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独立宣言の手紙を受け取った4名

今回の主要人物


【宗教都市ゼロ】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。宗教都市ゼロ代表兼さくら神社神主。もふもふ同盟。主人公。

くー(コロボックル)兄妹の兄。草むらや森の中を瞬時に移動出来る。

シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。その場にいても、居ないように認識させる事が出来る。

デリエ(人間)元ジョザ村の村長。


【ゼフ王国】

ゼフ(人間)国王

オーサム(人間)大将。裏の顔は、ノストラのボス。


【バジ王国】

バジ(人間)国王。

オスロ(人間)オスロ商会代表。裏の顔はノストラの一員。

 くーに移動を頼み、シゲは最初にゼフ王国の王宮に入り、ゼフ王の机に手紙を置いた。

ゼフ王の元には、ピーナッツ火山から降りてくるワイバーンの被害状況を伝える軽症の兵が出入りしていた。兵は疲労しているように見える。


「大戦前に、なぜモンスターの襲撃が多く起きてる…これも異世界からの転生者が無能だったせいだ!そうに違いない!」

と、全ての責任をさくらちゃんに押し付けるような独り言を、ゼフ王はしていた。ゼフ王は、今でもぷくぷく太ったままの体型なので、兵は疲労しているが、ゼフ王はいい物を食べているのだろう。


 続いて、オーサム大将の机に手紙を置いた。今回もオーサム大将は自室に姿が無かった。ワイバーンの対応の指揮に忙しいのだろう。


 最後にシゲは、ゼフ王都の街中を見てみた。以前より物価は上がっており、窓を閉めている家が多い。

街中で世間話をしている井戸端会議は見られなかった。


 シゲは、適当に一軒の家に入り込み、台所にいた女性に話しかける。

「最近は外で立ち話しねぇのかい?」

「いつモンスターが襲ってくるかわからないのに、外になんか出てられるかい!ワイバーンなんて、一気に急降下して人間を捕まえて飛んでいくんだよ!怖くて外なんか出てられないよ!」

「ゼフ王国の軍だって守ってくれるんじゃねえのかい?」

「今まで空からの攻撃なんて無かったから、モンスター出来なくて、冒険者ギルドに依頼し魔法使い頼みらしいよ。エスター大将が居たらこんな事にはならなかったかもしれないのにねぇ」


 シゲは、くーにお願いし、ゼフ王国からバジ王国に移動した。


 最初は、バジ王の机に手紙を置いた。王の部屋には、バジ王以外に幹部らしき者も居た。

食料難問題が解決し、ヒク村の報復をタス村に行い、国民の士気を上げることに成功したバジ王は、次に軍の装備充実を指示していた。そこに、急ぎの手紙が届いた。


 シゲは、バジ王が見ている手紙を覗き込むと…

「度重なる支援要求に無視を貫かれ、ジョザ村はピーナッツ火山からのモンスターに襲われ、壊滅しました。馬車で2日の距離である都市ギルの平和な状況を目の当たりににして、バジ王国から見捨てられたと判断しました。ジョザ村の生き残った村民は、ゼフ王国に亡命します。 ジョザ村 村長デリエ」


「これでは、オリハルコンの装備が…」

と計画が崩れてしまったバジ王は、つぶやき頭を抱えた。


 シゲは、次にオスロ商会のオスロの部屋の机に手紙を置いた。

オスロは、食料の配給計画を立てていた。これからは、ゼフ王国からは届かない食料の分配を計画しているのである。


 バジ王国でも、シゲは最後に王都を見てまわった。

食料も普通に販売され、住民も普通に生活できるように戻っていた。

(短い期間で、ゼフ王国とバジ王国の国内状況が逆転しちまったなぁ。)


草むらに入ったシゲは、

「くー!さくら神社まで頼む!」

「シゲ!待ってたよ!」

くーに手を引かれて、シゲはさくら神社に戻った。




 机の上の手紙に気が付き、中身を読んだゼフ王は、手紙を握りつぶした。

(外れの異世界からの転生者の分際で、ゼフ王国に反旗を翻すだと…小賢しい!モンスターの襲撃が無ければ直ぐに鎮圧させるが、深闇の森に挟まれ産業も無い場所を占拠されたところで、放って置いても問題ないだろう。報告では、女性7人しか居ない村など、いつでも抑え込める…それよりモンスターの襲撃をどうすれば…オーサム大将に任せているが、早くなんとかして欲しいものだ)




 机の上の手紙に気が付き、中身を読んだオーサム大将は、顔を青ざめていた。

(なぜこの部屋に侵入出来る者がいるんだ…最善の注意を払って、異世界からの転生者とは一切接していなかったはずなのに…奴らは、どこまで知っているんだ…。ゼフ王国とバジ王国を結ぶ唯一の街道を占拠されたら、オスロへ食料を輸送できないではないか…急いで鎮圧せねばならない!)




 机の上の手紙に気が付き、中身を読んバジ王は、更に頭を抱えた。

(さっきまで手紙などなかった。いつの間に置かれたんだ…タス村へメティオストライクを放った翌日に手紙が届くとは、大きな損害がなかったとでも言うのか…。タス村が独立したのだ、少しはゼフ王国の戦力を落とすことは出来ただろう。ただ、ジョザ村に続いて、また悩みが増えたではないか…本当に中立なのか?昨日の報復してくる可能性はあるんじゃないか?)




 机の上の手紙に気が付き、中身を読んだオスロは、持っていたペンを落とした。

(ゼフ王国とバジ王国の街道を占拠されたら、食料の補給ができないではないか…。ノストラの名前も出てるってことは、我々の動きも知っていての事だろう。カーク様と分断されてしまって、どうすればいいのだ…)




 ゼフ王は楽観視、バジ王は報復攻撃に怯え、ノストラは動き出した計画が妨害された事、どこまで知られているのか不安になった。




 シゲさんがさくら神社に戻ると、まだ居間にはさくら達が戻っていなかったので、リス獣人エリアの公民館に戻った。まだ会議に参加した人達が全員残っていた。


「シゲさんお帰りなさい!ゼフ王国とバジ王国、どうだった?」

「ほんのちょっと前と状況が逆転してたなぁ。ゼフ王国はピーナッツ火山からのモンスターに怯え、国民は家に篭り、バジ王国は普通の生活に戻ってた。不思議なもんだなぁ。そうだ、ちょうどデリエさんの手紙が届いて、バジ王は頭を抱えておったぞ。これからゼフ王国とバジ王国は国力を削られていくに違いねぇなぁ」

「私達は、ノストラに警戒するくらいで、今まで通りの生活しましょ!」



初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひブックマーク、評価(下部の☆☆☆☆☆)にて、後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


次話はゼフ王とオーサム大将の独立した宗教都市ゼロについての対応宗教都市ゼロのお話です。

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