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オーサム大将の正体

 時は少し戻り……

 ゼフ国王から極秘任務を受け、勇者とエスター大将が魔族の領地への急襲に失敗した日。


 黒い装束を纏い勇者が持っていた【軍師のペンダント】を手に入れたオーサム大将は、直ぐに王都には向かわずタス村に向かった。


 一年後の大戦を前に、ほとんどの村人が他の村や町などに移住していた。移住できるだけのお金が無い、頼る身よりも無い貧しい家族が数件残ってた。数日おきに他の村から商人が食料や生活品を売りにくるので、貧しくとも生活はできていた。


 オーサム大将は、タス村の入り口で待機し、部下に卑劣な命令をする。

「男性は殺せ! 女性は子供も含めて足の腱だけ切って歩けないようにして傷口だけヒールでふさいでおけ!」


 村の中から聞こえる、命乞いをする声、泣き叫ぶ悲鳴……


 これもオスター大将の野望には必要なことであった。


 数刻後、命令を終えた部下がオーサム大将の元に戻ってくる。


「村の結界を張ってる女神像も破壊しろ!」


 モンスターを村の中まで入ってこないよう、女神の加護が付与された石像が村の四隅に設置されている。それを破壊するということは、深闇の森から近いタス村はモンスターからの守りが無くなることを意味している。


「歩くことのできなくなった女どもは、ゴブリンに連れ去られ繁殖の材料にされるだろうな」


 オーサム大将は惨劇が繰り広げられたタス村を見ながら、生き残った女達の末路を推測する。


「王都に戻ったら、繁殖したゴブリンで治安が悪くなり、村民が誰もいない村の領主に異世界からの召還者と襲撃を失敗した責任としてエスター大将を送り込むよう国王に伝えねば」


 【軍師】スキルもちになれば、オーサム将軍の戦略もゼフ国王はより信頼するようになるであろう。それが、ゼフ王国のための戦略でなかったとしても……


 オーサム将軍は、一年後の大戦でゼフ王国、バジ王国どちらが勝つかなどどうでもよかった。お互いにつぶしあい、傷つき、どちらの国もダメージがあるほど理想の展開なのである。


 検索ウィンドウが使えるさくらがオーサム将軍を見たら直ぐにわかるだろう……

 オーサム大将の所属がゼフ王国ではなく、ノストラとなっていることを……


 だれも知らないであろう、オーサム大将がノストラのボスであることを……


 さくらが召還され、スキル鑑定をした王の間にオーサム大将が居なかったのは、万が一召還者に自分の正体を看破される危険を避けるためであった。

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