ゼフ王国からの隕石被害確認
今回の主要人物
【さくら神社】
さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。もふもふ同盟。主人公。
エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。もふもふ同盟。
ワシ(座敷童)ドラマ好きのおばあちゃん。
シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。
ちー(マインドラゴン)元ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。普段は人代、犬化をしている。リス獣人達に崇められている存在。
【リス獣人】
エリ(リス獣人)副代表。
【ゼフ王国】
マノン(人間)少将。元エスターの部下。
スキアー(人間)少将。ノストラの一員。
夏の日差しが暑く、少し汗ばんでいるが、まだ寝足りないさくらのスマホに、警戒アラームが鳴った。
(まだ眠いのに…なに?)
マップを見ると、赤い点と白い点が早いスピードでタス村目指して移動している。
新しい機能でマップの人物を表す点に、一度会ったことのある人は名前も表示させることができるようにバージョンアップしていた。マノンとスキアーと表示されている。
(流星攻撃の被害状況の視察だよね…)
さくらは、ヨダレを豪快に垂らして熟睡している昨日のヒロインのちーちゃんをベッドに残して、居間に向かった。おばあちゃんとシゲさんは、もう起きて居間に居た。
「大変だよ!早いスピードでゼフ王国からの視察がタス村に近づいて居るの!シゲさんどうしよう!」
「昨日直ぐに視察に来て、ジョザ村からの亡命者達を見られなくてよかったじゃねぇか。朝の参拝に来ているリス獣人達に言って、ジョザ村の人達は家から出ないように伝えてもらうべきだな」
「そうだね!直ぐに声かけてくる」
さくらは、朝の参拝しているリス獣人達の中に、副代表のエリさんが居るのを見つけた。
「エリさーん!おはようございます!」
「さくら領主様、おはようございます。今日も暑くなりそうですね」
きっと、もふもふの毛で人間より熱がこもるだろう。
「エリさん、お願いがあるんだけど…もうすぐゼフ王国からの視察が来そうなの。ジョザ村の人達とリス獣人達は、さくら神社裏のエリアから許可出るまで隠れててもらえるよう、至急対応してもらえるかな?」
「わかりました!」
直ぐにエリさんは、音のしない指笛を吹いた。すると、リス獣人達が一気にさくら神社裏に戻って行く。
人間の耳には聞こえないリス獣人独自の危険信号警報なのだろう。
「緊急事態だから、今日は参拝できなくてもOKだからね!」
「わかりました」
「念のため、ジョザ村の人達は家から出ないように伝えてね」
「わかりました」
居間に戻ったさくらは、エスターさんを起こしてタス村入り口で待機した。
その間にシゲさんは、領主の建物の応接室にスマホを録画状態にして隠し撮りをセットしておいた。
二頭の馬が砂埃を上げて近づいてくる。マノンとスキアーで間違いない。
「さくら領主、出迎えご苦労」
「朝早くから、マノン少将殿、スキアー少将殿、ご苦労様でございます」
(なぜ出迎えている…事前に通達も出していないのに、なぜ来るのが事前に知っていたんだ…)
スキアー少将は頭の中で異世界からの転生者を警戒していた。
エスターさんが先導して、領主の建物の応接室に案内する。
「昨日は防衛都市カサスにまで地響きが轟いた。タス村の方に隕石らしき物が落ちていくのを見たと言うものもいる。本来は直ぐ確認に来るべきだったのだが、最近はピーナッツ火山からワイバーンがお多く降りてくるようになり、離れることができず、今になった。申し訳ない。」
とマノン少将は、遅くなった事を詫びた。
「来る道中、タス村の周りには、隕石の破片が落ちた後が複数あったが、タス村には何も被害が無いようだが、どうなのだろうか?」
「威嚇攻撃だったようで、上空で隕石は破裂してタス村には被害は出ていません」
「それなら、よかった!」
マノン少将がホッとしたのとは逆に、顔を背けているスキアー少将は舌打ちをした。
スキアー少将…ノストラの意向では、タス村が壊滅していた方が都合が良かったみたいだ。
「何も産業が無い、この村はどうやって生きていれるんだ?池などの作る余裕なんかあるのか?」
悪意のある質問をスキアー少将はしてきた。隕石によるタス村の被害はどうでもいいのだろう。それより、この村が生き延びていることの方が不思議に思っているようだ。
「池は、将来的に食料として魚を飼育する予定です。食事は、深闇の森から食べれる物を調達して、命を繋いでいます」
「野蛮な村だな。今でも生きていれるのだから、食料援助など不要だろう」
さくらは、ゼフ王国もバジ王国もどうでもいいと思っている。滅びるなら滅びても構わない。今居る人達だけで完結出来る生活ができているのだから。それより、昨日のバジ王国からの攻撃、味方であるはずのゼフ王国の態度に我慢が限界に来ていた。
「領主のさくらとして、食料援助は要求しません。武力援助も不用です。何も要求はしません。この現状を見ていただければおわかりだと思いますが、この領地からゼフ王国に援助する余裕などありません事を了承下さい。異世界からの転生者として、領地を大戦から守り抜く事をお約束します!」
さくらは決意表明のように言った。
マノン少将とエスターさんは驚き、スキアー少将は、
「その言葉、忘れるで無いぞ!こんな貧乏くさい村に、誰が援助など求めるか!せいぜい大戦まで生き延びて、バジ王国の壁になってくれ!マノン少将帰るぞ!」
と言って領主の建物の応接室から出て行った。
マノン少将は、エスターさんに
「エスター大将、本当に大丈夫なのですか?私は、心配で…」
「私も、今のさくら殿の発言に驚いたが、領主様が大丈夫と言うのだ。私も微力ながら力添えするから安心しろ。それよりピーナッツ火山からのモンスター対応が大変なんだろ?マノンこそ、大戦前に命を落とすなよ!」
「これでも、エスター大将にしごかれた一人ですよ。ワイバーンごときに遅れは取りません」
二人だけの世界を壊すように、
「マノン!まだか!早く戻るぞ!」
外からスキアー少将が急かして来た。きっとさくら神社の呪いで辛いのだろう。
さくらとエスターさんは、タス村の入り口までマノン少将とスキアー少将を見送った。
「さくら殿、突然スキアーに啖呵を切って驚きました」
「ゼフ王国にも喧嘩売ったし、ノストラは警戒してくるよね」
「そうなるだろう…」
「不思議だよね、なんでゼフ王国はタス村の村長じゃなくて、領主って任命しちゃったんだろうね」
「確かにさくら殿の言う通りだ…私も村長ではなく領主と聞いている」
「領地の主って事だもんね!ゼフ王国からの援助は要らないけど、援助もしないって言って、スキアーさん了承して戻ってったね!マノンさんも聞いていて反論しなかったもんね!」
「……」
「エスターさん、朝ごはん食べ終わったら、今後のさくら神社の方針会議だよ!さくら神社に戻ろう!」
さくらは、タス村の入り口から、さくら神社に向かって歩き出した。
(さくら殿…覚悟を決めたのですな)
初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。
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予定と変わって、ゼフ王国から隕石被害の視察のお話になりました。
ごめんなさい。
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次話は、今度こそ…今後の対策についてのお話です。