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さくらの眷属ちーちゃん


【さくら神社】

さくら(人間)異世界へ転生者した女の子。タス村の領主兼さくら神社神主。主人公。

エスター(人間)孤児院出身の元ゼフ王国大将。

しろ(龍神様)ピーナッツ火山の主のドラゴンを、さくら神社に客として連れ帰る。

タマさん(九尾の狐)武術に長け、料理上手。

くーちゃん(コロボックル)兄妹の妹。

メルツ(人間)孤児院の生き残り。エスターの親友。

ケルン(人間)孤児院の生き残り。男の子。

フィル(人間)孤児院の生き残り。女の子。


【ピーナッツ火山の主】

ドラゴン。

 タマさんの尻尾にもふもふしながら至福の時を少していると、

「龍神様のお戻りぞえ」とタマさんが言った。


 さくらは、埋めていたタマさんのもふもふ尻尾から顔を上げて

「お帰りなさい!龍神様…じゃなくて、しろさん」

「さくら、珍客を連れてきてしまった。」としろさんが蛇の姿で話した。

(しろさん、その姿でも喋れたんだっけ?)


「アタイは珍客なんかじゃないぞ!ここの住人を」と茶色いもふもふした毛をしたゴールデンレトリバーのような犬も喋った。

(しゃべるわんこなんて、珍客で間違い無いね)


 さくらは情報ウィンドウで、わんこを見た。


名前:チヴェポタール・ニグアーハ レベル:999/999

性別:メス 年齢:不明

種族:マインドラゴン

称号:ピーナッツ火山の主

状態:ふつう

所属:未所属

ジョブ:暇人

パーティー:未参加

HP:SSS

MP:SSS

攻撃力:SSS

防御力:SSS

魔法攻撃力:SSS

魔法防御力:SSS

スキル:【鉱石の恵み】【鉄壁の守り】【好奇】


(やっぱりドラゴンなんだ…ピーナッツ火山で資源が取れるのは、スキル【鉱石の恵み】なんだね)


 さくらは、ドラゴンを何と呼ぼうか悩んでいた。

「しろさんが招いたお客様は、マインドラゴンで、チヴェポタール・ニグアーハって名前なんだね。名前長いから…ちーちゃんって呼べばいいかな?」とさくらは言った。


「いいぞ!アタイの事をちーちゃんと呼ぶがいい!?いっ??えぇぇぇぇぇ!…今アタイの名前をなんて言った…」念のために、さくらに聞くちーちゃん。

「ちーちゃんでしょ?」

「その前に、アタイの名前を言わなかったか?」

「チヴェポタール・ニグアーハって名前、カッコいいけど、長いし、舌噛みそうだから、ちーちゃんね!」

なぜか突然取り乱す、もふもふわんこのちーちゃん。


「さくら…どうして名前がわかったのじゃ?」

しろさんからの質問なら、はぐらかすことも出来なく、みんなの前でさくらはタネを明かした。

「この世界に来て、色々と便利な物が使えるようになって、その一つに情報ウィンドウというのが使えるようになってね…目で見た人の名前とかレベルとか所属とかが見えるようになっちゃったの」


「さくらというのか…この世のドラゴンは、初めて本当の名を家族以外から言われると、その者の眷属になるのだぞ…アタイは、さくらの眷属になってしまったのだぞ、これからよろしくなのだ…」


 遊びに来て早々、眷属にされたちーちゃん。まだ心の整理ができておらず、動揺している。


「眷属ってなんなの?」さくらはそこから説明が必要だった。

「簡単に言えば、ドラゴンの飼い主になったのじゃ」

しろさんがわかりやすく教えてくれた。


「えぇぇぇぇ!ドラゴンの飼い主なんて無理だよ!」

突然のことに、心の整理が出来ず、動揺する物が一名増えた。


「ドラゴンを眷属にできたんだぞ?アタイを自由に出来るんだぞ?」

眷属になった早々、飼い主に拒絶されて涙目になるちーちゃん。


「私、犬だって飼ったこと無いんだもん…そうだ!ハムスター辺りを飼って、慣れてからならどう?」

「さくら!それはどのくらい待てばいいんだ?」

「一年くらい?」

「嫌じゃ!嫌じゃ!アタイは一年も待てないぞ」

何百年もピーナッツ火山の噴火口で、一人寂しく暮らしていたちーちゃんは、これだけの人に囲まれる生活を夢見ていた。それが現実になろうとしているのに、拒まれるなんて耐えられなかった。


「さくらや、ワシからも頼む。この寂しがり屋のちーちゃんをさくら神社に迎え入れてくれんかのぉ」

しろさんが頼んだら、さくら神社の住人の誰も断る事が出来ない。


「ううぅ…しろさん覚悟決めるよ…ちーちゃんよろしくね…」

さくらがちーちゃんの眷属を受け入れると言うと、ちーちゃんは女の子の姿になって、さくらに抱きついた。

「さくら、アタイをよろしくね頼むぞ!」

「うん!ちーちゃんよろしくね!というのか…人間にもなれるんだね!」

「凄いだろ!しろから教えてもらったんだぞ!代わりに人代していない時の会話のコツを教えてやったのだ!」

(それでしろさん、白蛇姿でも話せていたんだね)


「さくら殿、ピーナッツ火山の主を眷属にするなんて、物凄い事なんだぞ」

とエスターさんが、珍しく興奮している。


「ゼフ王国の最大宗教は、ピーナッツ火山の主のドラゴンに、王都ゼフの上空を飛んで国民に加護を授けてもらうよう依頼し、実際に実現させた女性騎士アーテル様を崇拝している。そのドラゴンのちーちゃん殿を眷属にしたのだぞ!」といかにちーちゃんがゼフ王国で尊い存在かを興奮しながら話してくれた。


 首を傾げたちーちゃんが、

「加護?アーテル?そんな人間覚えてないぞ?そもそも人間に加護なんて、アタイ与える事なぞ出来ないのだ!ん?そう言えば…昔、珍しく来た女騎士が王都まで飛べる物なら飛んでみろって言われて、飛んだ事があったような…無いような…」

(大昔の教祖に、良いように使われちゃったのね…)


 衝撃のカミングアウトに、エスターさんも動揺する。

「今までの教えはなんだったのだ…祈りはなんだったのだ…」


「宗教なんてそんなもんじゃよ。単なる心の拠り所に過ぎん。人間の弱い心を補う便利な役割に過ぎんのじゃ」

と、しろさんはエスターさんに説いた。


 変わって、憧れの存在を見つめるキラキラした澄んだ目をしたケルン君が

「ちーちゃん、ピーナッツ火山の主のドラゴンなの?ドラゴンの姿見せて!」とおねだりしてる。

「ご主人様が、良いと言ったらだぞ!でもここは狭いから…ご主人様どうしたらいいのだ?」

ちーちゃんは普通だが、ケルン君のワクテカした視線が眩しい…


「そうねぇ…タス村の外まで出て、ここまで被害出ないところでドラゴンに戻って本来の姿を見せてちょうだい!」

とさくらが言うと、ちーちゃんは喜んで神社の石階段を駆け降りて行った。


「ちーちゃん、転ばないようにね!」

心配するさくらの声に、手を上げて答えるちーちゃん。

(ドラゴンと思うからいけないんだよね、あの姿の女の子のちーちゃんって思えばいいんだよね)


 タス村の門を出て少し離れたところまで移動したちーちゃんをみんなで石階段の上から見ている。

(私もドラゴンを見るのは初めてでドキドキしてきた…)


 こっちを向いて手を振った後、ちーちゃんは元のマインドラゴンの姿に戻った。

100段の石階段があるさくら神社。本来の姿のちーちゃんは、ほとんど目線が同じ高さだった。

そこに、深闇の森から巨漢のサイクロプスが出てきて棍棒でちーちゃんの足をフルスイングしたが、棍棒の方が折れてる…そして尻尾の一振りで、遠くに飛ばされて行った…


 ケルン君とフィルちゃんだけでなく、エスターさんとメルツさんも、手を叩いてちーちゃんの勇姿に興奮している。

(崇拝していた神が目の前に現れたようなものだもん、興奮するよね)


 女の子の姿になったちーちゃんが走って戻ってくる。満面の笑みで、褒めて欲しそうに…

飛びついて抱きついて来たので、

「ちーちゃんカッコよかったよ!凄く強いんだね!」

と頭を撫でながら褒めた。

さくらは、サイクロプスのように飛ばされるかと思ったのは内緒である。


「ちーちゃん、さくら神社の住人になる?」

「ご主人様の命令ならなるぞ!」


【神社アプリ】の氏子リストに、新しく、チヴェポタール・ニグアーハの名前が載った。


座敷童の住む家は栄える、座敷童の去る家は廃れる。

さくら神社は、少しずつ住人が増え、栄えていくようだ。


「今日は新しい住人の歓迎会をするぞえ!」

と言ってタマさんが台所に向かった。


「ご主人様、アタイも食べさせてもらえるのか?」

「ちーちゃんも、今日からさくら神社の住人でしょ!遠慮しないの!」

「ご主人様の命令だから遠慮しないぞ!」

「うんうん、それでいいんだよ!」

 やっぱり、ペットと飼い主のような関係に見える。

初めての作品「さくら神社の防衛戦争」を読んでいただき、ありがとうございます。

タイムリミットある中、異世界でのさくらの活躍を応援してください!


さくらの活躍を応援していただける方は、ぜひ評価(下部の☆☆☆☆☆)にて後押しお願いします。

その応援がはげみになります。


初めてレビューをしていただきました。

本当に嬉しいです!ありがとうございます!


ご指摘された、カッコ前の。は今回から外しました。

今までの投稿は、時間を見て、丸取りをしていきます。


次話は、歓迎会準備中のお話です。

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