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近藤さくら

 日本のとある島。

近代化が進み、先祖代々住んでいた島民は全員島を離れていった。


 私は、近藤さくら。今どきのなんちゃらクリニックや産婦人科のある病院ではなく、小さな島にある稲荷神社で生まれた。実家は舟の航海を祈願する神社。


 物心ついたときには、両親と共に、さくらも都会で暮らしていた。

 しかし、両親は不慮の事故で早くに亡くし、生まれつき病弱だったさくらは、生まれた島での療養と都会との行き来を繰り返していた。

 現在、生まれた神社で療養しているさくらは、女子高生の17歳。


 うまれたさくらを実際に取り上げてくれたのは、おばあちゃん(近藤ワシ)。

 母親代わりのような存在である巫女の政木タマさん(30代くらいで大人の色気があふれている)。

 さくら、おばあちゃん、タマさんの3人で神社に暮らしている。

 今は便利な世の中で、さくらは自室からネット経由のリモート授業を受けることが学校から許可され、出席扱いにしてもらっていた。

 都会で高校に通っているときは、体調を崩して起きれない日や体がだるい日が多いのだが、生まれ育った神社で生活していると、毎朝元気に起きることができた。


(本土では体調が悪くても、島に戻ると不思議と体調が安定するのは何故なんだろう……)


 今はもう無くなっている神主だったおじいちゃんから世襲し、さくらは神職もできる。しかしきちんと知識を学びたいと思っているので、専門の大学に進んで真剣に神社を継ごうと考えていた。  

 進学のことをタマさんに相談したとき「そんな大学になぞいかなくても、もうさくらは知識も経験も子供の頃から教えておるぞえ」と言われた。

(そんなものなのかな?)


 実際子供の頃からさくらは、タマさんから巫女の舞、祝詞のあげ方から、剣道、弓道、なぎなたなどを教えてもらっていた。タマさんの稽古はスパルタでもあった。

 そして、料理上手なタマさんは、さくらが稽古でへこたれた日には、さくらの好物が夕食の食卓にならぶとういアメも忘れていない。


 稽古のあと、手水舎でひしゃくに水をすくい飲む水は体に染み込むように感じ、不思議と疲れも薄れる感じがする。普通の水道水よりトロミがあり、かすかに甘みを感じるのである。

 湧き出る地下水って美味しいのよね、とさくらは思っていたが、龍神様の加護が付与されている水だとは思ってもいない。神社の軒下に居る白蛇に姿を変えている龍神様は、さくらを赤ちゃんの頃から見守っていた。


 生まれつき体が弱いさくらが、この島で体調が安定するのは、この龍神様の加護が付与された水を飲んでいるからである。


 最近では、稲荷神社をパワースポットとして雑誌やTV番組で特集を組まれることもあるが、もののけやを集めやすい場所でもある。

 また、稲荷神社に対して敵意をもっていたり、悪さをしようとした者が近寄るとたたられるともいわれている場所でもあることは、あまり知られていない。

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