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第49話 休日

初めてのお出かけってどこに行ったか覚えてますか?私は富士急ハイランドらしいです。


何とか授業を乗り越えて休日が訪れる。僕は風の日の授業で、魔法学や魔物学、武術などのエレーナと受けることができる授業をそれぞれ体験したことで、意外にもこの世界は進んでいるということに驚いた。

もっと、わからないことだらけなのだと思っていたんだけど、この世界特有の魔物のことや魔法のことは結構、調べられていると分かったんだ。


まぁ、それで考え直したんだけど、前の世界では機械やIT技術など、そういう分野が発展して形成された文明だったけど、それらの代わりをこの世界では魔法が概ね賄っているってことなんだと思う。


僕は機械なんかには馴染みがあるけど、魔法は最近始めたばかりの素人だし、これからこの世界のルールにのっとって生きていこうと思う。まぁ、正直言えば、このままゴリラの可能性が低くないからね。


とまぁ、僕の一週間の振り返りはいいとして、今日はエレーナはお休みで闇の日。もちろん休みなのは学校なので、学生はみんなお休みだ。

昨日の魔物学の授業で、エリックが言っていたけど、先生は今日も仕事があるんだってさ。先生は基本的に週に一回の休みで、光の日だけなんだって。学生でもあるモンストル先生は他の先生よりは仕事は少ないけど、授業の準備だけでも半日は使うんだって。


「ウホウホ?(今日は何をするんだい?)」


僕はエレーナに今日の予定を尋ねる。僕が学園に来て初めての休日はどんな日になるのか楽しみだ。


エレーナは僕に聞かれて、うーん、と顎に手を当てて考える。どうやらまだ考えていなかったようだ。

現在、エレーナは学生寮の食堂で朝食をとったすぐ後で、自室で本を読みながら休憩していた。ただ食休みを待っているのももったいなかったので、今日の予定を聞いたんだ。


「そうだな。ここ最近は学年末の課題のために闇の日、というか土の日の終わりにグランディスに戻って従魔探しをしていたからな。

ここ最近はほとんど外出をすることが出来ていなかったし、街に出てもいいな。」


「ウホウホ(王都って賑わっているんでしょ?いろんなお店があるみたいだし。僕も見てみたいなぁ。)」


学園に来るまでの道すがらちょっとだけ覗いたくらいだし、興味はあったんだ。エレーナが乗り気ならぜひとも街に繰り出したい。


「見たいか。ふむ、そういえば、ゴリ松には魔法鞄の中の素材があったんだな。それの処理もあるし、フレアグリズリーの加工ができる職人を探さないとな。」


「ウホウホ(そういえばそんなのあったね。あれ?でも、さすがにそろそろダメになっているんじゃない?)」


僕は思ったことを口にする。あの鞄にいろんな素材を入れたのはもうずいぶん前のような気がする。

基本的に動物っぽい魔物なんかは皮をきれいに剥いで入れたから大丈夫だと思うけど、人型の魔物、特に大量に仕留めたオークなんかは殺してしまったのだからと、とりあえず詰め込んでしまったので、腐ったりしていないかな。


「ハハハ、それは大丈夫だぞ。あの鞄は意外にも高性能な魔法鞄でな。おそらくダンジョンで持ち帰られたものだろう。中身の容量は少々物足りないが、時間停止機能が付いたものだったぞ。」


「ウホウホ(へぇ、そんなすごいものだったんだね。でも、あれで物足りないんだ。)」


「ああ、大体ゴリ松が10体ってところかな。正確なところはわからんが。大きいものだと領都の館が三つ分とかそれくらいだったはずだ。」


ふむ、それじゃ、僕が持っていた魔法鞄って十分な大きさってことだね。きっと貴族基準のエレーナがおかしいんだろう。これでしっかりお嬢様だからね。

領都の館は大体僕が20体分くらいの大きさらしいので、大体6倍が入るカバンが存在するってことみたい。

そんな鞄があるのであれば、この世界の輸送に関しては前世を大きく上回っていることは疑いようもないか。


まぁ、とりあえず、今日のところは僕が持ってきた鞄を殻にするのを目的として街に出ることになった。

熊の素材で服を作るということもサブ目標としてあるけど、こっちは職人探しからだから、今日だけでは難しいかもしれない。


「グランディスであれば、そういう職人にも心当たりあるんだけどなぁ。」


エレーナはそう言ってくれるし、僕はどちらでもいいので、任せることにしようかな。


「ウホウホ(僕はすぐに服を欲しいわけじゃないし、ゆっくりでいいよ。)」


「ああ、それにゴリ松の服を作るとなると、ゴールドバックであることも知らせて原寸大で測定しなくてはいけないから、信用できる職人でなくてはならない。王都だとそれが見つかるかどうか。」


「ウホ(それもあったね。うぅん、やっぱり難しいかもね。)」


そうか。僕の存在はかなり秘密度が高いんだったね。その服を作るってことはそれを職人には知ったうえで採寸をしてもらわないといけないのだ。

であれば、迂闊なことはできないか。僕としてはバレてもそれがどうしたって話だし、別にいいけどさ。


まあ、いっか。とりあえずは今日の予定は決まったことだし、さっそく行動に移そうか。


エレーナが外出用の服装に着替えるのを待ってから、学園を出る。


僕にとっては初めての王都の散策だ。もちろんメインの目的は僕の鞄の中身の処理だけど、楽しみなのは変わらない。

どんなところに行けるのかな?














拙作を読んでいただきありがとうございます.


「面白い」「続きが読みたい」「人外モノっていいよねb」


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