初戦闘
「よし!それじゃあ森側に歩いてこうか」
全力の20%程で魔法を2つ発動してから南門から出て声をかける。現在6時10分。回復までの時間と魔法が成功するかの実験だ。
15㎞ほど草原を歩いたら森があるんだけど、そこの森から出てきた魔物を狩るのが目的だ。1匹ずつ確実に。
二人の装備はホーエンハイムは剣で、ミラは棒だ。棒はお金がかからず素晴らしいとか。
防具はレザーを私服に重ねただけの物。
魔力が回復したので時間を見ると12分ほど。歩いてても30分で全回復するなら魔力は気にせずに使えるな。
「うわっ!なんだこれ?」
俺の使った魔法で変わった地面に驚くホーエンハイム。それを見て安全に戦えると確信する俺。
回りを警戒しながら歩いてるとゴブリン発見。2匹いる。最初はスライム(可愛いほう)1匹じゃないのか。
まぁ、スライムって本来強敵だからな。日本人には弱くて可愛いの象徴だけど。
50mほど離れた所に魔物を発見
「ホー!ミラ!右前方にゴブリン2匹!俺が魔法で1匹倒して、残った1匹は足止め俺がするから、そいつは2人が倒してくれ。もし一撃で倒せなかったら後退しながら1匹になるまで魔法を使う。ゴブリンなら大丈夫だとは思うけど、倒せそうになかったら全力で逃げるぞ!」
「「はい!」」
パーティーを組むに当たってお互いため口にしてるが未だに二人からは敬語混じりだ。ちなみにホーエンハイムは長いのでホーだ。
戦利品も報酬もキチンと3等分。2人は遠慮したけど3等分が当然だよね。
道中でホーが驚いた魔法を使う。アレは俺の仕業だと気づいていない。
するとゴブリンの足元の地面がなくなり、ヘソまで落ちた所で穴を埋めて魔力で土を強化!
上手いこと手も埋まり、上半身しか見えないゴブリンの完成。これは安全だ。
武器を構えたままポカーンとする2人をよそに更に魔法を放つ。まずは全力の3%ほどを使ってみる。たった3%だけどゴブリンの強さの常識なら十分なはずだ。
空気を圧縮して刃を放つイメージ。簡単に首が跳ねた。地面に鎌鼬が埋まるのを見てオーバーキルに気付く。
あと普通にグロい。人の形をした生き物を殺すのは少し抵抗あるなぁ。
隣の仲間が死んだことも気にかけず土から出ようともがくゴブリン。未だに動きが止まったままの2人に声をかける。
「よし!足止めに成功した!油断せずに2人で戦ってみてくれ!」
「「えっ?足止め?えっと、うん、わかった」わかりました」
動いたら早い。2人同時に走り出すがホーが早くゴブリンに切りかかる。
振り下ろすように剣を使い首を切る。骨で止まったのか1/3程で動かず、剣を引き抜く。
遅れてミラがホーの切った方と同じ方向から頭をフルスイングした。ブチり、ゴキッと変な音をさせながら首の皮一枚になったゴブリンは動かなくなった。
穴をもう一度開けてゴブリンを回収。討伐報酬と魔石で合わせて1匹2000イェーンになるのだ。
回収が終わると、またポカーンとしてるミラと下を向いてプルプル震えるホー。
俺も気持ち悪かったし、ホーも辛かったんだなと肩を叩こうとした瞬間。
「やっったーー!倒した!!俺が倒した!魔物を倒したんだ!」
ガッツポーズと謎のダンスを叫びながらはしゃいでるホーを見て今度は俺がポカーンとする。
するとミラが
「元々ホーは元気でイタズラが好きな男の子だったのです。お姉ちゃんが来てから急に大人びたっていうか」
「背伸びし始めた?」
「そう、それです」
「それってアレだよね?」
「アレです。うちの皆はほとんど気づいてます」
なんだろう。狐耳の可愛い少年が、背伸びして孤児院のお姉さんのために頑張るってホーいいな。色々応援したくなる。
『オネショタこそが基本にして真理』
なんか変なのが混じったけど、落ち着いて恥ずかしがるホーを宥めてから10時位まで狩りを続けた。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。