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大戦⑤

今回の主要人物


【宗教都市ゼロ】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。

しろ(龍神)普段は白蛇姿。

タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。

シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。

ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。

イスト(リス獣人)代表。

エリ(リス獣人)副代表。

アレル(人間)戦士。

カメア(人間)回復士。

ラーレン(人間)孤児出身者。


【ゼフ王国】

オーサム(人間)大将。ノストラのボス、カークを裏の顔に持つ。

マノン(人間)少将。元エスターの部下。

スキアー(人間)少将。ノストラの一員。

シューマ(人間)宗教都市ゼロに亡命しスパイ活動をしようとしたが失敗。

 バジ王国からの攻撃があった初日以降は何もなかった。宗教都市ゼロは、警戒だけは怠っていなかった。【マップ】アプリでチェックはしていたが、近づいて来るのはモンスターのみであった。


 三日経過した今日、ゼフ王国に動きがあった。街道に点が複数宗教都市ゼロに近付いてきている。赤い点だけでなく白い点も有る。マノン、スキアーだけではく、シューマ……ついに初めて対面するカークの名前も表示されていた。いよいよオーサム大将が動いたようだ。


 さくらは、宗教都市ゼロの入り口にある鳥居脇に【狛犬(加護付き矢)】四台設置した。


「宗教都市ゼロ 大戦作戦本部」に主要メンバーが集まり、さくらが配置を説明する。

「今回も本部に待機して、ゼフ王国、バジ王国の動向確認をするのは、シゲさんをリーダーに、くーちゃんとさーちゃんが補佐。お願いね!」

「さくらちゃん、今回は無理するなよ。偽物は用意していないんだろ」

「うん、偽物用意していないから、命大切にするよ!」


「続いて、【狛犬(加護付きオリハルコン矢)】は、メルツさん、ラーレンさん、ケルン君、フィルちゃん。今回は、人間に向ける矢になるから、気をつけてね!」四人とも真剣な表情で頷く。


「ちーちゃんは、ユニコーン隊と一緒に待機ね。必要があれば、ユニコーン隊を指揮してね」

「アタイに任せるのだ!」


「タマさんをリーダーに女性陣は炊き出しお願いします」

「まかされたぞえ」


「私とエスターさん、アレルさん、カメアさんは、入り口の鳥居で対応。エスターさんとアレルさんはクロスボウも装備してください。カメアさんは回復に専念をお願いします」一番危険な場所になるが、エスターさん以外の二人も引き受けてくれた。


「他の人は、大戦作戦本部に待機していてください。」




 入り口の鳥居に移動した四人。目の前には、軍馬が数少なくなってしまったからであろう、精鋭で揃えたように見えるゼフ王国軍が止まって、視察で面識のあるマノンとスキアーが近付いて来る。【マップ】アプリを見ると、スキアーだけでなく、マノンまで赤い点になっていた。

(エスターさん、元部下と対峙しなければいけなくなっちゃったね。大丈夫かな…)


 さくらも歩み寄り、「大戦の任、ご苦労様です。宗教都市ゼロは中立を取ります。バジ王国に向かわれるのであれば、そのままお通り下さい。」と案内する。

「間抜けな代表だな!バジ王国との大戦前に、宗教都市ゼロを殲滅して準備運動代わりにしてくれるわ!」と言って、スキアーは剣を抜いて歩み寄って来る。


 エスターさんが、クロスボウでスキアーの剣を撃ち抜いた。加護付き矢はそのまま後方にいる兵を数人貫通していったようだ。痛みに声を上げるスキアーは後方に逃げて行く。残ったマノンに向けて後方に居るゼフ王国軍に聞こえるように言う。

「いつまでもゼフ王国は、ノストラに騙されて、駒として使われているのですか?大将だったエスターさんの教えはもう忘れてしまわれたのですか?」


 マノンは悩む表情をしながらエスターさんの方を見る。エスターさんのクロスボウは、マノンに向けられている。マノンは後方で待機するゼフ王国軍に戻っていった。それと同時に、ゼフ王国軍の騎馬隊が進み始める。さくらは手を上げた。それを合図に、【狛犬(加護付きオリハルコン矢)】は馬の足元目掛けて威嚇射撃する。馬は急に止まり、多くの兵は落馬した。その隙にさくらは鳥居の内側まで戻った。


 馬を後方に下がらせたゼフ王国軍は、リス獣人を磔にした列を前に設置してゆっくり近寄って来る。

(嫌な予感はこれだったののね…)


 どう手を打つべきか、さくらは悩んでいた。リス獣人には罪は無い。しかし矢を撃てば……タダでは済まない……


 ゼフ王国軍の方からは、「我は大将のオーサム。リス獣人を解放してほしくば、さくら代表とエスターの首を差し出せ!」

(あれがノストラのボスなのね。いかにも悪代官面しているもんね……でもどうしたら……)


 その時、イストさんとエリさんが駆けてきた。リス獣人エリアから距離が有るのだが、全力で駆けて来たのだろう。その姿を見た何人かの磔にされているリス獣人が、「お母さん!! 怖いよ! 助けて!」と号泣しながら叫んでいる。

(ちーちゃんへの生贄として、自分の子供を優先して差し出していたんだね。こんな再開になって胸が張り裂けそうだよ)


 イストさんとエリさんからは、予想外の提案をされた。

「早くあの子達を楽にしてあげてください。私達が耐えれば、宗教都市ゼロは助かります。早く決断してください」と涙ながらに訴えてる。

(そんな……)


「そこに母親がいるんだろう」と言って、オーサムは、母親に助けを求めるリス獣人の足に剣を突き刺した。

「ぎゃぁぁぁ! 痛いよう! 早く抜いて!」と助けを懇願するリス獣人の足に剣を刺したまま、グリグリとする。この世のものとは思えない悲痛な叫び声になる。イストさんとエリさんは、「早く痛さから解放してあげてください」と号泣して懇願してくる。


 悩んでいる足元にしろさんがするりと近寄って来て「あれは人間では無いぞ。人の皮を被った鬼畜じゃ。鬼畜を駆除するのはさくら神社の使命なのだぞ」とさくらに忠告した。


 さくらはスマホを手にして、ナビさんに「リス獣人と勧誘可能なゼフ王国軍兵に氏子勧誘して!」と依頼した。

「わかりました。完了しました。リス獣人は全員氏子になりました。少数のゼフ王国軍兵も氏子になりました」一瞬で氏子登録をしたようだ。さすが最新AIの処理能力。


 さくらは【狛犬(加護付きオリハルコン矢)】に一斉射撃を命じた。青白い光を残した矢が一斉にゼフ王国軍に飛んで行く。リス獣人には矢が貫通せず、当たっても足元にポロリと落ちる。


 オーサムにも数本矢が貫通し倒れるが、四つん這いになって後方に逃げていく。きっとヒールの届く位置になったのだろう。立ち上がって走って後方に走って行く。


 しろさんは、剣を足に刺されたリス獣人の足に噛みついた。瞬時に足の傷が治る。


 さくらは、くーちゃんとさーちゃんにリス獣人の救出を依頼する。雪原の下は草むら。自由に出入り出来る場所なのだ。磔にされていた台だけ残り、壁代わりにされていたリス獣人は全員助け出すことに成功した。


「イストさん、エリさん、助けたリス獣人の解放お願いしますね」

「「さくらさん、ありがとうございます。この御恩は忘れません」」と言って、大戦作戦本部の方に駆けて行った。

(自分の娘なのに、以前ゼフ王国から助け出さなくていいと言っていたのは……辛かった選択だったんだよね。再会出来てよかった)


 まだ宗教都市ゼロとゼフ王国との戦いは始まったばかりである。

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


ついに大戦が始まりました!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひブックマーク、評価(下部の☆☆☆☆☆)にて、後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


次話は大戦の続きです。

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