さくら神社の拡張とゼフ王国、ノストラ対策
【さくら神社】
さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。主人公。
エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。さーちゃんに懐かれている。
タマ(九尾の狐)武術に長け、料理上手。
くー(コロボックル)兄妹の兄。
シゲ(ぬらりひょん)元漁師。【スグクル】創設者。
ナビ(AI)スマホからさくら神社をサポートする。
メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。
ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。
フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。
ちー(マインドラゴン)ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。
人間に危害を与えないよう普段は人代、犬化をしている。
「ぐふぉぉ」
さくらは、初めての起こされ方をした。ちーちゃんが、お腹の上に座ってどんどんとお尻を打ち付けてる。
「さくら、朝なのだ!早く起きるのだ!」
「ちーちゃん、こんな起こし方は、乱暴だよ…せめて、揺すって起こして…」
「明日からはそうするのだ!」
さくらは、ちーちゃんと一緒に洗面所へ行き、洗面を教え、神社の朝の参拝を教えた。
「これをしないと朝ごはん食べれないんだよ!」
「なんだと!アタイ、絶対忘れない!」
居間に戻る途中、エスターさん達の寝ている部屋に寄り、メルツさん達の分の新しい歯ブラシを渡した。
居間に行く前に、スマホからナビさんを呼んで、リアルドールに憑依させた。
お揃いのスウェットを着せてあげた。昨晩は気がつかなかったが、プロポーションのいい体だ。
(ナビさんに胸の大きさ負けた…ちっぱいの体にしておけばよかった…)
朝食時、3D化したナビさんをみんなに紹介し、朝食となった。
ご馳走モードから通常モードのメニューになっていた。
食パン
ベーコンエッグ
ポテトサラダ
いちごのスムージー
食パンには、ハチミツ、バター、ブルーベリージャムを各々塗って食べたのだが…
「このパンも、昨日と一緒で硬くない!フッワフワだよ」
「ボク、こんな美味しい飲み物飲んだの初めてだ!」
とフィルちゃんとケルン君が驚いている。
(異世界の食事に早くなれてね…)
と思いながら、さくらも、いちごのスムージーを一口飲み…
「タマさん!このイチゴのスムージー、ものすごく美味しい!どうしたの!」
「あまおうととちおとめのブレンドぞえ!」
(なんて豪華な…通常モードの食事なんかじゃない…)
さくらは、食べながらこれからのことを話した。
「ケルン君とフィルちゃんは、文字の読み書きや、数の計算はできるの?」
「私は、少し文字が書けるだけ…」
「ボクも同じ…」
と、バツが悪そうに答えた。
「さくらさん、私も完璧ではないんです」
とメルツさんも言ってきた。
「それなら三人は、午前中はナビさん先生から毎日授業してもらいましょう!」
突然振られたナビさんは、初めての食事に聞こえていない…
「ナビさん?聞いてました?」
「ん?さくらさん?食パンとっても美味しいですよ!」
(うん、聞いていなかったね…)
その後、ナビさんは先生を引き受けた。
「シゲさん、神社にシゲさんのお部屋作った方がいいよね?」
「おう!さくらちゃん頼む!タマの部屋で寝るのは、疲れが取れねぇ」
ツヤツヤした肌のタマさんが、
「シゲ、それはひどいぞえ」とふくれている。
(シゲさんは、タマさんの部屋で寝ていたんだ…)
さくらはスマホの【神社アプリ】内の管理者だけが使える【施設設置、撤去】で、タマさんの隣にシゲさんの部屋を増設した。お風呂も今の2倍の大きさにして、温泉の源泉掛け流しヒノキ風呂にし、トイレも増設した。
「エスターさん、メルツさん達と一緒の部屋がいい?個室がいい?」
「さくら殿、私たちは、どこでも大丈夫だ。」
「遠慮しなくていいんだよ!神社ポイント余ってるから!」
「ケルン君、フィルちゃんもお年頃だから自分のお部屋があるといいよね?」
「私は…あったら嬉しい…」
「ボクも…女の子と別の部屋だと嬉しい…」
贅沢なことを言うと、メルツさんからたしなめられると思ったのか、二人とも小さな声で答えた。
「お姉さんに任せて!部屋は、こういう畳っていう部屋がいい?板の床がいい?」
『板の床!』と子供達は声を揃えて答えた。
「メルツさんも板の床の部屋でいい?」
「さくらさん、ありがとうございます」
とメルツさんも受け入れてくれた。
「タマさん!勝手口の脇にゴミ捨て場作るね。定期的にゴミは自動回収してくれるみたいだよ」
「穴を掘って埋めるか悩んでいたぞえ。ゴミ捨て場は、ありがたいぞえ!」
さくらの提案に、ゴミ問題で悩んでいたタマさんも解決。
「トイレやお風呂や台所などの汚水も、汚水タンクに一時的に溜められますが、自動で回収されます。ゴミも汚水も回収はリサイクル買取扱いになり、少ないですが神社ポイントに還元されます」
とナビさんがいちごのスムージーに顔をとろけさせながら説明してくれた。
(住人が増えるほど神社は発展するのね)
「シゲさん、神社の敷地どこまで広がたほうがいい?もうすぐ、ゼフ王国から偵察来るんだよね?」
「そうだよなぁ、それも方針決めねぇとだよな。昨日、メルツ達の衣服は、ちーさんに破いてもらって、王国と防衛都市カサスの間の街道沿いに撒いてきた。きっと獣に襲われ死んだと判断してくれるはずだぜぇ。あとは、さくらちゃんとエスターが生きていると思わせた方がいいか、死んだと思わせた方がいいかだよなぁ」
さくらは悩み…エスターさんの顔を見て…
「生きていることにする!その代わり、タス村全てをさくら神社の境内にするけど、神社は今のままにして、偵察が来た時だけ、石階段の所も林で隠して見えなくしちゃおう!廃屋は全て撤去して、綺麗に整地して、ウッドハウスを一件と井戸だけ作って、住人が私とエスターさんだけしか居ないことにして、やり過ごそう!」
領主さくらの方針は決まった。
スマホでポチポチして、さくら神社の敷地をタス村全部にし、廃屋は撤去し、井戸とウッドハウスひとつだけ立てた。
(【神社アプリ】楽だね)
「ナビさん、【地図アプリ】で防衛都市カサスからネフェ村に向かわず、タス村方面に曲がって人が来るようだったら、アラームとか鳴らせることできる?」
「可能です。見つけ次第、お知らせします。」
「ありがとう!これで、偵察と、ノストラがバジ王国に食糧輸送してもわかるね!」
朝ごはんも食べ終わった頃、草むらから、くーちゃんが出てきた。
「くーちゃん、おはよう!」
とさくらはいつものように挨拶したが、
「さくら!人間の女の人が、洞窟の中で助け求めてたよ!」
「えっ!ここから近いの?」
「うん!」
くーちゃんから、地図で大体の場所を教えてもらった。
「ナビさん、神社ポイントの残りで、この洞窟までさくら神社の敷地を直線で伸ばせる?
「可能です。」
食後の授業はお休みにして、朝から【神社ディフェンス】で助けるよ!
『おー!』ぞえ」
初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。
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次話は、朝から神社ディフェンスのお話です。