おばあちゃん
さくらは、いつもニコニコして優しいおばあちゃんが大好きだ。
さくらが生まれた時は、産婆としてさくらを取り上げててくれたのと聞いている。
おばあちゃんの見た目は三等身くらいにしぼんでいるかわいらしい姿をしており、着物を着ていて、お団子ヘアーにかんざしを刺している。
そんなおばあちゃんは、日中は縁側でひなたぼっこをするが多かった。
さくらも、リモート授業の合間に、おばあちゃんと並んで縁側に座り、ひなたぼっこをするのが好きだ。ほっこりと癒される感じがするのである。
おばあちゃんが、縁側で日向ぼっこをする時は、お供としておせんべいとお茶を用意している。
おばあちゃんが入れてくれるお茶には必ず茶柱が立っていた。
さくらが小さいころから、おばあちゃんは「どんなときでも、人に優しくするんだよ。それと嘘をついてはいけないよ」と教えられていた。
「もちろんだよ! おばあちゃん!」とさくらは答えている。
一度、掛け軸にクレヨンでいたずら書きをした事を、おばあちゃんに問いただされたとき「さくらやって無いもん!」と嘘をついた事がある。その時、おばあちゃに思いっきり叱られた。
「嘘はついちゃいけないよ。次からは、嘘をつかないできちんと話をしたら叱らないから、正直になるんだよ」とおばあちゃんに諭された。
その後、いたずらを問いただされても、叱るではなく諭す躾けを、おばあちゃんはさくらにしてきた。そのおかげか、さくらは喧嘩や争い事、人の悪口は嫌いな優しい子に育っていた。
そんなおばあちゃんは、ひなたぼっことは意外に、ドラマが大好きだ。
現代もの、時代もの、海外ものどれでも大好きのようである。
しかし機械にうといため、録画することができず、リアルタイムで視聴することしか出来ない。
さくら神社に一台しかないTVは、いつもTVゲーム好きのさくらとドラマ好きのおばあちゃんとの間で、激しい争奪戦が繰り広げられていた。
さくらも、おばあちゃんが譲れないドラマがあることは知っているので、その放送時間だけは譲るようにしていた。