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春のさくら神社祭り 後編

今回の主要人物


【さくら神社】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。もふもふ同盟。主人公。

エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。もふもふ同盟。

タマ(九尾の狐)さくら神社に祀られている、アーティファクト「お稲荷様」の化身。武術に長け、料理上手。

ワシ(座敷童)ドラマ好きのおばあちゃん。

くー(コロボックル)兄妹の兄。

さー(コロボックル)兄妹の妹。最近はエスターに懐いている。

シゲ(ぬらりひょん)さくら神社の参謀。

ナビ(AI)3D化に成功した神社システムのヘルプ担当。

メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。もふもふ同盟。

ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。

フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。

ちー(マインドラゴン)元ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。普段は人代、犬化をしている。リス獣人達に崇められている存在。


【タス村】

ラウロ(人間)タス村の取りまとめ役

アロン(人間)

ピノ(人間)リラと双子

リラ(人間)ピノと双子。

ココ(人間)天然系。


【リス獣人】

イスト(リス獣人)代表。

エリ(リス獣人)副代表。

 いよいよ、春のさくら当日である。


 朝のリス獣人達の参拝の時に、さくらは、お祭りについて説明し、是非遊びにきて欲しいと宣伝した。


 当初予定していなかった食べ物だが、タマさんの

「それでは雰囲気がでないぞえ」

の一言で、カットフルーツの串刺しと綿飴だけ出すことにした。

内容もリス獣人も楽しめるように選んだ。


 担当一覧

綿飴、ナビさん、おばあちゃん

カットフルに串刺し、タマさん、くーちゃん、さーちゃん

水風船釣り、さくら

金魚すくい、シゲさん

異世界組でまかなう予定である。

(シゲさんは型抜きの担当でも似合いそう)


 カットフルーツは、バナナ、いちご、メロン、パイナップルが【スグクル】にて完成品がお取り寄せ出来た。

綿飴は、機械とザラメを【スグクル】で取り寄せた。疲れ知らずのナビさんがエンドレスで作成するのだろう。


 お昼を過ぎたら、浴衣選びと着付けである。

シゲさんとケルン君はグレーの生地の落ち着いたものを選んだ。

しかし女性陣は、多くの柄に目移りする。どの花の柄がいいやら、生地の色はピンクがいいとか…

着付けより、浴衣選びの方に時間がかかった。


 さくらは、前世では、お祭りで一度も袖を通すことが無かった、さくら柄の浴衣を切ることにした。


 お祭りは、夜店がメインでは無い。御神体に奉納をして、豊作祈願をするものである。さくらは、神主としての儀式を行い、最後に下駄をはいて、切り上げた。下駄の落ちた形で、雨の振り方を占う儀式なのである。今年は雨が少ないようだ。農業をスルーする年なので問題は無い。


 ここからがお祭りの楽しみである。

さくらとタマさんも浴衣に着替えて夜店の係に出陣だ!


 エスターさんから

「さくら殿、私達も手伝えることがあれば」

と言ってくれたのだが、さくらは断った。

最初は、元の世界のさくら神社のメンバーでやりたかったのである。廃れた島が元の活気のある島を思い出したかったのだ。


 病弱で、祭りに参加出来なかった前世と違い、さくらは祭りを指揮するまでになったのだ。タマさんとおばあちゃんも感じるところがある。


 水風船すくいで当たりの紙が入っている水の多い水風船を釣り上げたり、出目金をすくってカットフルーツの場所に持っていくと、夕張メロンの串刺しと交換してもらえるのである。

 大物狙いをする人、手がたく狙う人、個性が出る。


 リス獣人達も、綿飴とカットフルーツを両手に持って美味しそうに食べている。


 綿飴を持って、フィルちゃんが水風船すくいに遊びにきてくれたので、

「フィルちゃん、綿飴美味しい?」

「ふわふわして、口の中に入れるとすぐに溶けて、雲みたいです!」

と喜んでくれていた。

(よかったぁ)


 昨日は釣れなかった水風船が釣れて、指にかけて、ばしゅばしゅと水風船をヨーヨーのように叩きながら、金魚すくいの方に流れていった。


 野生の鋭い感覚があるのか、リス獣人達は簡単に水風船を釣って行く。

シゲさんの金魚すくいでも、リス獣人達は上手なようだ。

ちーちゃんがなかなか金魚がすくえずに熱中しだすと、体から溢れるドラゴンのオーラのせいか、金魚がちーちゃんから逃げて反対側に行くらしい。その固まった所を狙うのが秘訣らしい。


 イストさんとエリさんも綿飴片手に顔を出してくれた。

「イストさん、エリさん、どう?楽しんでもらえてるかな?」

「綿飴がふわふわで溶けて美味しいですね!」

「果物は、いい香りはするけど酸っぱい物だと思っていたけど、タス村の果物はどれも甘くてびっくりです!」

と喜んでくれているようだ。


 金魚すくいですくった金魚は、手水舎の先から放流し、池までたどり着くのを追いかけるという、不思議な儀式も追加されていた。

(新しい文化もプラスされて、さくら神社が賑わうって、すっごく気持ちいい!)

さくらは、平和な時間が続けばいいのにと願った。


 一通り、水風船釣りや金魚すくいの遊びが終わった頃、最後の花火大会である。


 リス獣人は火があまり得意ではないので、少し離れてみてるそうだ。もちろん綿飴を手にして。


 等間隔で地面にロウソクが5つ置かれた。

(あれ?こんな話あったっけ?)

一番背の高いココが中心に立ち、その両隣に双子のピノとリラ、外側はラウロとアロンが並んだ。

手持ちの花火にロウソクで火をつけ、5人で同じ振り付けで新体操のリボンのように手を回したり、体を回転させている。火が消えると次の花火に火をつけて、まるで奉納の舞のようで見惚れてしまう。いつの間に、タス村組は練習していたのだろう。


 その背後では、シゲさんが打ち明け花火をピュンピュン飛ばしている。

(幻想的だなぁ)


 夕張メロンのカットフルーツ串刺しを持ったタマさんが傍に来て、一本渡してくれた。

「何年ぶりのお祭りは、賑やかで嬉しいぞえ」

夕張メロンを頬張りながら、さくらは、

「うん、私もきちんと覚えている、参加したお祭りって無いから、とっても楽しかった。それにようやく、このさくら柄の浴衣を着れたもんね!」

「さくら、やっとその浴衣姿を見せてくれたぞえ。とても似合っているぞえ!次は収穫祭の頃のお祭りぞえ」


 タス村組の花火の舞が終わると、リス獣人達を含めて拍手の渦が巻き起こった。

(綺麗だったもんね)


 さくらは

「以上で、春のさくら神社祭りは終了です。半年後の秋のさくら神社祭りを楽しみにしていてください!」

と言ってお祭りはお開きとなった。


 その後、手持ち花火の残りをリス獣人以外で、各々火をつけて楽しんだ。

ケルン君やフィルちゃんだけでなく、エスターさんやメルツさんも花火を楽しんだ。


 無事に、春のさくら祭りは終了した。


【さくらが大戦に巻き込まれるまで、残り230日】

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

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次話は、バジ王国のお話です。

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