表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

88/118

第88話 空を飛ぶゴーレム

「早い早い! すごいです!! わあぁ~! てぃあまとさんすごいです!」


「そうだろう。もっと加速させるからな。振り落とされるでないぞ?」


「ひひ、ひぃ、ここ、怖くないです、怖くないですよぉ!」


「おお……おおー」


 運搬ゴーレムの背中から勢いよく水が噴出されていた。

 ティアマトさんの水の力。その反動で加速が付いている。


「ゴーレムは丈夫だけど。僕の身体が持つかな……?」


 全身が激しく上下に揺れて、頭がぐわんぐわんする。

 操縦しているライブラさんも集中しているのか無言だ。


「前方に障害物はありませんね~。ではでは、飛びますよ~」


 ユグが木製の長い坂道レールを創造した。そのまま直進する。

 身体が斜めに傾き空が近付いていく。そして、空中に投げ出された。


「わああああぁい!! 高ーいです! 飛んでまーす!」


「わわっ」


「主人よ、我に掴まれ」


 ティアマトさんに支えられて持ち直す。

 身体の中身が浮き上がる感覚。地面が遠い。

 空中に跳びながらも、更に加速は続いている。


「ひぃいいい、やっぱり怖いですっ! これは鍛えて我慢できるものじゃないですっ!」


「おお……お~」


「安心しろ。ゴーレムは落ちない。我の風に乗せているからな」


「教官、それは油断したら乗員は落ちるって事ですよね!?」


「ははは、この程度で脱落するような軟弱な仲間は居ないはずだが?」


「試練が終わっても、教官は教官です……ひぃ」


「安心してくださ~い。落ちたらわたくしが拾いますよ~。間に合ったらですけど~」


 ティアマトさんが風海神龍の能力を解放している。

 ゴーレムの左右にはユグの作品の翼が広がっていて。

 安定した高度を保ちつつ、次の階層まで一直線に進む。


「わぁー、あるじさま見てください! 泉があります!」


「本当だ。綺麗だね」


 気持ちに余裕ができてから、僕たちは景色を楽しむ。

 コクエンはしゃがんで震えていた。高いの苦手なのかな。


「おー。まもののむれ、たたかてる」


「縄張り争いだね。普段は見る事ができない珍しい光景だ」


「ますた、うつ?」


「そこは撃たなくてもいいよ。遠くから見守ろう」


 ――現在【地下深淵の塔】 四十一階層。 


 運搬ゴーレムを完成させてからまだ一日も経っていない。

 空を飛ぶゴーレムはすべての障害を乗り越え魔物すら回避する。

 だから一日で四階層も突破してしまったんだ。もう訳がわからない。


「しかしフロアボスというのは軟弱なものだな。大した運動にもならなかった」


「神話級率いる集団に襲われて、数分持っただけマシな方でしょう……相手が憐れでしたよ」


 操作の必要がなくなり、ライブラさんが戻ってくる。

 秘密の階層の出口である四十五階層にはフロアボスが残っていた。


 地下に潜むサウザントワーム。ゴーレムすら呑み込む巨大な魔物だけど。

 ティアマトさんが素手で捕まえてしまい。ユグが蔦で縛って動きを封じて。

 コクエンとトロンが一方的に倒してしまった。あとエルは魔石を拾ってくれた。


「三ヶ月の特訓成果が表れていたね。ここにアイギスも加われば……」


「間違いなく敵なしでしょう。私様が本気を出す必要性も薄れます」


 そうか、ライブラさんという切り札もあるんだった。

 これから戦争に出るのかというほどの過剰戦力だけど。


 【理の破壊者】含め見えない敵は多いから。多いに越した事はないか。


「そういえば、目ぼしいアイテムは全員【擬人化】してしまいましたね」


「そうだね。☆付きのアイテムはもう手元にないかな。嬉しい話だけど」


 僕は全員と心を通わせたという事になる。


「あるじさま、もう仲間は増えないんですか?」


「魔塔でレアアイテムを拾えば、また出会いはあるかもしれないけど」


 ゴーレムは相変わらず空を自由に飛んでいる。

 こんな場所でアイテムを拾う機会はなさそうだ。


「便利過ぎるというのも良い事ばかりではありませんね」


「出会いを逃すのはもったいないから。時々でいいから地上も探索してみよう」


「了解した。次の四十階層でフロアボスを潰すついでにアイテム探しだな」


「わーい! エルも今度こそ活躍します!」


「教官、先程倒したばかりですよ!?」


「おー。ぼすたおす」


「みなさま、元気いっぱいですね~」


「ティアマトのせいで一気に脳筋色が強まりましたね……アイちゃん、早く帰って来てください!」 


「あはは……一日でフロアボス二体討伐って、地上では誰も信じてくれなさそう」

次の更新は11/17です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ