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ゼフ王国の視察団

【さくら神社】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。主人公。

エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。

ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。

ちー(マインドラゴン)ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。

              人間に危害を与えないよう普段は人代、犬化をしている。

ラウロ(人間)タス村の取りまとめ役。


【ゼフ王国】

マノン(人間)初登場。

スキアー(人間)初登場。


 スマホから警戒アラームが鳴った。

タス村に人が近づいてきているようだ。

さくらはマップを確認すると、5つの点が近づいている。

(いよいよ視察に来たね)


 対応するのは、さくらとエスター。給仕としてラウロにお願いをした。

対応する応接室には、スマホを隠した状態にしてTV通話状態にしており、居間でも応接室のやりとりがリアルタイムで見れるようにしてある。


万が一を考えて、他のものは全員、さくら神社の居間にいてもらう事にした。

タマさんとちーちゃんが居れば、暴力沙汰になっても鎮圧するのに問題ないだろう。


「ちーちゃん、神社を上がってくる人が居たら、殺さない程度に、石段から落として、皆んなを守ってね」

「ご主人様、任せるのだ!」

さくらのお願いにちーちゃんは、元気に答えてくれた。




 視察は馬に乗り、5人でタス村に向かっていた。

先頭を行くスキアー少将が何故かタス村の入り口を過ぎていく。


「スキアー、タス村はこっちだぞ!」

とマノン少将は声をかける。

(きっと考え事でもしていたのだろう)


 マノン少将は、エスターの元部下でヒク村奇襲前に寄っていた。

「どういうことなんだ!タス村が…見たこともない村に変わってる…」

他の兵も驚いている。


 タス村の敷地がほとんど更地になっており、村の周囲を囲むように、見たことがない緑色の幹をした植物が高く生えている。立ち並ぶ家も、初めて見る建物だった。



 タイミングを見計らって、さくらとエスターが出迎えに出る。


「エスター大将、お元気そうで!タス村の代わりように、驚きました」

「おぉ!マノンも元気そうだな。領主様の建物に案内しよう。視察に来たのだろう?」

「はい!心配しておりましたが、エスター大将もお元気そうで何よりです!」


 再会に水を刺すように、

「エスター!お前は単なる一般人だろ?軽々しくマノン少将を呼び捨てにするな!」

とスキアー少将は、少し顔色悪く警告してきた。


「そうだったな。マノン少将殿、申し訳ない。スキアー少将殿忠告感謝いたします」

とエスターさんは無礼を詫びた。


 マノン少将は、申し訳なさそうにし、スキアー少将は、それでも機嫌が悪そうだ。


 他の3名は、護衛の兵とのことだった。


 さくらは領主の建物に向かう間、情報ウィンドウを確認した。


名前:マノン レベル:236/999

性別:男性 年齢:31

種族:人間

称号:無し

状態:ふつう

所属:ゼフ王国

ジョブ:戦士

パーティー:未参加

HP:C

MP:D

攻撃力:C

防御力:C

魔法攻撃力:D

魔法防御力:C

スキル:無し


名前:スキアー レベル:201/999

性別:男性 年齢:36

種族:人間

称号:無し

状態:呪い

所属:ノストラ

ジョブ:戦士

パーティー:未参加

HP:C

MP:E

攻撃力:D

防御力:D

魔法攻撃力:D

魔法防御力:D

スキル:無し


(ノストラが混ざっていたのね)


 視察団を領主の建物の応接室案内し、少し待ってもらった。


 応接室に給仕としてお茶を持ってラウロが入ると、スキアー少将は、

「何故お前が歩いているんだ…」

と声を出してしまった。


 直ぐにしまったという顔になったが、さくらとエスターが席を外しているので、視察団の仲間には

「足の悪い知り合いの女性に似ていたので、びっくりした」

と誤魔化していた。


 もちろん、さくらもエスターもさくら神社に居る皆が見ている。

さくらは、スキアー少将がノストラ所属と状態が呪いになっていることをSNS【緑】アプリのチャットで伝えた。

(視察団にはゆっくり滞在して、スキアー少将には苦しんでもらいましょ)




 さくらとエスターは応接室に入り、

「遠方からの視察、ご苦労様です」

と労ってから、タス村の状況を伝えた。


 赴任した時は、建物も破壊され、男性や子供の遺体が散乱しており、女性が5名一箇所に固まって身を隠していたこと。


 亡くなった者のリスト提出。


 今は、亡くなった者の埋葬、廃屋の撤去、整地、住居の建設まで急いで行ったこと。


 短期間でここまで行えたのは、異世界からの転生者のスキルを使ったと説明した。

(使えないスキルって国王には言われたけどね…)


 これからは、領主、エスター、生存女性5名で大戦までに防衛出来るようにタス村を整備する予定だと伝えた。


「エスターを頼って、移住してきた者は居ないか?」

とスキアー少将が聞いてきたが、

「危険な前線の村に移住してくる者は居ません」

とさくらは答えた。

(散乱していた衣服は孤児院の者達ので間違いなさそうだな。どっちにしろ死ぬしかなかった者達だからな)

スキアー少将は、一つは良い報告が出来そうだと思った。


「ゼフ王国としては、大戦に向けて準備のため、援助は出来ない」

「スキアー少将殿、それでは、何も出来ないではないか!援助してもらえないだろうか」

(元は大将、今は一般人に落ちたエスターからの懇願…いい気分だ)

スキアー少将は優越感に浸っていた。呪われているが…


「援助など出来ない、異世界の転生者の能力でなんとかしろ」

「そんな…それなら、何も産業も収穫も無いタス村は、大戦終了まで納税だけでも免除していただけないだろうか」

スキアー少将とエスターの会話に、マノン少将が入り答えた。

「稼ぐ術が無い者から、取り上げようも無いからな、それはゼフ国王にお伝えしよう」

「マノン少将殿、お願い申す」


マノン少将の返答に、スキアー少将は面白く無さそうにする。


「お食事されていかれますか?」

「こんな村に長く居られるか、軍は忙しいんだ!失礼する」

と言ってスキアー少将は席を立った。


「エスターさん、援助が無いとスキアーが答えましたが…大丈夫ですか?」

「あぁ、心配するな、なんとか大戦までに防衛の準備をしてみせるよ、マノン少将。それより、税の免除だけはなんとか頼む。作物を一から作るにも、お金を稼ぐにも、今は術が全く無いのだ」

「わかりました。必ず申告を通します。こんな惨状になっているとも知らず…エスター大将無理をなさらないでください」

「もう大将では無い一般人だけどな。無理はしないから安心して欲しい」

「それでは、失礼します」


 挨拶をして、マノン少将と護衛の兵も退出していった。


 タス村入り口の鳥居まで見送り、視察が終わった。




 皆んなが居るさくら神社の居間に、さくら、エスター、ラウロが戻り視察のまとめをする。


 秘書姿のナビさんがプロジェクターに映るスマホ画面内のホワイトボードに入力していく。


視察団のまとめ

・マノン少将はいい人。(エスターさんの元部下)

・スキアー少将は嫌味な人。(ノストラ所属、敷地内では状態が呪いになっていた)

 孤児院の移住についてカマをかけてきた。

 タス村襲撃時に参加していた可能性大。

・ゼフ王国からの支援無し。(元々期待していない。有っても困る)

 納税免除の予定。


「うーん…納税回収に、ちょくちょくゼフ王国の人が出入りしないのは収穫かなぁ。しばらくは、タス村の集会所で、希望者によるナビ先生による文字と計算授業とタマ先生による料理教室以外は、基本自由でいいよね。【神社ディフェンス】で防衛を上げて行こう!タス村組も【神社ディフェンス】参加でいいかな?」

『はい!』


タマさんの異世界料理に心を奪われた女性は、【スグクル】で材料をお取り寄せして、自分で同じように作りたいと、料理教室を希望する者が多かった。


誰も怪我することが無く視察が終わって、さくらはほっとしていた。

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

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次話は、獣人のお話です。

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