秘密の共有
マーヤさんは他の子の面倒を見るので自分を合わせて4人だ。
2階のニーナさんの部屋に入り自分の常識チートを伝えた。当然防音の魔法は忘れない。
魔力はもっと強化出来ること、また鍛冶やポーションの薬とか付与魔法等の専門の基礎知識を持ってること。特に魔法関係は基礎どころか詳しい知識まで入ってる。
魔力の強化方法はまだ伝えてないけど、もし冒険者を続けるならその方法も教えようかと思ってることは伝えた。
そしてその危険性は3人とも分かってる顔をしてる。だからこそ話す気になったのだ。
「これはかなりのチートだね。確かにホー君とミラはしっかりしてるから、他に洩らしたりしないだろうけど。2人は力に溺れて我が儘になったり、他人を見下したり、そうしない自信はある?」
「わからない。でも、ニーナ姉さんとジンさんは凄い力を持ってるのにそうなってないし、ここの皆から嫌われることはしたくない」
「まぁ、私は借り物の力だから他人を見下したりってあり得ないかな」
「自分もこっち来るときにサービスしてもらっただけで努力してないからね」
「それじゃあ、僕だってジンさんに教えて貰うだけだ」
ホーの気持ちは固まったみたいだ。チラッとミラを見てみる
「私は冒険者になるのは、美味しいご飯をいっぱい食べたいから。皆と笑って食べるから美味しいの。強くなっても1人で食べるのはつまんない」
「わかった。2人を私は信じるよ。大丈夫って即答したら教えて貰うのを拒否するつもりだった。勿論私も聞かないつもりでね。でも大丈夫そう」
うん。俺も同じ意見だ。価値観がしっかりしてるなら大丈夫だろう。慕われてる先生が2人もいるんだから。
3人にやり方を説明するけど簡単過ぎて信じられないようだ。まずは試してとごり押しする。
3人の魔力を注意して感じとると、ホー、ミラ、ニーナさんの順番に上手く出来てる。
と言っても、俺も魔力鍛練しながらだし、マナや魔力に溢れた世界で自分以外の魔力を正確に計るのは結構難しいから誤差はあるかもしれない。
回復待ちの時ニーナさんのアイテムボックス強化版について説明を聞いた。その恐るべき内容とは。
異世界組が持ってるアイテムボックスの内容に加え、広さはあっちの宇宙と同程度で広さも膨張してるらしい。
時間も基本は同じ、こちらの1日経っても0,00001秒しか経過しないがその逆パターンも出来るし、その時間内であれば調整が可能。
しかもアイテムボックス内を自由に分けて、煮込み料理をすぐに作りながら、別の区画では熱々料理も維持できるというもの。
しかも、ニーナさんの魔力で出来る範囲なら自由に物も変形出来る。何故か魔力は消費しない仕様。例えば区分けした空間を全力で1000度まで上げれるなら、ずっと1000度維持できるけど2000度までは上がらないらしい。
孤児院にある家具なんかはニーナさんのアイテムボックスで作った物らしい。だから椅子とかは綺麗だったのか。
ただ料理は好きなので厨房で手作りしてるとか。
それを聞いた俺は心の底から想いをぶつけた。
「この!ドチート野郎!!」
「な、何ですか?ドチート野郎ってジンのチートっぷりに言われたくありません!そもそも私女ですから」
「いやいや。俺のなんか可愛いもんでしょ。元々チートなアイテムボックスに加えて生産チートまでつけるなんて。しかも鑑定とかチートの定番取りすぎです!」
「仕方ないじゃない。私のエネルギーはぶっちぎりの断トツとまで言われたんですから。施設で育った私が色眼鏡で仕事をしながら頑張ってたら、仕事に向かう途中で白人っぽい高校生の足元に変な光と魔方陣が出て来て、その子を思わずそこから押し出したら、通り魔に刺されて道路によろめいたら、急ブレーキしたトラックに轢かれて吹っ飛んだ先で隕石が落ちてきて死んだんですよ!すっごい辛かったんだから」
「なにその異世界転生セット!?転生の仕方まで欲張り過ぎですよ!しかも最後の死因被ってる!」
お互いのチートに対して本音をぶつけた。結構スッキリしてる自分がいる。転生してから1日半ずっとどこかで張り詰めてたのかもしれない。
「ぶしつけですけど、施設で育ったからこっちで孤児院を?」
「えぇ、最初はアイテムボックスを活かして商人でもしようと思ってたんですけど、子供達のために頑張るマーヤさんと真っ直ぐなこの子達を見たらね」
少し素面に戻りぎこちなく雑談をする。
「言えないなら構わないんですけど、長距離移動魔法とかはこの世界可能ですか?」
まぁ、ここの人なら大丈夫だろう。
「出来ますよ。何種類か方法はあります。それぞれメリットとデメリットもありますけどね」
3人の顔が険しくなる
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。