閑話〜それぞれの悩み〜
〜才能の悩み〜
2人に作ってもらった数々の品達、これをコピーする。
やり方は簡単。今回は圧力鍋。目を瞑り完成品を左手薬指にはめられた指輪でレントゲンやエコーの要領で構造等を理解して、必要な材料を創作用アイテムボックスに入れ、頭の中に浮かんでる完成品通りに組み合わせるとほらすぐに出来たと、
あれだ、初めて陶芸をしたときになるグニャグニャしたやつがアイテムボックスから出てきた。
「ど、ドンマイ!」
「芸術はヴィティも詳しくないけど、これはこれで味があるですので」
やめて、ヴィティまでフォローしないで。そこは悪口言ってくれないと惨めになる。
〜マーヤさんの悩み〜
「シルさんが来てくれてから冒険者活動が増えたわね。この分じゃミラ達よりニーナ達の方が先かしらね?」
「まずは結婚してからですよ。デキ婚にはいい思い出ないので」
急に目のハイライトが消えるニーナに失敗したと思うマーヤ。
(以外にエイトが早かったりしてね。なんて考え過ぎかしら)
あの人がいなくなってからこんなに幸せを感じて良いのかなんて贅沢な悩みよね。
〜ヴィティの悩み〜
ヴィティは気にしていた、ミラがジンの元に駆けつけた時ここに細菌はいないと言ったことを。
嘘は言ったつもりはないですので。ただ、ジンの魔力を信じてこれなら大丈夫と思ったですので。
真実の情報を知とする眷属にあるまじき発言ですので。
でも、ありがとうって言われたですので。
あれは正しかったですので?
そして最近距離感に自信がないですので。
あの気軽なやり取りは楽しい反面、いつ嫌われるか怖いですので。
ミラ様の美味しい料理食べ過ぎた気がするですので。
太るはずないヴィティが少し丸くなった気がしますですので。
太って眷属失格なったら責任とって面倒見て貰うですので。
夜に2人に撫でられて寝るのが気持ち良いですので。
というかヴィティに寝ることが出来たの初めて知りましたですので。
〜年長組の悩み〜
「ねぇホー、1番ここでの暮らしが長いホーに聞きたいんだけど両親のこと覚えてる?」
「なんとなく、院長先生と先生に拾って貰ったの8〜9年前でまだ3歳とか4歳だったから、なしたのさミラ、兄さんにくっついてなくていいの?」
「私は覚えてる、私のお母さんは魔力の固定がない体質で、結婚して暫くして気づいたんだってさ。
お父さんの他に好きな人が出来て私は両親に、ううん。私の両親は先生と院長先生。7歳の時に2人に捨てられた。外では仲良くて、家ではほとんど話さない2人だったの。そんな人達に育てられた。
そんな私がジンとこの先上手くいけるなかなってたまに思うんだ」
「あぁ、先生達が話してるの聞いたことはあるよ、結婚したあと契約を全部オフにして別々に暮らす夫婦。そんなことバレたら異常者扱いだもんね。その人達もそうで、ミラを置いて2人はいなくなったんだ。
でも、ミラはミラでしょ。それに兄さんはミラを大事にしてるのは僕でもわかる。そんなこと言ったら僕なんて獣人との人間のハーフで、問題が有って捨てられたに決まってる。その血を僕は引き継いでる」
「それこそお姉ちゃんなら気にしないでしょ。それに、だって私ジンと付き合うのに悪いことして付き合ったの。ジンにバレたら嫌われちゃう。私嫌なお姉さんにだから」
「もしかして、そうなの?」
「うん。ホーは気付いてなかった?私は最初から気付いてたよ。だから焦って行動しちゃった。出し抜くために」
「なんか、途中でエイトを見てたら気付いたよ。お互い辛いね」
本来離婚や再婚がない世界、でもこっそり一般の人も重婚することはあるのだ。
役所の届け出も、結婚はわざわざ年齢以外の確認はしない。だって1度したら一生夫婦が常識なのだから。
2人は自分の過去を話せずにいる。話したら拒絶されるかも、その思いが消えなくて。
〜ジルーニャ=ヌイアの悩み〜
優しく孤児を育てたか……
私達王族(私は元だが)は孤児に対する忌避感は民が持つより少ない。同じ国の子供だからだ。
だが、ここの子供達を見て、まだ私が浅はかか思い知った。
まるで家族ではないか!皆マーヤ氏やニーナ氏を尊敬し、2人は分け隔てなく愛情を持って接してる。
駄目なことをしたら叱り。決して感情で怒ったりしない。口にするのは簡単だが行うのはどれほど難しいか。
私に教えれることなどあるのだろうか?
ニーナ氏の知識の広さと深さは驚かされるばかりだ。
私はここにいて役にたってるのか?
「シル姉ちゃんまた遊んでねー」
まあ、焦らずやってみるか。腹黒妹よりこっちの子供達は比べるのが悪いくらい良い子だ。
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




