悪夢と現実
「ジンはやりすぎですので」
何を言ってる?
「魔力を鍛えすぎてジンはその存在がマナになりつつあるですので」
いや、途中から日に1%上がるかだぞ?
「気付いてる筈ですので、それは最低の時で1回しかなかったことを、今でもたまに1日で倍になる日があるですので」
それは気づいてた、でもそのおかげで色々助かったんだし。
「平均して日にどのくらい上がるですので?」
平均ならどれだけ少なく見積もっても15%は下回らないな。
「大丈夫。ヴィティとカサネ様はジンの存在を忘れませんですので」
あっ、身体が溶けてく。イヤだ!助けてくれ!ミラ!!
って言う夢を見たんだ。魘されてミラに起こされた。
恥ずかしい夢なので頭の中でヴィティに尋ねてみたら、
人がちょっと鍛えたくらいでマナに近づけるとか不可能ですので。
というか、エネルギー問題を解決してマナくらいの魔力まで鍛えて、この世界のマナ密度上げてったらどうなるか気になるですので。
と返された。
あとは、この料理アイテムの知識を2人にも見せるかな。
俺とミラでは交互に10回ずつ試したけど壊れない。
十分実用レベルにはなってるだろ。これで知識を取り出しながら同じ知識を付与する。これで半永久的に使えるはず。
「あの調子だと遅くても夕飯には完成しそうだね」
朝ごはんを食べてチタン辞書を渡したら、一瞬で地下室に潜った。今度は材料から全て手作りだー!
と凄いはしゃぎよう。そういえばメイって両手首にブレスレットなんてしてたかな?
シルさんが答えを出したらギルドへ連絡を入れると言ってたので朝晩と顔を出すか。
それ以外は今日はミラとデートの日。別に2人が地下室行ってラッキーとか思ってないし!
目的もなく、落ち着いてミラと2人きり都会をぶらつくのはこれが初めてかもしれない。
ポロッサに来てからは怒涛の日々だったし。服と食料以外は大体自前でどうにかしてたのも原因だろうけど。
首都なだけあって、冒険者学校や魔法学院などそれらしき施設があるけど今となっては入学することはないだろうな。
デートを満喫してからギルドに戻ると人が少ない。インテリっぽい受付のお兄さんに聞いてみよう。
この前ルケットさんを悪く言った冒険者(クラウスって名前らしい)がリベンジで決闘を申し込んだとか。それで地下の決闘場へ見学に行ってると。
いや、クラウスの腕じゃシルさんを倒すの無理だろ。卑怯な手でどうにかなりそうにないくらい離れてる。
闇討ちでどうにかって感じかな。戦闘力を測ったりは出来ないけどそれくらいは分かる。
「うわ!ダサ!!」
観客席に座って見てたら思わず声が出た。やってることは、仲間一杯を引き連れ順番に一対一で決闘して、負けたら仲間に回復魔法かけてもらいまた決闘に挑むリレー方式の消耗戦。
ていうかそんなの断れよ。
「おっ?もう賭けの締切は過ぎたよ」
「どんな感じですか?あと決闘の内容も教えてください」
人に物を尋ねるのにラガーを頼むのも忘れない。これやってみたかったんだよな。
なんか冷たいラガーが来た、温いやつを冷やすのは異世界共通じゃないのか。
決闘の内容はこうだ。
相手を殺すのはなし(この国共通の掟)
身体欠損はあり
一対一の連続戦
決闘中は関係者以外、手出しした時点でそいつの負け
シルはメンバーの追加なく1人で戦う
クラウス側は途中で人数を増やしてもいい
負けた方は賭け金額を負担し、その同額を決闘相手に支払う
うわ。よく言えたなこのルール、クラウスのメンタルはオリハルコンかよ。やっぱり断れよシルさん。
ことの経緯を知ってる人いないかな?
閲覧有難うございます。
ブックマークしてくれた方本当に感謝です。
ポイント付けてくれた方も感謝しています。
書く励みになっています。
拙い文なので誤字脱字多いと思いますが報告等あれは対処します。