


「いかにも…我…神の似姿の名に於いて、すべての御使いがあなた方を祝福することを誓います…」


「…ミ、ミカ?」


「セントよ…気高き創造の母の娘よ…今世で漸く伴侶と出会えましたね…

悠久の魂の旅、共にする伴侶と…我と…存分にヲモヒ交わし、契り…

内在する無限の可能性を解放たらしめんとする事を願います…」


そこまで言うとゆっくりと地面に降りてきて横たわる。


「神の似姿…そんな名の御使いはただ一柱…御使い総てを統べる長しかいない!」


困惑と高揚感が入り混じった口調でクリードが言う。


「たしかに…僕のただの…弟のはずなのに…そして…僕が…創造神の娘…?」


「それも…限定される…主を除けばその名に該当するのは…そして気高きは…

最初の女性存在、リリスしかいない。その…娘…リリムたち…か?」


「…わからない…何もかも…でも…確実にわかっていることがひとつだけあります…

ボクは…あなたが…大好きです…」


そっと服を摘まんで俯きながらそう言うセントが堪らなく愛おしく

クリードはついつい強めに抱きしめてしまった。


「あ…♪」


「ふふふ♪ぼくも一緒です♪セントと一緒にぼくも愛してね♪」


「えぇ!ミカ!それって…!」


「クリードさん…ぼくも、ずっと大好きでした♪でもセントの事も大好きです♪

だからセントが自分のヲモヒ伝えられるまで待っていました…

二人の邪魔や障害になる気は毛頭ありません…ぼくは二人共を…愛しています♪

解りやすく言えば2号さんで構いません♪」


クリードは先ほどの振る舞いとの落差にもはや完全についていけず、必死に一つだけ訪ねてみた。


「あなたは…いえ、あなた様は御使いの長、神の似姿の名を関する天使長ミカエル様なのですか?」


必死に尋ねたクリードに対しミカは不思議そうな顔で返す。


「ミカの名前の由来は確かにそうだけど…まぁったそんなことあるわけないじゃない♪」


笑顔でそう返すミカに先ほどの風格も感じられず、嘘をついてる風でもなく…

まったく記憶の外のようであった。


「確かに…伴侶は一人とは決められていない…が、君のことは…セント以上に私は知らない」


「これからゆっくりたっぷり知ってくださいませ♪」


愕然とした表情の中に安堵も浮かべながらセントは言う。


「そんなぁ…。で、でもボクもやっぱりうれしいかな?ミカとは何て言うか…

只の兄弟ではなく、双子というか…もともとひとつの存在が分かれたもう一人の自分の様な感じで、

いつも一緒が当たり前だったから…クリードも最初は戸惑うかもだけど…受け入れてくれると…

うれしい…かな?」


今日は終始サプライズだらけ。もうこの後何が出ようと素直に驚いていこう。

…この子たちとともに…。

そう思ったクリードは髪をかき上げながら苦笑いで天を仰ぐ。


「主よ…これが仰せであれば受け入れるよう心掛けていきます…二人とも…これからよろしく」


そう言って二人に手を差し伸べた。


二人は顔を見合わせて喜んだ。

セントには少し思うところはあれど…二人よりも三人…そして…

ミカとの様にクリードとも…もう一人の自分として思い、愛し、ともに歩もうと心に誓った。


「みんなで…三人で…心ひとつに…歩んでいきたい、な…」


「Joo~♪その通りです♪」


「まだ全く頭も心もついていかないが…努力する」


「じゃぁ行こう!ボク達の…みんなの家に!」


「…うん!」


三者三様の面持ちであるが…共に末永く仲良く生きていこう、そのヲモヒだけは一緒であった。

この後軍の高官となったクリードとともにセントとミカはその本来の力を再度振るい、

秘密裏に国の平和のため暗躍していきますが、それはまた別のお話となります。

一応セントとミカのお話はこれで一区切りです。

あとは…契りの描写蟻のバージョンを書かないとですね(^-^;


ネタバレ的な名前の意味のご紹介ですm(__)m

①主人公 刑務官:セント

scent Judah fragrance

(セント=ユダ=フレグランス…香る 背徳者の  匂い です…背徳…この世の道徳→創造主…に…)


②弟   刑務官:ミカ

aroma michael fragrance

(アロマ=マイケル=フレグランス…香る 神の似姿の 匂い です…バレバレですね(笑))

aromi mika fragrance

(アロミ=ミカ=フレグランス)同じ意味をフィンランド語で書くとこうなります。

ミカ、のニックネームは祖国フィンランドからです。


③中尉改めクリード少将  :クリード

Creed sacred faith

クリード=セイクレッド=フェイス…神聖なる 信仰を 貫く者 です。


④中尉の元恋人:ミニィ

Minister martyris Apostlo

ミニステル=マルティリス=アポストロ…人に奉仕し 殉じる 使徒 です。彼は境遇から後付けしました(^-^;


本編の近未来編にも…大元となる前世編や古代編にも…彼らは登場いたします。

宜しければお楽しみにしていてくださいませm(__)m


彼らの本当の職業…人の精神を操れる特殊な調香師(Perfumers)の一族。

洗脳も身体能力を向上させるも扇情させるも思うまま。

香りは人間の脳にダイレクトに届くので古来より危険視されていた。

(これは医学的に本当です。嗅覚は脳の一部が伸びて来た器官です)


クリードと出会う前、現役で国の裏で暗躍していた頃のお話や、

クリード少将とともに暗躍や表舞台でも活躍しちゃうお話も頭の片隅にあります(笑)

そして本編を読むと解りますが…セントは…でミカは…で、それぞれこの時代に…です♪

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