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ゼフ王、バジ王の思わく

【ゼフ王国】

ゼフ(人間)国王

オーサム(人間)大将。裏の顔は、ノストラのボス。


【バジ王国】

バジ(人間)国王。

オスロ(人間)オスロ商会代表。裏の顔はノストラの一員。

 ゼフ王に呼ばれて、オーサムはゼフ王の部屋に居た。さくらからの独立宣言の旨の手紙をゼフ王から見せられていた。


「オーサムよ、この生意気な手紙を見てどう思う?」

ゼフ王は、オーサムに考えを聞いた。ゼフ王は【軍師のペンダント】をしているオーサムに頼りっきりだった。


 しかし、オーサムはどう対応すればいいか悩んでいた。ゼフ王から見せられた手紙は、オーサムも見た手紙と内容は全く一緒だった。自分のところにも同じ手紙が来たことを言うべきか、もしくはゼフ王の所には、ノストラについて書かれた別の手紙も届いていて、反応を試されているのではないのか。


 厳しい表情を浮かべて、オーサムはどう答えるか悩んでいた。

(ここまで、うまくやって来れた。ここで間違った対応をしたら、全てを失ってしまう…)


 思いもよらない助け舟がゼフ王の口から出た。

「呆れて言葉も出ないだろう。前の異世界からの転生者だった勇者を死なせてしまった無能なエスターが居るだけで、なんの戦力も国力も無い無能の集団が、反旗を翻して独立するだと言うておる。」

(隠し事ができる能力もなく、操りやすい単純な王だ。これは同じ手紙しか持っていないはず!)


「陛下のおっしゃる通りです。身の程知らずとはこのことを言うのでしょう。早速鎮圧の手配をいたします。」

オーサムはホッとして、対策を進言した。


「無能の集団などかまんでおけ!先ずはピーナッツ火山から降りてくるモンスターの対応が先じゃ。対空用のバリスタを城壁に装備させ、冒険者ギルドに討伐依頼を出すように手配しろ」

「モンスターの対策は、お言葉通りに手配させていただきます。ただ、宗教都市ゼロをそのままにすると、我が領地内で謀反が起きそのままにしておくと、ゼフ王国の名に傷が付くのではないでしょうか?」

「国の名に傷が付くなど構わん、中立を貫くとは言え、バジ王国との間に有る土地だ、大戦時の足止めくらいになってもらえるなら、タス村のままでいるより援助を求められるよりマシだ。むしろゼフ王国にはありがたい話だ!」

(それでは、ノストラとして困るのだ…オスロとのやり取りが…)


「万が一、バジ王国と宗教都市ゼロが手を組んでしまったら、脅威になるのでは?」

「魔族が人間と交渉して手を組むだと?ありえん話だろう。魔族が人間を怨む感情を知らない訳ではなかろう」

「ですが、対戦前に危険な要素を排除しないことには…」

「わかった、大将のオーサムがそこまで言うのであれば、宗教都市ゼロの鎮圧を許可する」

「殿下、ありがとうございます」

「ただし、ピーナッツ火山からのモンスター退治が全て終わってからにしろ。今のままでは枕を高くして寝れんのだ」

「……」

「不服か?早くモンスター対策をしてくれ!」

「…御意」

(異世界からの転生者め…このタイミングで手を打ってくると言うことは、以前から全て知られていたに違いない…)


 オーサムは、慣れていないモンスターからの防衛対策に追われる日々になる。




 同じ頃、場所は変わりバジ王の部屋。

 バジ王に呼ばれて、オスロはバジ王に呼ばれて居た。さくらからの独立宣言の旨の手紙、ジョザ村からの手紙をバジ王から見せられていた。

(これでは食料がゼフ王国から持ち込めないではないか…)


「殿下、ゼフ王国との街道が占拠されると、食料が輸送出来ない状況になってしまいます」

「何故だ?ゼフ王国は攻撃をして敵対したが、オスロ商会は宗教都市ゼロとは敵対しておらんだろ?通行税くらい取られるかもしれないが、それくらいはバジ王国が負担する。今まで通り食料の流通は頼むぞ。それより、ジョザ村の方が深刻だ」

「何故でしょうか?」

「ジョザ村でしかオリハルコンをインゴッドにしたり武器や防具に加工する技術を持っておらん。ピーナッツ火山の採掘場所もジョザ村の村民しか知らぬ」

「全ての素材より硬く、魔法を通しやすいオリハルコンが手に入らないのでしょうか…」

「その通りじゃ」

(オリハルコンを自由に商いするために、バジ王国に入り込んだのに…もう意味が無いではないか…)


「今までのオスロ商会の功績を信頼している。オスロ、お前は今からバジ王国の幹部に迎え入れ、対戦に向けて活躍してもらう。この魔法書にサインさえすれば、正式に幹部の一員だ」

と言い、バジ王からペンを渡される。入り口、バジ王の両脇には護衛が付いている。まさに踏み絵状態。


「殿下、私などまだまだ末席に置いてもらうにも、おこがましい存在です。きちんとした功績を挙げてからサインをさせていただきたいかと存じます」


 オスロは、居る意味のないバジ王国を一刻も早く逃げ出し、カークの元にオリハルコンの現状を伝えたかった。しかし、バジ王は逃さなかった。


「我の命令に従えないと言うのか?対戦前に信頼出来る者で固めておきたいのだ。サインするか、今ここで首を切られるか、好きな方を選ぶがよい」


 オスロは、安全のため高額な魔道具を持っていた。一度しか使えないが、ノストラのアジトに一瞬で転移出来る魔族道具を。もう、この国に見切りをつけ、部下を見捨てて、自分だけでも戻ろうと、オスロは、転移の魔道具を使った。その瞬間、オスロの体は光に包まれ…ノストラのアジトに移動しているはずだった。しかし、体の光が消えても、オスロは同じ部屋に居たままだった。


「この部屋には、魔法を使えない結果が張ってある。今の行動はなんだったんだ?転移の魔法で逃亡しようとしていたのではないか?」

「……」

その場でオスロはバジ王に切り捨てられた。バジ王国の軍によって、オスロ商会の者も全て切り捨てられ、食料や金品は全てバジ王国に回収された。その中には、さくらからの手紙も含まれていた。




バジ王は、オスロ商会鎮圧の報告を受け、考えていた。

(オスロの手元にも宗教都市ゼロの独立宣言の手紙が有ったってことは、ノストラの一味だったか…深く入り込まれる前に阻止出来たのは良かったが、また我が国は食料難になり、オリハルコンというゼフ王国から優位に立てるカードまで失った。今となっては、小さな村如きにメティオストライクを使った事が悔やまれる…)


【さくらが大戦に巻き込まれるまで、まで残り170日】


初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

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次話は宗教都市ゼロのお話です。

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『ブラック企業の次は零細ギルドでした』
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[一言] 無能の集団などかまんでおけ! 『かまんでおけ』は誤字ですかね…?どこかの方言なのかな…?
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