第98話 賢者の森16
記載を忘れてたので追記(9/10)あとがきにも書いてありますが、9/10、9/11は投稿はお休みです。次回投稿は9/17になります。
書く時間がねぇ
「ワレラガ増エタ理由?教エテヤロウ!ソレハキサマラニンゲンヨ!」
どや顔で言うゴブリンジェネラルにイラっとしながらも僕らは驚く。一体どういうことなんだろう?
ボクらは意味が分からなくて首を傾げる。そんなボクらの様子が楽しいのか、ゴブリンジェネラルはにやにやと気持ちが悪い。ボクがムカついて手を出そうとしたところで、ゴブリンジェネラルが口を開く。
「貴様ラノ集落ヲ襲撃シテ得タ捕虜ヲ活用シテ繫殖ヲサセタノダ!」
その言葉を最初に理解したのはモンストル先生とエリックだった。二人は同時に気づいたようで、それぞれ教えてくれた。ボクにエリックが説明してくれる。
「キーキー(まさかとは思ったが、ゴブリンどもは捕虜として連れ帰った人間を使って繁殖を行ったのだ。魔物刑をうまく利用されたのだろう。)」
「ウホ(魔物刑って犯罪者を魔物に引き渡す、いわば生贄のことだよね?食べられる訳ではなく、苗床にされたってことかい?)」
「キーキー(うむ。そうだ。しかし、そうなると問題がある。)」
ボクが理解して驚いている間にもエリックは次の言を言いずらそうにしていたが、その時、エレーナが驚きの声を挙げる。
「それでは魔物刑に女性犯罪者が含まれていたということではないか!?」
驚いてそちらの方を向くと、エリックがモンストル先生の肩の上に乗る。そしてモンストル先生が話を続けるようだ。
「そう。そうだと思う。ゴブリンは他種族と交配が可能だからね。魔物刑はポピュラーな刑罰ではあるけど、あまり細かいルールは広まっていない。大きな町では女性は魔物刑にかけることが禁じられているけど、小さな村ではそれすら知られていないこともあるんだ。」
「キーキー(故にゴブリンは人間のメスを使って爆発的に数を増やしたのであろうな。)」
エリックがボクのために補足してくれる。しかし、それだけじゃ、さすがに増えすぎなんじゃないかな?
そんなボクの疑問にはゴブリンジェネラルが答える形になる。嫌味な笑みを浮かべながらもまるでこちらを絶望させることが出来そうだと考えているみたいだ。
「ソレダケジャナイゾ?ニンゲンノメスダケデハナイ。オスモ存分ニ活用シテイル。ニンゲンニ見放サレタオスデモゴブリンノメスニトッテハ関係ナイラシイ。ゲハハハ。」
その内容は実に身の毛もよだつ話で、想像もしたくない。エリックやボクは魔物という立場から大丈夫だったけど、エレーナやモンストル先生は完全に気持ち悪くなっている。
「うっ。」
「大丈夫かい?グラディスバルト嬢、これ以上はやめておく?」
「いや、まさかではあったが、所詮犯罪者の話。切り捨てても構わんだろう。多少気分の悪い話ではあるが、尋問は続ける。」
「そっか。それなら止めないよ。ボクも気持ち悪いしね。ゴブリンとヤラされるなんて想像したくもない。」
二人は気持ちを切り替えて尋問を再開するみたいだ。ゴブリンが爆発的に増えた理由が分かったのは素晴らしい。これはもしかすると今後の魔物刑の在り方を考えなきゃいけないのかもしれない。
「とりあえず、魔物刑の刺し止めを各村に通達せねば。これは父上の仕事だ。私が勝手に指示していい内容ではない。手紙を書くので少し待ってほしい。」
「分かったよ。でも、誰が届けるんだい?」
「近くにいる騎士に渡す。そこまでは、マツが届けてくれ。」
ここでまさかのボクか。まぁ、でもこの森は今、それなりに物騒だし、仕方がないのかもね。だけど、ボクが離れて大丈夫かな?
ボクの疑問は顔に出たのかエリックが答えた。
「キーキー(大丈夫だ。ここには我がいる。此奴など敵ではない。)」
「ウホ(そっか。)」
エリックがそう言うなら安心だ。ボクは安心してエレーナが手紙を書くのを待った。
「そうだ。グラディスバルト嬢、申し訳ないんだけど、辺境伯にボクが来ていることも伝えてくれるかな?直接こっちに来たから挨拶もしてなくてさ。」
「直接来たのか。まぁ、いい。分かった。父上には報告をしておく。それを書き足せば完了だ。っと。できた。では、マツ、これはあちらの騎士に渡してくれ。父上当てだと伝えれば、向こうの責任者が適任を選んで伝令に走らせるはずだ。」
「ウホ(了解。それじゃ、行ってくるね。そんなに離れていないし、急いで戻って来るよ。)」
ボクはエレーナから手紙を受け取って走り出す。小さい体でもゴリラパワーはとんでもない速度を発揮する。
ここまで爆発的に増えたゴブリンは仕方がないとしても、これ以上増えるのは防げるしね。一刻も早く情報が村にまで伝わると良いな。
そう思いながらボクは騎士たちの駐屯地に向かった。
9/10と9/11の投稿は休みます。
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