私的ヒーロー考:ヒーロー、それはカッコイイものだ。【ヒーローランキング】
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こちらはGyo¥0-様企画の【ヒーローランキング】参加作品となります。
自分の好きなヒーローについて、順位付けをして語るというものです。
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ヒーロー、とは何ぞや。
自分の好きなヒーローを挙げる、というお題に向き直った際、ふとそのような疑問に行き当たった。
ヒーロー。正義の味方であったり、英雄、或いは主人公。ざっくり言うなら、活躍したヤツ、凄いヤツ。みんなの憧れ、みんなのトップ、リーダー。
……どうも自分には、ピンと来なかった。これだと五人も思い浮かばない。どうも自分は、清廉潔白なだけのヤツはあまりお気に召さないらしい。
そうだな、見方を変えようか。では『自分にとっての』ヒーローを考えてみよう。
そうだ、まずは浪漫だ。浪漫があることだ。信念とか夢とか、何か大きな譲れないものを内に秘めている、そんなヤツだ。浪漫だ。
次にカリスマ性だ。圧倒的な何か、力でもオーラでも人間力でもいい。人を魅きつけるカリスマ。この際、それは善悪を問わない。暴論かも知れないが、アンチヒーローもまた見方を変えればヒーローなのだ。
そして最も大事なのが、憧れられるかどうか。自分がそうなりたいでも、配下や仲間にして欲しいでも、目標でも崇拝でも嫉妬でも独占欲でも何でもいい。憧れてしまう対象、そう思えるもの。
──大体、こんなものだろうか。そこまで考えて、今まで挙げた条件を見返して、ふと思った。
なあんだ、つまりはこれって『カッコイイ』ってことじゃあないか。
それに気付くと、自分は候補を挙げ始めた。どんどん出てくる……今度は逆に、候補が多すぎて十人に絞るのに苦労することになるのだが、それはそれ。そんな苦労もまた楽しや。
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さてそんな訳で、自分の考えた【ヒーローランキング】である。
少しばかりの解説を交えながら、カウントダウン方式でいってみよう。
■10位:ヒビキ(響鬼=日高仁志)/仮面ライダー響鬼/特撮
まずは響鬼さんである。番組自体のアレコレは一切触らずに、響鬼さん本人の魅力に注目。
オッサンである。なのにカッコイイ。どこか飄々として、それでもキメる時はバッチリとキメる。明るく振舞ってても影がどこかあって、それでも颯爽として、余裕な顔して笑う。
うん、弟子にして欲しくなるね。……ヒビキさんモデルの革のジャケット、買えば良かったなぁと未だに後悔してたりする。
■9位:アズライール/『平たい地球』シリーズ(タニス・リー)/小説
ここでヒーローという言葉からはおよそ懸け離れたキャラがランクインである。
彼は「死の王」だ。死を統べ、闇に住み、人を惑わせ、混乱の種を蒔く。それのどこがヒーローなのか。
それはもう、圧倒的にカリスマだからだ。世界の美の全てを集めてなおそれを超える程の美しさを持ち、宝石に彩られ、竜の頭蓋骨のネックレスで身を飾る。
もう圧倒的。圧倒的にチートでカリスマ。耽美の権化。これはもう男も女もなく、人として惚れるしかない。そういう存在なのだ。
■8位:ダリューン/アルスラーン戦記(田中芳樹)/小説
アルスラーン戦記の中で誰推しか、結構割れると思うのだが、自分は最初の初っ端から今に至るまでずっとダリューン一筋だ。
見た目は脳筋で堅物キャラっぽいのに頭も切れておまけに臨機応変、そして最強ときたら、もう最高じゃあないか。おまけに忠義を貫く男、言うこと無し。
ところで馬に乗って駈ける時にマントが広がるの、あれカッコイイなあ、とずっと思っている。
■7位:オルガ(オルガ・イツカ)/機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ/アニメ
ガンダムに乗らない主人公、団長の登場。
もう一人の主人公であるミカヅキがおよそ感情表現に乏しく一切自分を変えないキャラなのに対し、オルガは常に悩み傷付き強がり、それでもリーダーたらんと足掻く、人間臭さに溢れたキャラだ。
彼はそれでも全力で走り続け、全身で叫び、魂を燃やし尽くす。その力強さと儚さは、まさに男の生きざまの極致なのだ。だから皆、魅せられて、そして涙するのだ。
■6位:夢幻魔実也/夢幻紳士 怪奇編(高橋葉介)/漫画
夢幻魔実也は大変美しい男である。永井睫毛に縁取られた切れ長の瞳に整った顔、黒いスーツにアスコットタイ、黒い帽子にインヴァネス。
彼は不思議な力を使って様々な怪奇に対峙する。彼自身が怪奇じみていて、妖しい魅力を放っている。闇を渡り、女を抱き、──あたかも名前の如く夢まぼろし、夜に棲む魔のような存在。
舞台は現代よりも少しばかり遡った時代、古びた洋館などがとても似合う。
およそヒーローらしくない彼が何故六位なのか、それは浪漫だ。浪漫の塊のような存在だからだ。
格好良くてキザで、女に夢を見せ、そして余韻だけを残し去ってゆく。こんな浪漫溢れる生き様、男の憧れじゃなかろうか。
■5位:ギース(ギース・ハワード)/餓狼伝説シリーズ/ゲーム
悪のカリスマ、ギース様である。
もうそれだけで言う事は何も無い気がするのだが、まあ語ってみよう。
ギース様は圧倒的に悪だ。悪の権化である。でも強い、金も権力も力も、圧倒的だ。これをカリスマと言わずして何と言う。ナチュラルに「様」って付けてしまうレベルである。
そして彼は、自分がカリスマである事を知っている。自信に溢れ、それが更なる強さと魅力になっているのだ。もう、彼に見出されて「俺の下で働け」などと言われたら、大抵の奴は即刻膝まづくに違いない。
ちなみに餓狼伝説のギース様は勿論だが、龍虎の拳2に登場する若い頃のギース様も強くてカッコ良すぎて堪らないのだ。
■4位:エルリック(メルニボネのエルリック)/『エルリック・サーガ』シリーズ(マイケル・ムアコック)/小説
生命を吸い取る魔剣ストームブリンガーの力を借りなければ生きられないアルビノの皇子、それが主人公のエルリックだ。
もうこれだけで白米三杯はイケる設定ではなかろうか。少なくとも自分は一発でガツンだった。
ダーク・ファンタジーにおける暗きヒーローの代表格と言える。
エターナル・チャンピオンと呼ばれる、同作者の他の主人公達と比べても、その存在感は抜きんでている。暗い宿命を背負う白き麗人の妖しい魅力に、皆魅せられてしまうのだ。
自分はエルリックの所為でアルビノ好きになってしまった。そういう人、多いのではないだろうか。
■3位:ダーク・シュナイダー/BASTARD!! -暗黒の破壊神-(萩原一至)/漫画
破天荒で横暴で、荒唐無稽に見えつつ、しっかり主人公しているのが彼、ダーク・シュナイダーである。
女好きで我儘、しかしヒロインには頭が上がらず、結局圧倒的な力で味方を守ってしまうのだ。型破りでありつつも、きっちりヒーローをこなしている。
当時あの洗練された画風やキャラ設定には多大に影響を受けた中二病患者は多そうだが、そんな中の一人がここに。
■2位:ハーロック/宇宙海賊キャプテンハーロック(松本零士)/漫画
多分、松本零士作品の中で、一番浪漫を体現した主人公は彼ではなかろうか。
髑髏の旗を掲げ、たった一隻で宇宙の大海原を往く。親友の想いを胸に抱き、無頼を気取りながらも自分の信念の為に、仁義の為に、そして自らの信じる正義の為に、負けると解っている戦いにすら果敢に立ち向かう。
そんな強気男がハーロックなのだ。
マントを棚引かせ銃とサーベルを手に、浪漫を求めて旅を続ける、まさに男が憧れる男の姿がここにある。
■1位:ギャバン(ギャバン=一条寺烈)/宇宙刑事ギャバン/特撮
文句無しに、堂々の一位。ヒーローの中のヒーロー、それがギャバン。少なくとも自分の中では、彼は未だに燦然と輝いている。
ヨロシク勇気。男というより漢。もう自分の中では、ヒーローランキングと聞いた瞬間に、ギャバンを思い浮かべた。
あのメタリックなボディ、光るギミック。そして、薄暮の空間に浮かび上がるレーザーブレードの軌跡。
強さ、憧れ、浪漫、正義、ヒーロー、カッコ良さ。全部、彼が体現してくれている。だから自分は安心して、「ヒーローと言えばギャバンだ」と堂々と言えるのだ。
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さて、以上が自分の考えたヒーローランキングとなる。如何だっただろうか。
割と奔放に考えた結果なので、ヒーローとしては異論もあるかも知れないが、初戦個人の好みなので、ご容赦願いたい。
改めて以下に、ランキングリストを記載する。
……同好の士が居れば、幸いである。
【ヒーローランク】順位リスト
1位:ギャバン(ギャバン=一条寺烈)、宇宙刑事ギャバン、特撮
2位:ハーロック、宇宙海賊キャプテンハーロック(松本零士)、漫画
3位:ダーク・シュナイダー、BASTARD!! -暗黒の破壊神-(萩原一至)、漫画
4位:エルリック(メルニボネのエルリック)、エルリック・サーガ(マイケル・ムアコック)、小説
5位:ギース(ギース・ハワード)、餓狼伝説、ゲーム
6位:夢幻魔実也、夢幻紳士(高橋葉介)、漫画
7位:オルガ(オルガ・イツカ)、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ、アニメ
8位:ダリューン、アルスラーン戦記(田中芳樹)、小説
9位:アズライール、平たい地球シリーズ(タニス・リー)、小説
10位:ヒビキ(響鬼=日高仁志)、仮面ライダー響鬼、特撮