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第27話 修行

「ライブラさん見て、トロンのレアリティが!」


 新しい階層に移り、習慣として階層データを確認していて気付いた。

 僕は【情報板(ライブラボード)】をライブラさんに見せる。よく考えると変な構図だ。


―――――――――――――――――――――――――――――

 改造型魔導銃トロン☆3.0【擬人化】


・魔力吸収改

・雷属性変換

・命中補正ランクD

・魔力伝導効率ランクE

・強化スロット×2

―――――――――――――――――――――――――――――


「おお、トロちゃんが☆3.0の大台に! 衆目の中でフロアボス討伐という戦果を上げたのがきっかけですかね。アイちゃん以上に使用率も高かったですし、どちらにしろめでたいものです」


「魔力吸収が改になっているよ。数値があがるとスキルも強くなるんだねっ!」


 トロンは他の子と違って、新規スキルを習得する枠がないけど。

 そこは魔導銃の特徴なのかな。代わりに強化パーツで補完する形だ。


 あとでトロンに頑張ったねと褒めてあげたい。

 とりあえず今は布で磨いてあげる。仲間の成長は嬉しい。


「次に大台に乗るのはエルかな? ☆2.6だし、トロンのあとを追う形で」


「エルエルの場合は、空瓶で大きく目立つ活躍をするのは中々……骨が折れますね。四十人斬りの時のように武器として使うのは、一時的なインパクトはありますが。今となってはトロちゃんに、新戦力の子もいますし。無理に使ってもレアリティが上がるとは考えにくいです」


「……だよねぇ、戦闘用以外のアイテムはどうしても、僕の中だけの活躍で収まっちゃうよね」


 ケルファさんからいただいた短剣を縦に振るう。

 炎が飛び出して進行方向の邪魔な蔓を焼き切ってくれる。

 腕力が弱い僕でも扱いやすい、魔法士向けの近接魔法武器だ。 


 【黒炎龍の短剣】があるのに、無理にエルの活躍の場を作るのは。

 どちらに対しても失礼になってしまう。選択肢が増え贅沢な悩みも増えた。


 現在【星渡りの塔】二十一階。僕たちが探索を開始してから一ヵ月目。 

 熟練パーティで二十階層突破には二ヵ月以上掛かると言われているので。


 進行ペースとしてはおおよそ二倍以上。

 キングオーガを倒してから一気に加速したかな。


 ここから二十五階層まで、しばらく森林地帯の異世界が続く。 

 基本的に魔塔は五階層ごとに異世界の環境が大きく変わっていく。

 出現する魔物もその環境に依存するので、対策もある程度取りやすい。 


 森林地帯は植物系、昆虫系の魔物が多く蔓延るので。

 さっそく新人の子が大活躍だ。最近アイテムすべてが人に見える。


「新人ちゃんばかりが使われて。このままでは他の子たちが、特にアイちゃんが嫉妬しそうですね?」


「仕方ないよ。僕は一人だし腕は二つしかないから。――みんながアイテムに戻ってから二十日は経ったよね。急に声が聞きたくなっちゃった。それまでずっと一緒にいたから」

 

「むむ、ロロアさんは話し相手がライブラ様だけではご不満ですか! ちなみに私様も日に日にアイちゃん成分が薄まって軽傷です。こう……半身を失ったような感じでしょうか?」


「それは重症だよ、ライブラさん!」

 

 二人で寂しさを誤魔化しながら、会話を続ける。

 すると【エリクシルの空瓶】が動き出す。白いシルエットに変化した。

 

「ふあぁ……おはようございます。あるじさま……」


 エルは目元を擦りながら、ぎゅっと僕に抱き着いた。

 腕にかかる銀髪がくすぐったい。ちょっと舌足らずだ。

 

 一度アイテムに戻ると、人でいうところの睡眠状態に入るようで。

 浅い眠りならすぐ目覚めるけど、深い方だと数十日は戻れないんだ。


 ちなみに眠る前に着ていた服はそのままで。裸にはなっていない。


「エルエル、お久しぶりですね。ちょうど貴女の話をしていたところですよ」


「らいぶらさんも、おはようございます。エルのお話ですかぁ?」


 久しぶりの再会に、ライブラさんもエルの肩に座り密着する。


「エル、寝ている間の出来事は覚えている?」


「はい、あるじさまの大活躍を、夢で見ていました。とろんさんもいっぱい活躍していました」


「エルエルに新しい後輩ができましたよ? まだ【擬人化】は発動していませんが」


 【黒炎龍の短剣】を見せる。グリップを握らなければ炎は出ない。

 魔導銃のように使用者の魔力を吸って発動するタイプだ。

 僕の潜在魔力は少ないから、魔力回復薬(マナポーション)は重要だ。


「☆3.5のこくえんりゅうさんですか。エルは……一人だけ☆2.6で、置いてけぼりです」


 エルは悔しそうに下を向いている。やっぱりそこは気になるんだ。


「あらら、エルエルはロロアさんの相棒なのですから。気になさらなくても」


「そこに甘えていたら、いつの日か、隣にすら立てなくなるかもです……」


 エルの空瓶の使い道は、液体を蓄える以外でこれと呼べるものは少ない。

 僕たちですら悩むのだから、本人も悩むのは当然といえば当然で。


 どうにかできないものか――――そうだ。

 まだエルにはたくさんの可能性が残されているじゃないか。


「エル、修行だよ! ☆が3.0になったら新しいスキルが解放されるんだ。これからの道中、忙しいけど今まで通り上を目指しながらたくさん経験を集めよう。一緒に強くなるんだ!」


 エルには不死身の器があるから。安心して見ていられる。

 僕も短剣を上手く扱う練習が必要だし。ここは修行場に最適だ。


「ロロアさん、それが難しいから悩んでいるのでは? 鶏と卵の問題ですよ」


「できる事は色々試そうよ。知名度だけがレアリティに関わると決まった訳じゃないし。頭で考えるから悩むんだ。身体を先に動かせば何とかなるよ!」


「ロロアさんが脳筋思考に……アイちゃんの影響でしょうか。まぁでもデータを集めるというのは賛成です。エルエルの新しい可能性というのも見てみたいものですしね!」


「あるじさま……はい! エルも頑張ります! 頑張って新しいスキルを覚えます!」

お読みいただきありがとうございます!

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