大戦④
今回の主要人物
【宗教都市ゼロ】
さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。
タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。
シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。
ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。
デリエ(人間)ジョザ村の元村長。
カメア(人間)回復士。
大戦に関わった住民が「宗教都市ゼロ 大戦作戦本部」に集まって居た。
反省会を兼ねた夕食で有る。タマさんをリーダーにした炊き出し班が夕食も用意してくれていた。
メニューは、
・シーフードクリームシチュー
・バターロール
と簡単だが、この寒い季節体があったまり、ホッとリラックス出来る料理である。
さくらは、「大戦初日お疲れ様でした。一部の人にしか話して居なかったけど……首刎ねられて、びっくりさせてしまいごめんなさい。でも、皆さんのおかげでバジ王国軍から守り抜くことが出来ました。私達の街もバジ王国軍も死者は出て居ないので、今日は大成功です。これも皆さんのおかげです。さぁ美味しそうなシチューが冷めないうちに頂きましょう!いただきまーす!」
「「いただきまーす」」
さくらは、先ずエスターさんの所に行った。
「エスターさん、びっくりさせてごめんね」
「さくら殿、本当にそうだぞ!目の前で転生者の死を二回も見たと思って我を忘れてしまった」
「でも、違和感は感じてたよね。気が付かれた時は、誤魔化すのに必死だったんだよ。それでもエスターさんが飛び出すだろうと思って、さーちゃんにお願いしていて良かった」
「それは……まだ未熟ですまなかった……」
「ううん、そのおかげでバジ王国軍が一気に進軍してくれたんだもん。ありがとう!」と言って、さくらは次のねぎらいに向かった。
旧ジョザ村グループの座っている場所に来たさくらは、「【狛犬(空気砲)】お疲れ様でした!」
「ゴブリンより狙いやすくて、ちょろかったよ」
「安全な場所からだったから、こんな戦があるなんて不思議な感じだったな」
「俺達を見捨てた奴らに仕返し出来てスーッとしたぜ!」
と皆興奮気味に言ってくる。
「私も、元村長として、言いたいことを言えたのでスッキリ出来ました」とデリエさんも興奮気味に言ってきた。
(辛い思いをして亡命してきたんだもんね)
「私を褒めてくれる話をしていて、照れてむず痒かったですよ」
「本当のことですから、良いではないですか」
(デリエさんの気持ちがストレートで嬉しかったよ。ありがとう)
「今は興奮していても、一日中気を張り詰めていて疲れが有るでしょうから、今晩はゆっくり休んでくださいね。まだ1日が終わっただけですから」
「「明日も任してくれ!」」皆、元気だった。
次は、カメアさんの所に行き、「一日中ヒールお疲れ様でした。ご利益のあるお水足りました?」
「一日でこんなに多くの人にヒールしたのは初めてです。でも思ったほど疲れていないんですよね。不思議です」
「もしかしたら、神社の敷地内で加護があったのかもしれないですね。一番大変なポジションをやり切ってくれてありがとうございます」
「そんな……さくらさんにそこまで言われちゃうと、また頑張ろうと思っちゃうじゃないですか!今日はダンジョンクリアしたより達成感が有ります。ドラゴンに守られてパーティー組んでたようなものですもの。こんな経験はきっと一生に一度です」
「ちーちゃん暴走しませんでした?」
「立派に脅してましたよ。恐怖の対象としてのドラゴンを演じ切ってましたよ」
「それは褒めてあげないとですね、ちーちゃんの所に行ってきます。お疲れ様でした」
「さくらさんもお疲れ様でした」
さくらは、ちーちゃんを探すが見当たらなかった。
【マップ】アプリを見ると、厩舎に居るようだ。
「食べ終わったら各自ゆっくり休んでくださいね!」と言って、さくらは、厩舎に急いで行く。
厩舎を覗くと、ちーちゃんがユニコーン装備を外した馬達に、リンゴやニンジンを手渡しで食べさせていた。
「今日は、耳をふさげないのに、大きい声出してごめんなのだ。アタイが出来るのは、美味しい食べ物をこっそり食べさせてあげることぐらいしか出来ないのだ。許して欲しいのだ」
馬達は、餌を食べながら、顔をちーちゃんの体にすりすりしている。絆は強いんだね。
さくらは、「ちーちゃん、ここに居たんだね美味しいシチュー冷めちゃうよ」と話しかける。
「アタイは後でご主人様にいっぱい褒めてもらうから、その前に、馬っころをアタイが褒めてあげるのだ」
(人間が好きで寂しがり屋だったのに、馬にも情が移っちゃって……ちーちゃんは優しいね」
さくらも馬をねぎらいながら、餌を手渡しで食べさせてあげた。
その後、「宗教都市ゼロ 大戦作戦本部」に戻り、ちーちゃんとクリームシチューを食べ、シゲさんと明日の打ち合わせをして部屋に戻る。
「ちーちゃんお疲れ様。練習の成果はどうだった?」
「何で練習のこと知っているのだ!こっそり隠れてやっていたのだぞ!」
「私もこっそり覗いていたもーん」
「ご主人様、ずるいのだ!」
「それで、実際やってみてどうだったの?」さくらは話を切り替えた。
「アタイは、少しずつの人が流れ落ちて来ると思っていたんだ。でも最初は団体で落ちててきて、どうしていいのかわからなくなってしまったのだ。でもナビがフォローしてくれたので、助かったのだ。」
さくらはスマホの電気を入れ、ナビさんに、「フォローしてくれてありがとう」と伝えた。
「あれは私も想定外でした。さくらさんが首刎ねられて相手の士気が一気に上がって駆け込んできたのが原因です」
(えっ……私のせい?)
「私だって、憑依とはいえ、首切られて怖かったんだからね!もっとホラー的に生首のまま喋ろうか悩んだけど、リアリティー無くなっちゃうから、直ぐに憑依外しちゃった。私は練習の成果出てたと思う!」
「話を聞いてなかったエスターさんは、びっくりしたでしょうね」
「う、うん……明日、もう一回フォローしておくよ」
「ちーちゃん、その後は、上手く脅せた?」
「くーかー……すぴー……」
「あら、もう寝ちゃってる。私もまだ初日だから、早く休む事にするね!ナビさんお休みなさい」
「お休みなさい」
大戦一日目が無事終わった。
初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。
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ついに大戦が始まりました!
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次話は大戦の続きです。