大戦後
今回の主要人物
【宗教都市ゼロ】
さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。
エスター(人間)孤児院出身の宗教都市ゼロ大将。もふもふ同盟。
タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。
ワシ(座敷童)おばあちゃん。
くー(コロボックル)兄妹の兄。
さー(コロボックル)兄妹の妹。最近はエスターに懐いている。
しろ(龍神)普段は白蛇姿。
シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。
ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。
メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。もふもふ同盟。
ちー(マインドラゴン)元ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。普段は人代、犬化をしている。リス獣人達に崇められている存在。ユニコーン隊のリーダー。
バージル(人間)ジョザ村出身の鍛治職人。シナとクボの父。くーを師匠としている。メルツさんと結婚し、ケルン君とフィルちゃんも受け入れる予定。
【ゼフ王国】
ゼフ(人間)タマに生気を抜かれ、しろに醜い姿に呪いをかけられた。
オーサム(人間)大将。ノストラのボス、カークを裏の顔に持つ。タマに記憶を消された。
マノン(人間)少将。元エスターの部下。
【バジ王国】
バジ(人間)バジ王国の王。
ザマ(人間)大将。
ちょっと朝寝坊したけれど、タマさんからの朝ごはんの催促はまだ無い。ちーちゃんも傍でお腹を出して寝ている。ちーちゃんがでべそなのは、秘密にしておこう。
(タマさんの朝が遅いって……珍しいこともあるんだね)
スマホを立ち上げ、ナビさんに挨拶してから、【マップ】アプリを開き、唯一赤い点の人間だったゼフ王が白い点に変わっているのを確認した。
(なんで白い点に変わったんだろう……まぁいいか!平和になったって事だもんね!)
さくらは、バージルさん一家の【神社アプリ】内の【施設設置、撤去】で6LDKの家を建てた。そして、祝福していたけれど、エスターさんとラーレンさんが少し寂しそうに見えたのは気のせいだろうか?きっと近い将来、その二人も結婚してさくら神社から離れていくのだろう。
(あれ? 私の恋愛相手は? どこ?)
ちーちゃんが幸せそうな表情で寝ている。
(しばらくは、ちーちゃんのお姉さん頑張ろう)
そんなことをしていると、おばあちゃんから朝ごはんの催促の声が聞こえた。
(タマさん、体調悪いのかな?)
さくらは、朝までバジ王に夜這いをかけていたとは想像もしていない。
その後、ゼフ王国からも、バジ王国からも宗教都市ゼロにアクションが無いので、シゲさんが偵察してきてくれた。
ゼフ王国は、ノストラが不在になり、大将のオーサムをはじめ、主要なポジションの人間が記憶喪失になって戻ってきた。軍は大将に昇進したマノンがまとめている。
ゼフ王は、一晩で醜い姿になり、国民の前に姿を見せる事はその後無かった。街中では死亡説が出るほどであった。マノン大将が国王代行として王国をまとめている。そして、タス村の独立と宗教都市ゼロの存在を公表していたそうだ。
バジ王国は、帰還した兵は、大将ザマの指揮の元、そのまま王都バジにある王宮に進軍し、バジ王と王女を拘束し、王宮地下牢に幽閉した。愛を信じていた王女は心も壊れてしまったらしい。バジ軍、バジ王国が隠し持っていた食料は、全て国民に配給したそうだ。大将ザマも、ゼフ王国のタス村が独立して宗教都市ゼロになった事、ピーナッツ火山の主のドラゴンが守護についている事を説明し、行方をくらましたらしい。
楽に暮らせる王国の王に興味はあっても、これから待ち受ける困難に立ち向かって行く王には祭り上げられたく無かったのだろう。指導者不在のバジ王国は混乱したままとなり、衰退していく未来しか無さそうだったらしい。
さくらは、どちらの王国とも積極的に国交を結ぶ気は無い。自分達が暮らす街が幸せで楽しければそれだけで良いのだ。ただ、ゼフ王国とは関係を持たなければいけなくなりそうなのかなとも思っていた。鈍感なエスターさんは気が付いていないようだが、マノン大将はエスターさんを女性として見てる気がしている。
(その時は、エスターさんを祝って送り出してあげないといけないね!)
「シゲさん、報告ありがとう!しばらくは、平和な暮らしが出来そうだね」
「そうみてぇだな」
「亡命してくる人が増えそうだね」
「増えるかもしれねぇが、心配いらねぇだろ。ナビに任せておけば大丈夫だ」
「えっ? 丸投げはひどく無いですか? 実際には大丈夫です」突然振られたナビさんが、抵抗を示した。
「これから春になるとリス獣人さん達も出産ラッシュになって、氏子も増えるから、さくら神社は今より賑やかになるね。元の世界の活気があった頃の神社に戻ったかな」
「それ以上になっているんじゃねぇかぁ」とシゲさんは、自分の事のように嬉しそうに話してる。
縁側の向こうでは、今年も大きな桜の木に蕾がつき始める頃になってきた。
さくら神社の軒下では、しろさんがのんびりとみんなを見守っていた。
深闇の森は、ゼフ王国とバジ王国の国民同士との妬みや嫉妬が無くなり、瘴気もおさまりつつあり、深緑の森に変わりつつあった。
さくらは【マップ】アプリを見ていた。グーっとマップを縮小すると、海の向こうに大陸があった。
(今は、何も考えないでおこう!他の大陸から攻めてこられても、今回と同じように防衛できるように準備だけはしておかないとね!この島はガラパゴスのままでいいの!)
さくらは、健康的な体と、ほのぼのと生活できる環境を手に入れることが出来、元の世界から大好きだった、タマさん、おばあちゃん、シゲさん、くーちゃん、こっちの世界で一緒に切らすことになった、さーちゃん、エスターさん、ちーちゃん、ラーレンさんと楽しく笑いの絶えない生活が出来ればそれ以外は……美味しい料理と最新ゲームと漫画本さえ有れば良い!
さくらは、今幸せなのだから。
初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。
タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してくださり、感謝しています。
ついに完結しました。
皆さんの応援が励みになり、一日二回更新をしてみました。
今週は、今までの見直しと次の作品準備をしようと思います。
次の作品は、さくらと同じ世界に転生した人のお話です。
ドラゴンボールにペンギン村が出てきたような事をしてみたいですね!