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神々の仲間入りしました  作者: 神月レスト
〜神の世界へ〜
12/23

家族の様子

 エイミーが寝てる間に繰り広げられる会話。そしてエマリーバが戻る少し前。


「エルデ姉様が産まれてすぐに力を使ったのってどうして?」


「確かあれは、産まれたエルデを見に来たエレが抱っこした途端、同じ属性の上位の存在に触れたことで力が覚醒して使えたんだ」


「そうよ~、父様の言う通りよ~。それで~エレツ様に抱っこされて心地良いし、嬉しくて力を使っちゃった~」


「それで、この城の周りは一瞬でお花畑になって、今でも咲き乱れてるってわけね」


「そういうこと~」


「外の花はエルデ姉上の力だったのですね!」


「まあ、そこからだよね。エルデの事があったから力がちゃんと分かるまではこの城で過ごすようになったんだ」


 オーディンが言うには産まれてすぐに力を使い周囲に影響をもたらすようでは力によっては危ない時がある。エルデの時は大地の属性。喜びの感情だったがゆえに、周囲をお花畑にするだけで済んだが、これが怒りの感情で地震などを起こされた時には危なかった。まだ、下位の神なら別に影響はこの世界にはまったくないが、これがエマリーバの子供となると影響があり過ぎる。本当にエルデの時は運が良かった。


 そんなこともあって、後に産まれる子達はエマリーバと、母であるアリアユニエステレラが作った結界に包まれているこの城に力が分かり安定するまでは過ごすことになっている。


「エイミーの1つ目の力が分かったわよ」


 エマリーバはそう言って戻ってきた。その表情はなんとなく、キラキラしているようだ。


「エマ! もう分かったのかい? さっきまで分からなかったみたいだけど」


「ええ、今寝ているエイミーのおでこにキスをした時に分かったの。 なんとなくその力をもって産まれたかな?って思っていたけど今は確信に変わったわ」


「そうか。それで! エイミーの1つ目の力は?」


「すべての万物から愛される力よ」


 すべての万物。それはあらゆるものから愛されること。それは存在しているだけで皆を温かい気持ちにする。だから皆その存在に惹き寄せられる。そんな力をエイミーは覚醒したようだ。


「元々人だった時も産まれる世界が違かったから神などの愛し子になっていた様な子よ。 だから神として生まれ変わり神の力を得てパワーアップした感じかしら?」


「そうか、納得だよ」


 エマリーバとオーディンで話は進んで行くが、エルデ、ヘーラル、エテェネル、ノアの4人は首を傾げて理解はしてないみたいだ。


「お母様、すべての万物から愛される力とはどのようなものなのですか?魅了の力と似たような感じなのですか?」


「今までこの力はまだ誰も得てない力だから分からなかったか」


「そうね、エイミーがこの力を覚醒したのが初めてね。 愛される力は魅了とはまた違うわね。 魅了は掛かった人が掛けた人の虜になる、そして言いなりになるような一種の強制的な洗脳じゃない? それに対してエイミーの力はそんな事はない。 洗脳では無いからね。 ただ、周りがその存在に愛せずにはいられない、でも、強制じゃないからちゃんと意志もある。 だから言いなりにもならないし、拒否もできる」


「母様、難しい……」


「とりあえず、エイミーの力は決して悪い力ではないし、これはコントロールできるものではないわね! 皆がエイミーの存在を愛する、簡単に言えば万物の愛し子って考えればいいわよ!」


「みんなエイミーが大好き~って感じね~」


「僕もエイミーのこと大好きです!」


「わたしもよ~」


 エイミーの力の事を真面目に話していた様だが、結局、エイミー大好きとか、可愛らしさの話にそれていったようだ。エマリーバはまあ、エイミーの力の事はエイミー自身にも教えなければならないし、この力は歓迎されるべき力なので何も不安に思う事はなかった。ただもうひとつの力が覚醒するまでは……。







  何時間もエマリーバ達は話していた。ふと寝ているエイミーが気になったノアはエイミーの寝顔を見にベビーベッドの近くへやってきた。起こさないように静かにベビーベッドを覗く。そこにはスヤスヤ眠るエイミー。手を万歳にして寝ている。ノアはクスリと笑う。


「可愛いな~」


 エイミーの寝顔を見てニコニコしていたノアは、エイミーのぷにぷにのほっぺをつんつんと触ってみる。むにゃむにゃと言いながらエイミーはノアの指を握った。そしてまたスヤスヤ眠る。


「!?、か、可愛い! なんだこれ!?」


 ノアは可愛さに悶えていた。ただ指を握られた事で離れられなくなったが……。でもノアは初めての自分より下の存在にメロメロだった。とにかくエイミーと一緒にいたい!そんな可愛らしいノアだったのだ。エイミーがノアの指を離すまでノアはずっとエイミーの寝顔を見ていた。







 少し時間がたち、ところ変わって城の入り口。そこには3人の男が話しながらエイミーのいる所へ向かってる。


「デスティノ、お前がどこにいるか分からなかったから探すはめになっただろう! 今日は俺たちの末っ子と会う約束だっただろう!?」


「だって、この頃暇だったから兄さん達の世界を旅して面白い事を探してたんだー! 人間は面白い事するからねー」


 2人の男は言い争いながら城の廊下を歩いてる。そんな2人の様子にもう1人の男は呆れた様にため息をついた後、言った。


「まあ、2人ともこれから会うんだ。 もう言い争いはやめなさい。 部屋も近くなってきたしな」


「兄上……。 分かりました。 おい! デスティノ! 今日はもう言わないが、今度こそ絶対約束は覚えておけよ!!」


「はいはーい」


「お前!!」


「2人とも、ほら着いたよ」


 そして、エイミー達のいる部屋に着いたのだった。

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