神社ディフェンス 2回目
【さくら神社】
さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。主人公。
エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。さーちゃんに懐かれている。
タマ(九尾の狐)武術に長け、料理上手。
ワシ(座敷童)ドラマ好きのおばあちゃん。
くー(コロボックル)兄妹の兄。
さー(コロボックル)兄妹の妹。最近はエスターに懐いている。
シゲ(ぬらりひょん)元漁師。【スグクル】創設者。
ナビ(AI)スマホからさくら神社をサポートする。
メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。
ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。
フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。
ちー(マインドラゴン)ピーナッツ火山の主。さくらの眷属。
人間に危害を与えないよう普段は人代、犬化をしている。
夕食の後かだずけも終わり、居間でお茶を飲んでくつろいでいる。
少しは腹ごなしをしたいところなので…
「そろそろ【神社ディフェンス】やるよ!」
とさくらが号令をかけた。神社レベルも3にアップしたので、配置する兵器も種類が増えた。
さくらは、メルツさんとちーちゃんには普通のスマホ、ケルン君とフィルちゃんにはキッズスマホを持たせることにした。シゲさんはすでに持っていたので不要である。
初めて参加する人が多いので、さくらは説明をした。
この神社の境内は、さくら神社に対して、悪意の有る者が入って来れない結界が貼られていること。
入り口の石階段だけ結界を解除して、最上段に生贄役のタマさんが挑発すること。
安全のため、石階段の中段を突破されたら結界を戻して終了すること。
多くモンスターを倒すと、この神社が栄えて、便利になること。
それらを説明した。
うさぎのぬいぐるみであるタケルに憑依するエスターさん以外は、射的要素の狛犬を操作することにした。
おばあちゃんの昨日の活躍で、【狛犬(弓)】はLv3になっていて、一回の発射で弓が3本射るようになるとナビさんがスマホの画面の中で教えてくれた。【狛犬(水)】はLV2だった。
他に【狛犬(石)】【狛犬(凍結)】【狛犬(火炎)】【狛犬(網)】【狛犬(銛砲)】が選べた。それらはLv1で有る。
狛犬の性能は、
【狛犬(弓)】は、口から弓を撃つ。チャージ時間短。
【狛犬(石)】は、口から石を弓のように、高速で飛ばす。チャージ時間短。
【狛犬(水)】は、口からローション弾を撃ち、足を滑らせる。チャージ時間中。
【狛犬(凍結)】は、口から冷気砲を撃ち、当たった物の動きを遅くする。チャージ時間中。
【狛犬(火炎)】は、口から火炎を1吹き出す。チャージ時間中。
【狛犬(網)】は、口から投網弾を投げ、網に絡める。チャージ時間大。
【狛犬(銛砲)】は、口から縄付きの銛を撃ち、大型モンスターなどを足止め可能。チャージ時間大。
メルツさんに、子供を参加させるか確認したら、危険が無ければOKが出た。
配置として
最上の生贄役 タマさん
中段の踊り場に、タケルに憑依するエスターさん
入り口の鳥居上に、メルツさんの【狛犬(銛砲)】
階段10段目の位置左右に、おばあちゃんとくーちゃんの【狛犬(弓)】
階段30段目の位置左右に、さくらの【狛犬(水)】とちーちゃんの【狛犬(岩)】
階段50段目の位置左右に、シゲさんの【狛犬(網)】とフィルちゃんの【狛犬弓】
階段60段目の位置左右に、さーちゃんとケルン君の【狛犬(凍結)】
おばあちゃんとくーちゃんの【狛犬(弓)】多くのゴブリンを削り、
私とシゲさんが足止め系をして、ちーちゃんとフィルちゃんが止めをさす。
それらを抜けられたら、さーちゃんとケルン君がモンスターの動きを遅くして、エスターさんが憑依するタケルで止めをさす。
ナビさんは結界の開け閉め係り。
今日の作戦はこうするようだ。
今日は生贄役のタマさん…スクール水着…コスプレを楽しんでいるね。
ドキドキしているメルツさん、ケルン君、フィルちゃん。
昨日の汚名返上に燃えるエスターさん。
ご主人様にいいところを見せたい、ちーちゃん。
配置が整うと、ナビさんから
「石階段の結界解除します。【神社ディフェンス】スタート!」と合図が来た。
タマさんのフェロモンに呼び寄せられたゴブリンが、ワラワラと集まって来る。
さくら神社も、前回より配置も多い。
操作に慣れるため、おばあちゃんとくーちゃんには、時々ゴブリンを通過させてもらう様に言っている。
やってきてゴブリンに、
「この先には、アタイが通さないんだぞ!」
とちーちゃんが燃えている。
しかし、本来の姿には遠く及ばない、狛犬の口から打ち出される石の火力に物足りなそうだ。
「ただ石を当てるんじゃなく、頭を狙うといいよ。」
とさくらはちーちゃんにアドバイスした。
シゲさんの網に絡まったゴブリンを、フィルちゃんが矢で打ちまくる。
タケルの所まで上がって来ようとするゴブリンを、さーちゃんとケルン君が凍結弾で数秒だけ動きを遅くし、その隙をタケルが無双する。
タケルがゴブリンを一体倒すごとに、さくらの紋章が部分的に光っていく。花びら5枚と花弁なので、6体倒すと片方の方が全て光り、もう6体倒すと全て点灯した。
タケルがカッターで次の一撃をすると、かまいたちの様な鋭利な波動が飛んだ。
「タケルもLv上がって、あんな凄い技使える様になったの?凄いね!」
ナビさんにさくらが話しかけると…
「いいえ、そんな機能無いですよ。あのさくら神社の紋章を刺繍した人が付けた必殺技だと思われます。
と返事が返って来た。
(さーちゃん、エスターさん…タケルを強くしてくれたんだね!)
大型モンスターは来ない様なので、メルツさんにも慣れてもらうため、適度に密集して迫って来るゴブリンに銛砲を試し撃ちしてもらった。
あっという間に30分ほど経過し、ゴブリンも少量しか来なくなったので、ナビさんに【神社ディフェンス】を終了してもらった。今日は圧勝である。
男の子だからか、ケルン君が
「ボク、モンスター倒したの初めてだよ!エスターさんみたいになれるかな!」
と興奮している。
シゲさんは、
「久しぶりに投網で漁をしている気持ちを思い出しちまったぜ」
とタマさんに言ってる。
(元漁師だもん、シゲさん懐かしい感覚で楽しんでくれたみたいでよかった)
「アタイの本当の姿なら、あんな奴らは尻尾で一撃だったのだぞ…」
あまり倒せなくて悔しそうなちーちゃん。
「少し強くなっている【狛犬(弓)】と違って、ちーちゃんが操作していた【狛犬(石)】はまだ弱いから仕方ないよ。どんどん使って、強くしてね。ちーちゃん期待しているよ」
と、さくらが言うと。
「ご主人様の命令だ!アタイが【狛犬(石)】を強くするんだぞ!」
と闘志を燃やした。
「床をとったから、エスター、メルツ、ケルン、フィル、いつでも寝れるようにしておいたよ。少し狭いけど我慢しておくれ」
とおばあちゃんが居間に戻ってきて言った。
「ワシさん殿、お心遣い感謝する」
とエスターさんは答えた。
(久しぶりに孤児院の仲間と一緒に寝れるんだね。四人だけ居る空間だから話せることもあるよね)
「今日は色々あったから、眠たくなった人から解散ね!」
(タマさんとシゲさんは、これから晩酌するんだよね)
おばあちゃんが真っ先に自室に戻った。
(ドラマの続きに違いない…)
「ご主人様、アタイはどこで寝ればいいんだ?外でもいいぞ!」
いくらドラゴンとはいえ、人化しているちーちゃんを外に寝かせるわけにはいかない。
「私と一緒のお布団でよければ、一緒に寝よっか!」
「お布団で寝れるのか!アタイ初めてだ!話でしか聞いたことないけど、楽しみだ!」
さくらはちーちゃんを連れて自室に戻った。
くーちゃんとさーちゃんは草むらに帰って行った。
まだ長い1日は終わらない…
初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。
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次話は、ナビの愚痴のお話です。