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完成した矢とクロスボウ

今回の主要人物


【宗教都市ゼロ】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。

タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。

ワシ(座敷童)ドラマ好きのおばあちゃん。

くー(コロボックル)兄妹の兄。森の中を瞬時に移動が出来る。

さー(コロボックル)兄妹の妹。最近はエスターに懐いている。

エスター(人間)孤児院出身の宗教都市ゼロ大将。もふもふ同盟。

ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。

ちー(マインドラゴン)元ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。普段は人代、犬化をしている。リス獣人達に崇められている存在。ユニコーン隊のリーダー

イスト(リス獣人)代表。

エリ(リス獣人)副代表。

バージル(人間)ジョザ村出身の鍛治職人。シナとクボの父。くーを師匠としている。

 雪を踏みしめて、さくらは獣人エリアに来た。

そこには初めて見るログハウスが複数棟建っていた。

(言ってくれれば、【神社アプリ】内の【施設設置、撤去】で作ったのに)


 さくらはイストさんを探して何人かの獣人に聞いて、一棟のログハウスにたどり着いた。

ノックをすると、エリさんが出迎えてくれた。イストさんが居る部屋に案内してもらい

「イストさん、こんにちは! お願いしていた矢と弓どう?」

「どんどん完成しています。弓ではなく操作しやすいクロスボウにしてみましたが、どうでしょう」


 早速さくらは試し撃ちをしてみる。「スパン!」的にした板を簡単に割って、壁をも貫通して外に飛んでいった。慌てて外に行き、誰かに矢が当たっていないか確認したが大丈夫だった。氏子には刺さらないはずだけど、万が一を考えるとドキッとしてしまった。


 さくらは、ログハウスに戻り、壁に空いた穴をイストさんに謝る。

「こんなの簡単に治せますよ」と言って、矢の素材にするの整形した棒よりちょっとだけ太い棒を持ってきて、空いてしまった穴に刺し、壁に沿って切り落とした。切り落とすのもノコギリではなく、白く光る刃の鎌だった。

 

 よく見ると、同じく修正した穴がいくつもあった。

(私だけじゃなかったんだ。よかった)


「クロスボウの威力はバッチリだけど、その鎌もすごそうだね」

「はい。バージルさんに相談したら、作ってくれました。おかげで矢だけじゃなくログハウスも簡単に出来ちゃいました。力を入れる必要なく、木がスパスパ切れちゃうんですもの。それに間違って手に当たっても怪我しない優れ物です」


 さくらはスマホの中のナビさんに質問した。

「ナビさん、【神社ディフェンス】の【狛犬(弓)】にオリハルコン矢尻の矢をセットすることって可能なの?」

「可能です」

(ボウガンは威嚇用で、どうしても攻撃しなければいけない時は【狛犬(矢)】に白い矢尻の矢をセットした物を使おう)


「イストさん、ボウガン本体は5つあれば大丈夫。あとは矢をいっぱい作ってもらえるかな?」

「はい、任せて下さい。寒くて外に出れないので、屋内で出来る作業は楽しいです」

「ありがとう! 大戦が無事終わったら、みんなでお祭りしないとだね!」

「楽しみですね」


 さくらは、練習用としてクロスボウ一つと矢を三本借りて、さくら神社に戻った。




 さくらは、居間でみんなが見ている中、クロスボウの実演をしてみせた。

今回も的を貫通して矢の推進が落ちるまで飛んでいった。

「さくら殿、その威力は……恐怖を感じるほどですな」

「う、うん……実際は出番が無ければいいんだけどね。実際は威嚇用かな。ナビさんに聞いたら、【狛犬(矢)】にもセットできるって言うから、どうしても攻撃しなければって時は、【狛犬(矢)】を使おうと思う」

「どうしてもって時には、【狛犬(矢)】の方が、離れた場所から操作できる分、安全になるな」エスターさんは緊急時のことをシミュレーションしているようだった。


「これだけ用意してあれば、万が一の時でも、この街は守れると思うけど、エスターさんどう思う?」

「ちーちゃんさんやユニコーン隊の過剰戦力を使わなくても、このクロスボウだけで、ゼフ王国もバジ王国も落とせる武器なんじゃないかな……」

「よかった」


「あとは、その日が来るまで普通の生活していて問題無さそうだね。実際に大戦の始まる日は、いつなのか知らないけどね……私が巻き込まれる日はタマさんの占いで、私のマイナスレベル表示を見れば確認できるけど、住人には前日まで言わないことにする。怖い日を指折り数える生活なんて楽しくないもん! 恐怖に押しつぶされそうなカウントダウンを確認するのは、私一人で十分!」

「さくら殿はこの一年で堂々とされるようになりましたな」

「エスターさん、突然どうしたの? 本当は足だって震えるくらい怖いけど、さくら神社の代表として、この街を守るためには、私がしっかりしていないと、みんなは不安になっちゃうでしょ。平和な楽しい日常を守るためには、踏ん張らないとね!」


「さくら、おばあちゃんも居るから安心おし」

「わらわもおるから大丈夫ぞえ!」

「ありがとう、おばあちゃん、タマさん!」

(元々は、私とおばあちゃんとタマさんの三人で生活していた神社……島だったのに、今では多くの氏子が居るさくら神社になったんだなぁ)


 外では、くーちゃん、さーちゃん、ちーちゃんが雪だるまをお地蔵さんのように作って並べていた。

(笠かけ地蔵みたいだね……せっかくだし、編み笠被せちゃおうか)


 さくらは、スマホの【スグクル】から編み笠とキャンドルをお取り寄せした。


 雪だるまにか編み笠をかけて笠かけ地蔵風にした。

 続いてバケツに雪を詰めて固めてから、裏返しにしてバケツから固めた雪を出して適度に穴を開けて小さなカマクラにし、その中にキャンドルを灯した。


 幻想的な灯りに目を奪われたちーちゃん達は、カマクラキャンドルを量産していき……一面が幻想的な風景になった。

(この世界では、こんな生活が続けたいって贅沢なのかな……)


【さくらが大戦に巻き込まれるまで、残り20日】

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひブックマーク、評価(下部の☆☆☆☆☆)にて、後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


次話は、いよいよ大戦に巻き込まれる前日のお話です。

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「さくら神社防衛戦争」
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