ミラ怒る
シルさんが戦ってるのはまたルケットさんを引き合いに出したらしい。
シルさんに賭けた人達もいて決闘の合間に観客席から魔法をかけたりしてたけど、距離も遠く魔力は使い切ったと。
ようは決闘中じゃなきゃいいんだろ?
そう思い、左の粘着性魔力ワイヤーに魔力を込めようとしたら、
「ジン待って、私がやりたい。この決闘が終わった瞬間に私が魔法をかける」
こんなに怒った顔をしてるのは初めてだ。任せた、とだけ言って決闘を見る。勝つには勝ったが疲れてるのか肩で息をしてる。
でも、その動きもミラが魔法をかけた瞬間止まり、自分の身体を見たあとキョロキョロしてる。あっ。俺達を見つけた。
俺もミラも大きく手を振り応援してるのを確認したら笑みを浮かべ次の決闘が始まった。
決着は一瞬だ。シルさんが相手に近づき軽く腹部を蹴る。それだけで金髪になって変身する漫画のごとく観客席にまで吹っ飛んで気絶した。
今までシルさんは腰の剣も抜かず徒手格闘だけで戦ってたそうだ。魔法も牽制か回復と強化だけ。
そのせいで相手のダメージも回復しやすく長い時間戦ってたそうだ。手足を切り落としてれば状況はかなり違ってただろうに。
でも今は違う。ガチガチに強化魔法をかけた威力は一撃で相手を戦闘不能に陥れ内部のダメージも相当だ。シリウス達は逃げたくても辞めれないし、負けたら借金で奴隷ギルド行き確定だろう。
シルさんの蹂躙劇が始まる。
誰もいなくなった決闘場
「本当に助かった。ありがとう!」
「いえいえ、私達の院長先生のために戦ってくれたんですよね?」
「でもどうして剣を抜かなかったんですか?相手を切ればシルさんなら勝てましたよね?」
「私の剣は人を守るために使うと決めている。暴漢に対してならまだしも、私闘で使う剣は持ち合わせていない」
格好いい。初めて見たときのシルさんだ。
「「格好良かったです!」」
シルさんが振り向くとエイトとメイがいる。ヴィティに呼びに行ってもらったのだ。ヴィティには使い魔じゃないですのでと強く念を押された。
「院長先生の悪口言ってたあの人やっつけてくれたんですね!」
2人に感謝され恥ずかしがるシルさん。
「ギルドに来てたってことは答え出たんですか?」
首を横に振る
「迷って答えが出ないことを言いに来たんだ」
別に数日悩んでも良かったのに。
「最終的に、シルさんが決めることですけど、やりたいことの優先順位をつけると決めやすいですよ。何が目的か、譲れない物は何か、逆に妥協していいのは何か。その答えが出たら教えてください」
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拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。




